第52章 決戦の日曜日
何時もと同じ朝だった。昨晩一真に赤ちゃんが出来た事を伝えると飛び跳ねて喜んでいた。名前を考えると言い出していた。会長にも報告したら父親も喜んでいた。会長は泣いていた。駐車場では藤峰店長がのぼりを立てていた。ありさも車から降りて手伝った。何時ものルーティンだ。ほうきをとり駐車場の掃除をしているとショールームがやけにザワザワしているのに気がついた。掃除を中段しショールームへ入ってみると霊達がいた。ただ、ワタナベさん親子の顔が見えなかった。反対した人だった。後のメンバーと何故か見えないはずの死神がありさにも見えた。恐ろしい顔をしていた。嫌な予感はしたが深く考えなかった。朝礼が終わりしばらくすると佐川急便が来た。荷物を沢山置いて帰った。その中にWORKジーストST1と書いてある段ボールを開けて驚いた。ディスクが白に塗られていた。だから1日遅れたなと思った。既製品だから1日で発送するはずだったからだ。担当の三輪さんがありさの願いを聞いてくれたと思った。出来ないと断られていたがやってくれた。ありさは台車を押して倉庫へ245/30/19ナンカンNS2を4本持って来てタイヤチェンジャーにWORKジーストST1をセットしタイヤをセットした。4本終わると86を工場へ入れ2ポストリフトで上にあげて電動インパクトでホイールを外した。ワイトレも外しセットしたWORKジーストST1をセットしインパクトレンチでカチッというまで締めあげて終えた。「どうよ。」整備士達の顔をドヤ顔で見た。「良いッスね。」と全員が言った。そうしか言えなかった。ありさは後、横、前から見て頷いた。中川さん見たいに。霊達が腰に付けたどこかの鍵をジャラジャラ鳴らしスッーと全員消えた。ありさには何も言わず行った。そして千代田サービスエリアでカップルの霊と合流した52人と死神は二本松市のエビスサーキットへ向かう。エビスサーキットでは、朝から外国人や日本人の走り屋達がコースを走っていた。その時、紫のS15シルビアに乗った、荒井俊夫をカップルの男性の霊、和也が「あ!あいつだ!紫色のS15シルビアに奴、荒井俊夫だ。」和也が指差した。ヘルメットをかぶっていたがわかった。忘れもしない目をしていた。女性の霊、静香も「あいつに間違いない。」とさけんだ。狙いは定まった。まずは和也と静香で脅かしに行く。フロントガラスにへばりついて前を見にくくした。荒井俊夫は、二人の顔をみて「悪い、俺が悪かった!前が見えないからどいてくれ!頼む。」と言ったが和也と静香はどかなかった。すると霊全員がフロントガラスリアガラス、サイドガラスにへばりついて完全に視界を遮った。最後は死神が荒井俊夫の身体に抱きついた。荒井俊夫はコントロールを失い土手に乗り上げてんぷくした。運が悪く車の中に閉じ込められた、また、給油口が開いたままだった。それを見逃さないのが岸本真由子の霊だ。ふたを開けてガソリンを漏れさせ、千代田サービスエリアで拾ったライターを投げ入れる。完全なる殺人、復讐劇であった。荒井俊夫は性別がわからないほど焼かれ死亡した。かろうじてヘルメットのおかげで左頬のあざで荒井俊夫とわかる程度だった。警察の現場検証で不思議な事がわかった。何故、給油口のふたが空いたのかと現場にライターが落ちていたかが争点となった。結果的に不運な事故で片付けられた。霊の仕業だとは知れずに。たまに不可解な事故は霊のチカラによるものだと感じた事件であった。霊達全員、ありさのショールームへこれ以降現れる事はなかった。ありさにサヨナラを言わず別れた。唯一ワタナベ一家の天使達がありさを見守った。株式会社エンジェル自動車カスタムカー専門店と中川自動車販売の1日は変わる事なくこの日も続いた。午前中に中川と吉澤が20クラウンアスリートを2台取りに来てカスタマイズして午後からもう2台取りに来てカスタマイズした。中川はありさの86を見て、ニヤニヤしながら後、横、前から腕を組んで眺めて「良い車だ。」とひと言残した。そして、ありさはネットニュースで荒井俊夫の死亡を知る。1日が終わった。
締め切りが間近なので本日より午前中1話と午後に1話の1日に2話を投稿致します。よろしくお願いします。第63章+1話で終了致します。




