異世界温泉狂旅日記

給料は安く、休日は短い。満足に食えず睡眠も浅い。
上司はクソだし同僚たちも俺個人の人間関係も親兄弟を含め死んでいる。
俺ってなんのために生きているんだっけ。
せめて風呂くらい入らせてくれ。

ああ――温泉にいきたい。

ふと気づけば、無機質な職場ではなくどこか西洋な木々が立ち並ぶ森の中。
コスプレ広場の輪っかの中心で見かけるような若い男女と一緒に居た。
俺はユマルというらしい。いや、限界サラリーマンなんだが。
精霊の泉に向かっていたらしい。泉は泉でもあったかい泉に入りたいんだが。
魔物にも襲われる上に、どうやらコスプレイヤー達は役立たずらしい。

どうも夢を見ているようだ。俺は温泉に入りたいだけなのに。