着きました
「……ん~?」
「あっ、気がつきました?」
どうやら気絶している私を(大人げないよ義母さん)レーフェルさんが膝枕して看病してくれた様だ。
頭を振りながら起き上る。心配そうな顔をするリツカ達に笑顔を見せる。
「今どこら辺?」
「ちょうど着いた所」
確かに馬車はは停留所にとっくに着いていた。
「……此処がライソン? 何も無いな」
「そりゃあ村だからね。しかも山奥にあるんだから何もなくて当然よ。まあ此処等辺は人を襲う様な獰猛な魔物がいないから大分住みやすいと思うけど……あら?」
キョロキョロと辺りを見回すライヤ。するとリツカは何かを見つけた。
「……商人?」
「こんな山奥ですから来るのは可笑しくはありませんね。しかし……恰好から見てシン国の商人ですかねぇ?」
リツカとハイド・ミンシオの言う通り、シン国の民族衣装を着た十人程度の男達が何やら村人達と何やら商売をしていた。
「シン国の商人は商売魂の強いですからね。この様な所に来ても可笑しくないかと」
「ふ~ん。都会の方がた沢山売れそうな気がするけどな」
そうして私達は商人達を尻目に依頼人である村長の家に向かった。
村長は温厚そうな老人だった。
「ようこそ冒険者様。まさかこの様な辺鄙な村に貴方様方の様な強い方来るとは思いもしませんでした」
「いえ、魔獣ですから念には念の為です。もしもの事があれば大変ですから」
村長の奥さんから御茶をカップに注いで貰いながら私達は話を進める。
「魔獣達の行動が活発になったのは何時からですか?」
「二、三週間前ですね。最初は狐や狼等の獣達が次々と逃げる様に山の頂上から離れて行きました。それからゴブリンやオーク等この辺にはいない魔獣達が現れ出して……」
「それ以前に何か変わった事はありました?」
「いえ、その様な事はけっして……ただこの辺には言い伝えがありまして」
「言い伝え?」
私やハイド・ミンシオが思わず身を乗り出す。
「ええ。私の曾爺さんから聞いた話ですが、『百年に一度赤き流星が墜ち、そして流星は二つに分かれて空に帰る。その間けっして家を出てはならぬ。破ればその地は草も生えぬ呪われた地になるであろう』と言う内容でした」
「その『赤き流星』とは?」
「いえ。誰も見た事はありません。曾爺さんもその赤き流星を子供の時に見たそうですが、言い伝え通り外に出なかった物で……」
「どの位外に出なかったのですか?」
「う~ん……四、五日間だったかな?」
「そうですか」
成程……段々と全体図は見えて来た。
「あの冒険者様。今日は遅いですから我が家に泊りませんか?」
確かに奥さんの言う通り、ライソン村には日が沈みかけの時に着いたのだから今窓を見たらもうとっくに日が沈んでいた。
「それでは御言葉に甘えて……」
「そう言えばシン国の商人達が来ている様ですが彼等は……?」
「あの人達は野宿するみたいですよ? 部屋を貸すと言っても断るので……まあ此方に迷惑を掛けないので別に構わないですけどね」




