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エピソード2=セイギトハケシテマジワラナイ

久しぶりです。

「おい!大丈夫か」

目を覚ますとそこにコウキがいた。

「あぁ…ここは?」

「洞窟の中、もうちょっとで死ぬとこだったな」


何があったんだ…たしかシスターズとかいうやつらにあって、…でその後は……

「貴様、横から何を撃った。」

「衝撃派魔道弾で君を30メートル位吹っ飛ばした。まあ、もともと君はガードしてたし、HPも20%ぐらいしか減ってないから大丈夫だよ」

「そういうことではない…」


自分のなかの怒りがこみ上げてくるのを感じる。俺はまたしてもレベル5に侮辱されたのだ。

「貴様があんな物打ち込まなかったら勝っていたかもしれないだろ!!」

「無理だね」

 あくまでこのコウキという男は冷静に受け流す。それが余計に腹立たしかった。


「何だと…」

「あの剣、君の最高装備『現実殺し(リアリティ・キラー)』でしょ、このままでは勝ち目が無い。それに君の後ろにいたエリザベスはジャスミン一族のNo4だから、そう簡単に勝てるものではないしね…」

「・・・」

思わず息を呑んだ、あの強さで?4に入らないのか…冷静になって考えると自殺行為に等しい。


 そこで一つ重大な事実に気づいた。

「なあ、コウキ。なぜそんなにもくわしいんだ?」

「何回も調査しているうちに分かったことだけど。」

「でもデータは無いって…」

「うん、マスターコンピューターは破壊されたから」

「それでも覚えていたはずだ、なぜ今まで黙っていた…」


コウキは一言も話さなくなってしまった。普通なら追求するところだがここはあえて止めておこう。基地に戻ってからでも遅くはない。今はこいつを利用すべきだ。


俺は眠くなってきたので寝ることにした。目を閉じてコウキに背を向ける。

俺が寝たと思ったのか、後ろで火にあたっていたコウキがポツリとつぶやいた。


   「権力には勝てないんだよ………」



ジャック⇒エリザベス


「申し訳御座いません拳王様。」

エリザベスがひざまずく先にいるのは拳王――ジャスミンだった。

「もうよい。」

一礼して王の間を出るとマイケルがいた。


「お前ほどの女がやられるとはな〜〜」

明らかに楽しそうである。しかし『ジャスミンフレンズ』を率いて、自らも?3である彼を間違っても殴るわけには行かない。

 ―――まあ殴ったところで『いたっ!』位だと思うが・・・


しかしこのまま引き下がるわけにも行かないので少しだけ反撃する。

「何もしていないあなたに言われたくありません。」

「人間だからって油断したか〜いつものお前なら二秒ぐらいで跡形も無く消せるのにどうしちゃったの?」

「今回は生かしてつれて来い、との指令でした。手加減というのはどうにも苦手です。」

「でこピンで十分じゃね?」

「死んでしまったらどうするんです?」


そんな会話を続けながら二人は歩いている。一見、物騒な会話だが、彼らにとっては日常に過ぎない。


「おーい、マイケル。ちょっと来てくれないかー」

「あー悪いな、ボブに呼ばれちまったからいくわ」

「迷惑です。速く消えてください。」

「ひどいな、おい」


笑いながら去ってゆくマイケルを見送った後、エリザベスはその足でシスターズ本部へと向かった。

「姉さん、どんな御用で」

「ジェシカ、もう少し反省しなさい。あなたのせいで失敗したのですから。」

「はぁ〜い」

反省する気がないジェシカ。しかしそんなところも気に入っていた。


シスターズの頂点にたつ彼女には友達が少なかった。みんな敬いと恐れが先行してどこかぎこちなくなってしまう。そんな彼女にとってジェシカは貴重な存在だった。


「まあいいわ。報告して。」

「はぁ〜い、えーっと、お空を飛んでた変なのはラビット(ウサギを人型にして筋肉をつけたような生き物)が片っ端から破壊しました。ジャンプして『ピョ――ン』てやってね。あ、でも一つ逃ちゃったみたい。そんなかんじ〜」

「そう……。」


一つ逃がした、というのはいつもなら怒っているところだが、今回はそういうことができない。自分よりは、成功したとつい思ってしまう。

「あ、それと〜さっきラビットをまとめているサムが来て、『こちらは逃げたのを捜索します。地上の奴は見つけたら報告します。』だって。どうする姉さん?」

「こちらも出撃します。サムよりも早くあいつらを見つけます。殺さない程度につれてきてください。」



「主要攻撃方法はでこピンで、お願いします。」



エリザベス⇒ジャック


「お前、今なんていった・・・」


突然追求された、コウキは驚いていたが、やがて隠し切れないと判断したのか、諦めたように告白しだした。

「命令されたんだ……ランディに………」

「ランディ?なぜだ…」


コウキは俯いたままゆっくり首を横に振った。

「分からない、あいつが何を考えているのかなんて…俺にはさっぱり。ただ話すわけにはいかなかったし、それで今まで黙ってた。」

「そうか・・・」

「それに……」


コウキは顔をあげ、向き合って離し始めた。

「俺は、この星を征服する必要がないと思ってる。」

「なに……」

「ここには既にジャスミンという国家ができている。それを壊す必要はないし、壊してまでえる物も無い。」


そこでいったん区切って躊躇いつつも自分の思いを吐き出す。

「だから正直、負けて欲しいとも思ってた……負けて諦めて欲しいという気持ちもあった………」

「・・・」

「悪かったな…」

「・・・お前は兵士だ。私情は捨てろ。黙って戦えばいい!!―――それだけだ。」


自分の感情が爆発した。こいつはそんな理由で情報を隠したのか…たかが一兵士が・・・

「殺せばいい。」

怒りに満ちた目でコウキをにらんでいた。そこに在ったのは自分とは全く違う、少しさびしげな表情だった。


「俺を殺せばいい。それで君は恨まれることも、罰を受けることも無い。今までの生活に戻れる。出世だって夢じゃないしもっと強くだってなれる。」

言葉を区切る。その目は確かな確信を示していた。


「―――ただ、もう一度よく考えて欲しい。確かにそれで君はいいかもしれない。しかし、所詮それだけだ。お前はその程度だ。ただ自分の欲望に駆られ必要以上に滅ぼすただの破壊者だ。ジェシカはお前に『殺すつもりは無い』といった。それは嘘じゃない。あいつらは平和を望んでいる。」

「敵の言うことが信用できるかっ!!!」


自分でも間違っていたのはわかっていた。そんなこととっくに分かっていた。ただおろかながら自分のプライドを傷つけられた憎しみが先行している。彼にとってそのプライドこそが自分の全てだった。だからこそ許せなかった。憎んでいた。認めたくなかった・・・


コウキはため息をつくとこっちに携帯端末を投げた。

「そこにあいつらのデータが入っている。好きなように使うといい。たとえ君がどうしようとも俺には関係ない。」


そこまで言うとコウキは自分に背を向け寝てしまった。洞窟の外では大雨が降っていた。湿った洞窟の中、ジャックもまた、眠りについた。







ジャック⇒ジャスミンand???


ジャスミンは少し憂鬱な気分になっていた。


二ヵ月ほど前、空から変な連中がきて以来、一気に忙しくなった。

何をするのかと思えばなんかよく分からない物を撃ってきたし、でかい剣で仲間がたたかれたこともあった。とりあえず敵だろうと思い、脅しということで『何人かで適当にやっといて』と命令したら、やつらはあっけなくやられた。もうめんどくさくなってやつらの家を破壊して帰ってもらおうとしたのに、帰るどころか昨日またやってきたらしい。ほんとに何をしたいのか分からない連中である。


空から一匹のドラゴンがこちらに向かってきた。やがて部屋になかに入ってくると人型(といってもジャスミンと同じく度をすぎたゴリマッチョに変わりは無いのだが…)になった。ジャスミンの弟の『ジャスミソ』である。


「姉上、今日の気分はいかがでしょう。」

「いまいちですね。どうも交渉というのは苦手でしてね…」

「姉上、がやると交渉ではなく『拷問』ですからな。」

「一言多いです」


声だけ聞くとなんともほほえましい光景なのだが、その鍛え上がられた肉体が雰囲気をぶち壊している。その後も会話は続く。


「またあのときのように戦えば宜しいのに・・・」

「何をいっているのです。確かにあの戦争で私たちは幸せを得ました。しかしその代償として多くの命が失われてしまいました。これ以上犠牲者を増やすわけにはいきません。たとえ、それが敵であったとしても……」

「あの時は大変でしたな。でも姉上が敵の基地を島ごと吹っ飛ばしたのには正直驚きました。いやはや、姉上がそんなにも強いとは・・・」

「手加減したつもりなのですが………」

「まあ、そんなことは良いとしますか、それで?これからどう対処するおつもりで?」

「無視していいでしょう。所詮その程度の部族なのですから……」


 了解しました。ジャスミソはそういうと退室した。

 本当になにがしたいのだろう?そもそも奴らは空を飛んでいた。それほどの能力と知能がありながら、なぜ無駄な争いを続けるのか?

 ー嫌な予感がする……

いつもどうりの夜空が不気味に思えた。



また時間があったら書きます。


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