天然最強フラグ
それにヒュウガ君――ちゃんは、目を瞬かせた。
「あれ? ミントさん、どうしてここへ?」
「たまたま図書室に来たら、凄い話題が聞こえたから。というかローズマリーはユーマとくっつけるんだから、邪魔しないで頂戴」
折角ちょっとずついい雰囲気になってきているのに、ここで邪魔が入るのは頂けない。
そう告げるとヒュウガちゃんは、
「そういえば、二人の恋のお手伝いをミントさんはしているのでしたね。僕もついうっかり忘れてしまいました。ミントさんがあまりにローズマリーさんの事ばかり気にしているようでしたから」
にっこりと笑うヒュウガちゃんに私は、これはひょっとして百合なのだろうかと思う。
よくよく見れば確かに病弱な美少年にも見えるが、髪を伸ばせば美少女だ。
さようなら、私の彼氏候補……。
「そう、私を慕ってくれるのは嬉しいけれど、約束は守ってね」
「はい、分かりました。そうですね、ローズマリーとユーマをくっつければミントさんを独り占めできますものね」
そういうヒュウガちゃん。
なんとなーく、ばれてしまったら仕方がない、猫を被るのは止めたように見える。
でもヤンデレっぽい属性を兼ね備えていそうなので、後で攻略本を読んでおこうと思う。
というかヒュウガちゃんが女の子設定とか、攻略本には何も書かれていなかった。
微妙に役に立たない攻略本だが、そういえばネタばれしないとか何とか書かれていた気がする。
何処かに偽情報もほんの少しは言ってつじつまが会わせるようになっているのかもしれない。
ネタばれさせないために。
考えて行く頭が痛くなりそうな私は、そこで聞いてみる。
「でも二人は知り合いだったのね。知らなかったわ」
「はい、保健室登校していた僕び、レイ君はよく話しに来たり漫画本を持ってきたりしていたんですよ」
「あら、そうなの?」
そこで私がちらりとレイをみると、恥ずかしそうにプルプルしている。
おや?
おやおやおや?
「レイ、貴方顔が赤いわよ?」
「う、うるさい! 恥ずかしいからにかまっているだろう!」
「そうなの? 別に可愛い病弱な女の子に会いに行く男心って、素敵だと思うわ」
「だ、だからただの友達としてで……」
何故か必死に言うレイだけれど、確かにヒュウガちゃんが目を瞬かせているのを見ると、それ以上に進んだ気配はない。
可哀想に、気付いてもらえなかったのだろう。そこで、レイが、
「でもこう不良っぽい見た目になってから、まともに話せた女子って、ミントとヒュウガちゃんだけだな」
「そうなの? レイ君格好良くて明るくなったのに? 前のおたくっぽい姿だと地味だけれど素材が良いへたれっぽくてそっちも好きだったけれど、こっちもいいと思うよ?」
「す、すきって……」
「あ、ごめんね。友達として好感が持てるという意味で……でもこんな風になったら、モテるとおもうんだけれどな……隠れて好きな人はいるんじゃない?」
「ヒュウガは俺の事怖くないのか?」
「何で? そんな姿になってもすぐに僕、レイ君だって分かったじゃない」
レイが更に赤くなりプルプルしている。
凄い、天然は最強というか、ヒュウガちゃんに自覚がないというか……どう考えてもこの様子から、レイは。
なので折角二人っきりになっているのを邪魔しても良くないので、
「それではごゆっくり」
「なんだそのごゆっくりって!」
「ローズマリーの件は手伝ってもらうよりも、彼女に関わらないでもらえた方がまだいい状況でもあるのよ。手が欲しくなったらその時に頼むは」
「……あー、はいはい分かりました。全く勝手だな」
「というわけでよろしくね~」
こうして私は、百合フラグを上手く折れたような気がした。
でもふと、何だか主要人物、オタクっぽい子が多くないかな? という疑問が私の中でくすぶったのだった。




