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役立たずと追放された俺、唯一の相棒の犬が実は神獣だったので全てを見返すことにした  作者: ののりり


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第5話 「格の違いを教えてやる——元仲間が完全に黙った瞬間」

「……もう一度、同じ依頼を受けるだと?」

レオンが眉をひそめる。

「ああ」

俺は軽く頷いた。

「しかも今度は——目の前でやる」

「……何?」

ギルドの空気がざわつく。

「ここから少し離れた場所に、同じクラスの魔物がいるはずだろ?」

受付の女性が、戸惑いながらも答える。

「は、はい……ですが、あれは複数人で挑むレベルで——」

「ちょうどいい」

俺は言葉を遮った。

「全員で見に来いよ」

そう言って、レオンを見据える。

「お前らが“役立たず”だと思ってた奴が、どう戦うのか」

ピリッ——

空気が張り詰めた。

「……いいだろう」

レオンが低く呟く。

「そこまで言うなら、見せてもらおうじゃないか」


数分後。

ギルドの連中を引き連れて、俺たちは森へと向かった。

「本当にやるのかよ……」「自殺行為だろ……」

ざわめきが後ろから聞こえる。

だが——

「フェン」

「ワン!」

隣には、相棒がいる。

それだけで十分だ。


目的の場所に到着する。

そこにいたのは——

前回と同等、いやそれ以上の威圧感を放つ魔物。

「グォォォ……!!」

唸り声だけで空気が震える。

「……これが現実だ」

レオンが腕を組みながら言う。

「今ならまだ引き返せるぞ、レイン」

見下すような視線。

——だからこそ、気持ちいい。

「心配すんな」

俺は一歩前に出た。

「一瞬で終わる」

「……は?」

レオンの顔が歪む。


「フェン」

「ワン!」

フェンが前に出る。

そして——

眩い光。

神獣の姿が現れた瞬間、後ろの空気が凍りついた。

「なっ……また……!」「やっぱり本物か……!」

ざわめきが広がる。

だが——

「下がってていい」

俺は静かに言った。

「今回は、全部俺がやる」

「ワン?」

フェンが不思議そうに見る。

「見せたいんだよ」

俺は笑った。

「“格の違い”ってやつをな」


地面を蹴る。

——ドンッ!!

一瞬で距離を詰める。

「グァァァッ!!」

魔物が爪を振り下ろす。

だが——遅い。

「見えてる」

軽く体を捻り、回避。

そのまま懐に潜り込む。

「終わりだ」

拳を握る。

体内の力が、一気に爆発する。

「——はあっ!!」

ドゴォォォォンッ!!!!

衝撃が、森を揺らした。

次の瞬間。

魔物の巨体が宙を舞い——

地面に叩きつけられる。

……動かない。

完全に、沈黙した。


「……は?」

誰かの声が、間抜けに響いた。

静寂。

そして——

「嘘だろ……」「一撃……?」

ざわざわと、空気が崩れていく。

俺はゆっくりと振り返った。

その視線の先には——

レオン。

「どうした?」

軽く笑う。

「まぐれ、じゃなかったな」

「……っ」

言葉が出ないらしい。

さっきまでの余裕は、完全に消えている。


「なあ、レオン」

俺は一歩、近づいた。

「お前、言ったよな」

「俺は“役立たず”だって」

さらに一歩。

「なら教えてやるよ」

目を合わせる。

逃げ場はない。

「役立たずなのは——どっちだ?」

「……!!」

レオンの顔が歪む。

だが、何も言い返せない。


「行くぞ、フェン」

「ワン!」

俺は背を向けた。

もう、答えは出ている。

後ろから聞こえるのは——

ざわめきと、驚愕。

そして。

完全に砕けた、元仲間のプライドだった。


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