第四十七話 俺のケジメ
「そうだ! おまえの相手は俺だ!!」
俺はドーラに向かって言葉を放つ。
ジャグナル君を……そしてクラスメイトに痛い目に遭わせたおまえを俺は許さない。
必ず俺がA組の番長として仇をとってケジメをつける。
「へっ、いきりやがって。……まぁいい。場所変えるぞ。ここはじきにセンコーが来る」
ドーラはそう言って俺に背を向け歩き出す。
俺に背を向けると……不意打ちとか考えないんだろうか?
それとも自信の表れか。
まぁ俺は不意打ちなんてするつもりはないけど。
正面から徹底的に叩きのめしてやる。
「ライア君はクライフ先生を呼んでみんなの手当てをお願い」
「えっ? いくらライト君とは言え一人じゃーー」
「大丈夫。俺は絶対負けないから」
俺はライア君の言葉を遮り言葉を放つ。
教室にはドーラ達にやられたクラスメイトがいる。
クラスメイト達は命に別状はないだろうけど早くに手当てを受けてもらいたい。
確かにドーラが一対一ではなく、全員でかかってくる可能性もある。
そうなったらそうなったで俺も覚悟を決め魔法を使う。
俺はもう最悪の事も視野に入れて覚悟を決めた。
「ライト君……分かった。気をつけて」
ライア君はそう言うとドーラが歩いた方と反対に向かって走り出した。
ライア君ならきっとうまくやってくれる。
俺はライア君の背を見送り、ドーラの歩き出した方と歩を進めた。
正直一人は恐い。
前世なら間違いなく逃げていた場面だろう。
でも、俺は逃げちゃいけない。
俺のせいでこんな事になったのだから。
それに今の俺には魔法という力もある。
『大丈夫だ、俺ならできる』
俺は自分自身を勇気付けながらドーラの背を追って歩いた。




