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2000 SHOCK ミレニアムショック  作者: dai
第一章 始まり
6/6

大人の決意

 結局、初詣には行かなかった。美央には申し訳ないことをしたが、普通の神経をしていたらいけるはずもない。無駄に時間だけが過ぎて行く。陽子が前日から一生懸命作ったおせちも手付かずのまま。


 そんな時、一本の電話が入った。陽子はゆっくりと立ち上がり、ゆっくりと受話器を握り、ゆっくりと

「もしもし、村上です。」と言った。

電話は正次郎からだった。

 今回の真西軍の件でしばらく帰れそうにないというけとと、一太と雫の様子を心配する内容だった。

 正次郎が帰宅したのは、それから三日後だった。


 正次郎は帰宅するとすぐに、家族全員をリビングに集めた。

「みんなもテレビで見たとは思うけど、真西軍というテロ集団が、鹿児島と大阪を乗っ取ってしまった。やつらは一人一人がバケモノみたいに強くて、普通の人間じゃあ敵わない。この事態を重く見た政府が、警察、消防、自衛隊、海保から人材を選んで真西軍と戦う新しい組織、チームジャパンを作ることを決めたんだ。ちょっとスポーツの日本代表みたいな名前だけど。選ばれた人たちは、格闘技や武道の全国経験者や、中には日本一になったことのある人もいる。そんな人たちの中に俺も選ばれたんだ。任務につけばいつ帰って来れるかわからない。もしかしたら命を落とすかもしれない。」


そう言うと、正次郎は話を止めて、家族を見つめてた。


その様子を見て、陽子はすべて察した。


「お父さん!凄いよ!そんな人たちの中に選ばれたんでしょ?私たちのことは気にしなくていい!日本を平和にしてください。」


と言い、すぐに立ち上がり晩ご飯を作り始めた。陽子は、少しでも悲しい顔をすれば、正次郎の決心が揺らいでしまうのがわかっていた。ホントはそんな危険な任務をして欲しくはない。でも、今の日本には正次郎の力が必要なこともわかっていたのだ。


陽子の後ろ姿を見て、正次郎は一言


「ありがとう。」と言った。


そんな二人を見て、一太と健と雫は生まれて初めて決心をした大人の凄さを感じた。


家族みんなで食べる最後になるかもしれない晩餐は、野菜たっぷりのカレーだった。


翌日、正次郎は本部のある東京に旅立った。



冬休み中は部活は真西軍の事件のこともあり休みだった。一太は美央との約束を破ってしまったことも気にしていた。三学期になったたら謝ろう。

そう決めていたのだが、美央は二度と学校に来ることは無かった。家庭の事情で鎌倉に引っ越したのだった。

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