第28話「ひよりの料理チャレンジ」
日曜日の朝。
ひよりは、突然思い立ちました。
「私も澪さんみたいに、料理できるようになりたい!」
果たして、料理初心者のひよりの挑戦は成功するのか――
それでは、第28話、どうぞ。
日曜日の朝。目が覚めると、もう十時を回っていた。
休みの日の朝って、つい寝すぎちゃうのよねぇ。
金曜日に、澪さんが教えてくれたこと。
あの後、自分で試してみたけど、まだよく分からない。
でも、それはいいや。
今日は、なにしよっかな。
私は、ベッドから起き上がった。
窓を開けると、秋の風が心地いい。
いい天気。
さて…
そういえば、いつも澪さんの家で美味しいごはんを食べてるけど、私は何も作れない。
澪さんみたいに、料理できるようになりたいな。
よし!
私は、突然思い立った。
今日は、料理に挑戦しよう!
簡単な服に着替えて、近くのスーパーに向かった。
日曜日の午前中。
スーパーは、主婦で賑わっている。
私は、野菜売り場に立った。
何を作ろう。
澪さんの得意料理といえば……肉じゃが!
あれ、美味しいんだよね。
よし、肉じゃがを作ろう!
私は、スマホでレシピを検索した。
材料は……じゃがいも、にんじん、玉ねぎ、牛肉、糸こんにゃく。
調味料は……醤油、砂糖、みりん、酒。
オッケー!
カゴに材料を入れて、レジに向かった。
家に帰って、エプロンをつけた。
やる気満々。
スマホを見ながら、料理開始!
まず、じゃがいもの皮を剥く。
ピーラーで、シャッシャッと。
おお、剥けた!
次は、切る。
レシピには「一口大に切る」と書いてある。
一口大……どれくらい?
まあ、適当でいいか。
私は、じゃがいもを切った。
大きさ、バラバラ。
でも、まあいいや。
次は、にんじん。
これも切る。
玉ねぎも切る。
目が痛い!
涙が出てきた。
「うわあああ! 玉ねぎ、強い!」
でも、なんとか切り終わった。
次は、牛肉。
これは、切らなくていいみたい。
よし、材料の準備完了!
鍋に油を入れて、火をつける。
牛肉を炒める。
ジュワーッと、いい音。
おお、料理してる感じ!
肉に火が通ったら、野菜を入れる。
全部、ドサッと入れた。
炒める。
ここまでは、順調。
次は、水を入れる。
レシピには「ひたひたになるくらい」と書いてある。
ひたひた?
まあ、多めに入れておこう。
ドバドバと、水を入れた。
そして、調味料。
醤油、砂糖、みりん、酒。
レシピには、大さじ何杯って書いてあるけど……。
大さじ、どれ?
私は、引き出しをガサゴソと探した。
あった! これかな?
まあ、適当に入れよう。
醤油、ドバドバ。
砂糖、ドサッと。
みりん、ドバドバ。
酒、ドバドバ。
オッケー!
蓋をして、煮込む。
レシピには「弱火で20分」と書いてある。
弱火……どれくらい?
まあ、これくらいかな。
火をつけて、待つ。
スマホを見ながら、時間を潰す。
十分経過。
なんだか、焦げ臭い……?
鍋の蓋を開けてみた。
「うわっ!」
水が少なくなってる!
そして、底が焦げてる!
慌てて、水を足した。
でも、もう遅い。
焦げ臭い匂いが、部屋に充満している。
さらに十分煮込んで、火を止めた。
味見してみる。
「……まっず……」
じゃがいもは硬いところと柔らかすぎるところがある。
味は、濃すぎる。
そして、焦げの匂い。
失敗だ。
でも、まだ諦めない!
もう一品、作ろう!
私は、冷蔵庫を開けた。
卵がある。
よし、卵焼きを作ろう!
卵焼きなら、簡単そう。
卵を三個、ボウルに割った。
一個、殻が入った。
「あ……」
スプーンで取る。
次は、混ぜる。
砂糖と塩を入れて……。
あれ、どっちが砂糖だっけ。
まあ、いいや。
フライパンに油を入れて、卵液を流し込む。
ジュワーッ。
巻く。
あれ、巻けない。
破れた。
グチャグチャになった。
「もう!」
結局、スクランブルエッグみたいになった。
味見してみる。
「……しょっぱい……」
塩、入れすぎた。
私は、キッチンを見回した。
鍋は焦げてる。
フライパンはグチャグチャ。
まな板は野菜くずだらけ。
シンクは洗い物の山。
大惨事だ。
「もういいや!」
私は、諦めた。
料理、難しすぎる。
澪さん、すごいんだなぁ。
あんなに美味しい料理を、いつも作ってくれてる。
私は、コンビニに向かった。
お弁当を買って、帰る。
家で、コンビニ弁当を食べた。
美味しい。
やっぱり、プロはすごい。
食べ終わって、洗い物を始めた。
鍋は、焦げがこびりついて、なかなか取れない。
フライパンも、油でベタベタ。
まな板も、包丁も、ボウルも。
全部洗うのに、一時間かかった。
疲れた。
ソファに座って、深呼吸をした。
料理、大変だ。
澪さん、いつもこれをやってるんだ。
しかも、美味しく作ってる。
すごい。
私は、スマホを手に取った。
澪さんに、メッセージを送ろうかと思ったけど、やめた。
今日の失敗は、恥ずかしくて言えない。
でも、来週の金曜日、澪さんに会ったら言おう。
「料理、教えて!」って。
そうすれば、いつか私も、澪さんみたいに作れるようになるかもしれない。
そんなことを思いながら、私は窓の外を見た。
夕暮れの空。
オレンジ色に染まっている。
綺麗だな。
今日は、失敗したけど、いい経験だった。
料理の大変さが分かった。
そして、澪さんのありがたさも分かった。
来週の金曜日が、楽しみだ。
また、澪さんの美味しいごはんが食べられる。
そして、料理を教えてもらおう。
少しずつ、成長していこう。
私は、そう決めて、静かな日曜日の夜を過ごした。
お読みいただき、ありがとうございました。
ひよりの料理チャレンジ、大惨事でしたね。
「ひたひた」が分からない。
大さじが分からない。
火加減が分からない。
料理初心者あるあるです。
でも、失敗したからこそ、澪のすごさが分かったひより。
来週の金曜日、澪に「料理、教えて!」と言うんでしょうね。
次回は月曜日。
また新しい一週間が始まります。
それでは、また次回お会いしましょう。




