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エピソード0、5ヘイワナセカイ

未熟者ですがよろしくお願いします。


 ジャックはこの世界が好きだった。

 ジャックは惑星「メラノス」の軍に所属している軍の兵士…というより自分の部隊を持つ「リーダー」だった。

 ときは宇宙開拓時代。人類は宇宙に次々と人口の都市を建設していた。彼がいるメラノスもその一つ、もともと火山の星だったメラノスは上空2000メートルに空中都市を建設。今ではUSP―惑星連合の本部がおかれている都市でもある。

 火山による熱エネルギーを利用し、今ではUSP屈指の経済大国となっている。

 念のために言わせてもらうとUSPに「地球」なる星はない。つまりはそもそも所属する銀河が違うのだ。あくまで関係ない話ではあるのだが……。

 そんな星の軍の1リーダーであるジャックがどれだけすごいのかは分かるだろう。そもそも彼がこんなにも高い地位にあるのには理由があった。

 CHA――クロス・ヒューマン・アーマー

 CHA――クロス・ヒューマン・アーマーとはとある二人の天才科学者のよって開発された、「人と一体し、自由自在に動かせる強くてすごくて、そしてどこのアニメのやつですか?

と思わせるボディをしたアーマーである。この兵器によって宇宙開拓が急速に進み、今にいたっている。そして彼は世界でも数少ないCHAを使える人だった。 

 ジャックはUSP本部に入る。この一帯ではCHAは使えない。抜かりはないキャリアの防護作と言ったところか。あるいはただの平和維持か・・・

 ジャックの世界は平和そのものだった。いつまでもこの世界にいたい。心からそう思っていた。だから今日、最高司令官のプロイノアに呼ばれても特に何も感じなかった。

 豪華な装飾が施された赤じゅうたんを歩く。これまた一段と豪華な装飾が施された扉を開けるとそこに彼―――プロイノアUSP軍最高指令長がすわっていた。

「来たか。」

プロイノアの低い声が部屋に響く。横にいる女性秘書が小さく「はい。」と返す。プロイノアの体格との差から隣にいる秘書がやけに華奢に見える。鍛えられた彼の肉体が放つオーラは凄まじい物だ。顔の傷が痛々しいとともに彼の肉体をいっそう引き立たせている。

 目が合った。思わず一瞬ひるむ。何度見てもなれない荒々しい顔がそこにあった。

「何か御用でしょうか。」

「お前、ラマドームは知っているな。」

「はい。」

 ラマドームとは現在開発中の惑星だ。確か既に別働隊が向かっているはずだが……

「実はそこに住むやつらの抵抗が激しくてな、近々私が行くことになりそうだ。」

「指令長自ら…ですか。」

「そうだ。今日議会を動かす。いつでも出動できるようにしておけ。」

「はっ!!」 



 ………ジャック⇒秘書


 ジャックが出たのを確認してから秘書が口を開く。

「本当に指令長が自ら?」

プロイノアは椅子に座りなおしてからおもむろに答えた。

「ああ、任務は必ずこなさなければいけぬからな。それに興味がわいてきた。奴らがどれほど強いのかがな・・・」

「本当にそのような生物がいるとは思えませんが。彼らは銃弾を己の肉体のみで防ぎ、ダイナマイトでも破壊できない壁を殴り壊すとか………」

「彼らではない。奴らだ。」

いらだったようにはき捨てる。沈黙があたりを包む。

「俺も信じられないがあのCHAが破壊されたとなればいくしかないだろう。」

「………」

「くだらぬ話をした。支度をせよ。議会が始まる。」

秘書の心の中に大きな不安がよぎる。あのCHAが破壊された!?信じられない!いくらあのリーダーが弱いとしてもそれはありえない。だって・・・

「いくぞ。」

 CHAは・・・私の――――





 USP連邦議会本会議場


 「これよりUSP宇宙開発会議を行う。」

最高議長補佐官の声が会議場に響き渡る。様々な星の代表がここに集う。いずれも家柄の優れたキャリアといった感じだ。秘書である彼女はとある理由からこの身分まで上り詰めることができたが、もともとは普通の家の出だったため、正直キャリアはあまり好きではなかった。今自分は彼らと同じなのだと心の中で苦笑する。

「本日は先日提出された『ラマドーム開発計画における軍の使用案』について議論する。発案者はプロイノアUSP軍最高指令長。」

「はっ」

プロイノアは短く返答し、私は発言準備を終える。プロイノアが発言する。

「現在開発中のラマドームの件ですが、現在地方の部隊が征圧できず苦戦しているとのことです。そこで私がUSP軍最高司令官としてラマドームを征―――」

「異議あり!!たかが一惑星に指令長自らと言うのは今までに前例のないこと!!ゆえに我々は差の議案の中止を求める!!」

会場に怒号が響き渡る。親メラノス派と反メラノス派の対立は激しい。正直、呆れる。しかしそれを抑える力を持つのがプロイノアという人間だった。

「プロイノア最高司令官。」

「宇宙開発に前例というのはありませんが。今のあなた方の発言は宇宙開発によってできた都市、つまり我がメラノスを批判していると受け取って宜しいかな。」

「それとこれとは………」

「いいでしょう。ならばこちらにも手があります。それともあなたがラマドームに行きますかな?」

会場が静まり返る。反論できるはずがなかった。最高司令官とはそういった権力をもった人間なのだ。そしてプロイノアという人間はそれを200%利用する人物だった。

「他に発言は。」

親メラノス派の補佐官の放つ言葉は反メラノス派にとって死刑宣告のように響き渡った。この戦いに反メラノス派は勝てなかった。

「それでは議決を始める。」

いうまでもなく可決された。権力に勝つことはできない。サラは心の中でそう思った。

本会議場を出た。プロイノアがかすかに笑った。

「ジャックに連絡しろ。」

そして自分もその一人だということも、彼女は知っていた・・・




………秘書⇒ジャック


 「今、プロイノア最高司令官から連絡が入った。」

ジャックは自分の部隊のメンバーにたった今伝えられたことを説明した。

「出動ということですか…」

「そうだ。」

短く返答したが側近であるアレンの様子がぎこちない。彼もまたCHA使用可能者だった。立場が近いことから公私を超えて付き合いがあるのだが………

「どうした、アレン」

「はっ。なんといいますか、なぜ私たちが惑星開発に行くのかと………」

「・・・実をいうと私にも分からない。だが最高司令官のご命令とあれば行かないわけには行かないだろう。」

ジャックは静かにあたりを見渡した。皆の顔が曇っている。なぜわれわれなのだ?と。ジャックも同じである。しかし、指令長自らいくということは何らかの意味があるに違いない。しかしなぜ指令長が・・・

「今回の作戦には最高司令官自らが出動なさるおつもりだ。」

各々驚きの顔を浮かべる。当たり前である。数々の疑念を振り払うように大声を出す。

「とにかく、明日出動する準備しておくように。」

ざわつく自分の仲間を残し、基地を後にした。

・・・



「マスター、G。準備のほうはどうなっている。」

マスターGと呼ばれた彼専用のロボットは横を歩きながら報告を始める。

「今のところ何も問題はありません。ただすべての戦闘員の精神案定率が平均62%となっていますが。」

その声に抑揚こそあるものの感情は全く伝わってこない。そんな声になぜか安心さえ抱きながら親しみをこめた声を、ため息とともに返す。

「仕方ないだろう。」

「特にアレンの精神安定率が24,7%と著しく低下しています。ここまで下がると明日からの作戦に影響が出る恐れがあります。」

「分かっている。お前にできることは?」

「私に心理学はプログラムされていませんので、不可能です。」

「ならいい。仕方のないことだ。」

ロボットには器用さがない。しかし彼はそんな'彼'に柔らかな笑顔を見せながら、事務的な質問を尋ねる。

「ところで今回の敵のデータは?」

「先ほどラマドームのマスターコンピューターに接続しようとしましたが、跡形もなく消されていました。どうやらマスターコンピューター事態が破壊されたようで接続はできません。」

「マスターコンピューターが破壊されたと今いったか?」

「はい。」

何が起こっている!?マスターコンピュータ−が破壊されるというへまを犯すような部隊が今ラマドームにいるというのか?それとも………

「そのデータが他にあるとすればメラノスのマスターコンピューターですが、こちらにはそもそも接続できません。」

「ハッキングは?」

「できないことはありませんが、終了までに37時間52分45秒かかると思われます。それにUSP憲法第24条に違反します。それでもというのならプログラムを実行しますが。」

「いや、いい。」

「それと、ジャック様の脈拍数、呼吸数ともに増加しています。そこから計算するに精神安定率48%。気持ちを落ちつけることをお勧めします。」

そんなことは分かっていた。そんな苛立ちを出さないように気をつけながら横の'ロボット'に要求を伝えた。

「分かった。ポート4にレーサーを用意してくれ。それから君は基地に戻って出発の準備を。」

「分かりました。」

「よろしく頼むよ。」

マスターGが背を向ける。気にせずポート4に向かう。

 ―――どこか壊れたような、力の抜けた笑いとともに………



 ・・・ジャック⇔サラ

 サラは少し憂鬱な気持ちになっていた。

 ジャックが他の星に行ってしまう。そう考えるだけで切ない。

 サラはジャックの恋人だった。とはいってもサラの親が親なのでその事実を知るものは二人だけだった。なので目立ったことをすることはできず、今日もこうしてジャックの部屋に忍び込んで愛しの彼の帰りを待っていた。

 人には誰でも秘密があるというが、サラはあまりに多くの秘密を抱えた存在だった。幼い頃から激動の人生を歩み、そのたびに自分を偽ってきた。そんな彼女はいつしか自分を見失っていた。そんな時彼女を救ってくれたのがジャックだった。彼は彼女の偽りの世界の中にやさしい風をもたらした。冷めていた彼女の氷を溶かしていった。そんなジャックを彼女は受け入れた。いけないと分かっていても、心地よかった……。

 自分の心臓に手を当て、速くなる鼓動を抑える。今日のことは思い出したくなかった。出世を捨てた身なのだ。そう自分に言い聞かせた。

 サラの心臓が別の鼓動を打ち始めた。遠くからやってくるレーサーに乗っているのはジャクではないか!顔を赤らめつつ、ポートに向かう。

 「お帰り。」

到着したジャックにやわらかい笑顔を向ける。以前の彼女では考えられなかった。ふとジャックはそんなことを思った。

「来てたのか。」

「ごめんなさい。別にいいわよね?」

「まさか。むしろ嬉しいぐらいだ。」

くすっ、と笑うサラを見ながら疲労した体をソファにたおす。上品にソファに腰掛けるサラに少し見とれたが、振り切るように自分を現実に引き戻す。

「分かっていると思うが・・・」

「分かってる。分かってるから、もう、言わないで………」

……わかってるから・・・今ぐらい忘れさせて………――

そんな彼女の気持ちが分かったのか、ジャックは彼女だけに見せるやわらかい笑みを見せた。

「分かった。今は二人だけの時間だ。」

 二人だけの心地いい世界に落ちていく。ただただ、心地よかった。

わたしは、しあわせ・・・

 サラは心のそこからそう思っていた。


 この幸せが永遠に続きますように・・・





…サラ+ジャック→マスターG    NEXT DAY 


 「全員の搭乗が終わりました。」

「出動だ。目指すはラマドーム。プログラムの準備を」

「了解しました。」

「リーダー。そろそろ……」

「分かったアレン。行くぞ、マスターG」

「了解しました。」


・・・・・・



それぞれの思いを胸に、今宇宙船は飛び立つ。

 その先に見えるのは希望か、地獄か、



 それを知る者は誰もいなかった・・・




          少なくとも今は ・ ・ ・

  


まだ始まりなのでつまらないとおもいます

ジャスミンが出るのをお待ちください

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