あいつsideでの全ての始まり
今日もいつも通りに俺は列車を待っていた。
ふと何気なく隣を見ると。
「あっ」
腕がぶつかりそうな距離にあの子がいた。白いフードを顔まで隠していが間違いない。声を掛けたかったけど、我慢した。
どうやらあの子は俺の事が嫌いらしい。
最近あの子が女の子達に何故かいじめられている。
理由がわからない。普段あの子は大人しいし、いじめられる要因が全くない。友達も誰一人あの子の悪口を言った人間は誰一人いない。
ただ、何となく俺が原因なのは間違いない。だから嫌ってるだろう。友達だけじゃあなくて先輩や後輩にまであの子関わるなと言うし。
それでも俺も何でかあの子に話し掛けてしまう。そんな所も嫌われる原因の一つだろうな。
俺も何であの子に執着するのか分からない
分からないと言えば、最近女子から良く告白される。しかも彼氏がいるのに告白する子もいた。
何で俺なんかに告白するんだろう。俺より国会議員の息子の田切、生徒会副会長の田中、帰国子女のアラン(全員顔も性格も良い)とかいるのに。何でだろう?
自然に視線があの子を探している。どうしてそんなことをするのか知りたかったから、何かとあの子に話し掛けてきた。
でもそんな生活も高校までだ。高校卒業したら海外青年協力隊に入って困っている人の助けに行きたい。最近友達にそう言っているからその内彼女の耳にも入る筈だ。
そんな事を考えている内に電車が近付いて来た。早く家に帰って英語の勉強を頑張ろう。
えっ?
どうしてあの子が飛んでいるのだろうどうして俺は無意識にあの子の腕を掴んでいるのだろうどうして俺も飛んでいるのだろうどうしてあの子より重い筈の俺があの子に引っ張られて飛んでいるだろう。どうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうしてどうして
どうして俺はこの子の手を掴んたんだろう。
一つ分かるのは、俺の人生彼女と一緒に死ぬ運命だという事を、目の前に来ている電車が証明している。