第四十八話 C組の番長
「さて、ここでいいか」
俺がドーラ達について辿り着いた先はグランドだった。
幸い、グランドにくるまでの道中に奴等が俺に手を出してくる事はなかった。
学年の番長を狙うドーラだからその辺りのプライドはあるのかもしれない。
「俺はどこでもいいよ」
俺はドーラに言葉を返す。
ドーラは『へっ』と言い何かを言おうとしてやめた。
「やるなら早くしよう」
俺はドーラに先を促す。
魔力量が多いとは言え俺も自分の限界というものが分からないし長引くのは不安要素にもなる。
それに時間が立てば学校で騒ぎになるかもしれない。
そうなればみんなの仇は打てなくなるかもしれない。
「まぁ、焦るなって。俺の前にこいつの相手をしてもらう。おい、バルテル」
ドーラが呼ぶと後ろからガタイが良い男が出てきた。
髪は黒髪のアフロみたいな感じで体格は前世でいう少し小さめのお相撲さんって感じだ。
「ライト、おまえには先にバルテルと戦ってもらう」
「どういう事だ!?」
ドーラの奴、俺が消耗したところで俺を倒すつもりか?
こいつは本当に……。
「卑怯な奴め……」
「待て待て! バルテルはC組の番長だ。そして、俺は先にバルテルに勝っている。それに俺はジャグナルにも勝っている。俺は二人と戦って勝った。ライト、おまえはジャグナルだけだろ? だから、先にバルテルと戦ってもらう」
ドーラはニヤニヤしながら俺を見ている。
言われてみるとドーラが言っている事もあながち間違いではないような気がする。
もしかしたら俺が狙われているって話を聞いてならしばらく何もなかったのは、俺の知らないところでB組とC組との戦いがあったのかもしれない。
「……いいだろう、やってるやるよ」
俺はこの戦いを受ける事にした。
きっと断っても無駄な事だと思うしそんな無駄な事に時間を割きたくない。
それに後にドーラに言い訳されないように根は摘んでおく必要がある。
「はは! さすが特待生様だ! ……バルテルいけ」
ドーラは高らかに笑ったかと思いきや一転、真面目な顔になりバルテルに指示を出した。
番長同士の戦いの結果によってはこういう関係になるのだろうか?
それによってクラスメイトまで同じような関係になるとしたら……。
少ないともドーラが学年統一しても良い未来がないと思う。
……だから俺は負けられる訳にはいかない。
「……お主に恨みはないが……許せ」
バルテルはそう呟くと俺に向かって構えた。




