2000年
2000年 0時00分00秒。東京。カウントダウンに湧く日本国民たちに、なんの前触れもなくその衝撃は訪れた。
真っ暗な夜の空が一つの大きな光と「ドンッ!」という爆発音で一気に明るくなった。それはまるで花火大会のフィナーレのように、力強くもあり、美しくもあった。
そして、その光が消え、また元の真っ暗な夜の空に戻ると共に、人々はとてつもない寂しさと恐怖を感じた。その寂しさと恐怖は、まさにこれから日本に起こる悲劇の始まりの合図だった。
0時10分00秒。東京に住む大勢の人々が突如吐血し
、数分から数十分であっという間に死んだのだ。
あまりにも急なので、 政府、医療機関、警察、消防、自衛隊は対応ができずにいた。その影響で東京は大パニックになった。
すると突然、日本中のテレビに1人の男が映し出された。男は全身黒尽くめで、大きなローブに頭からフードを被っていた。顔はほぼ隠れていてかろうじて鼻と少しニヤケた口が見える程度だった。
そして、その男は口を開いた。
「日本国民の皆さん、明けましておめでとうございます。今年は記念すべき2000年代始まりの年ですね。そんな記念すべき年にふさわしいサプライズを私たちから皆さんにさせて頂きました。私たちのサプライズは楽しんでいただけましたか?あの光は私たちが開発した生物兵器、「ミレニアムくん打ち上げ型」がドーン!バーン!ピカッ!てなって爆発した時のものです。皆さんの所にはミレニアムくんはご挨拶に来ましたか?血はいっぱい吐きましたか?来てたら生きてないか。来ていないよーって方も気を落とす必要はございません。これはあくまでこれから始まるパーティーの序章にすぎないのですから。さぁ、日本国民の皆さん!私たちと一緒にこれから起こるイベントを楽しんでいきましょう。ではまた。」
そう言い終えると、画面は真っ暗になった。
ボイスチェンジジャーで声を変えており、終始棒読みで、少しうわずった声が見ている人々に余計に恐怖を与えた。
その映像を見て、ミレニアムくんの影響で屍になった両親の横で、恐怖で震えながらもこの男を必ず見つけ出して殺してやる。そう決意した少年がいた。
その少年の名は本田一太。一太は両親と妹の雫と一緒に近くの神社に初詣に行った帰りにその光を見た。その後、帰宅してすぐに両親は吐血し、あっという間に死んだ。なぜか、一太と雫は死ななかった。
数日後の政府の発表によると、東京都民の約一割、100万人の死亡が確認されたが、全て大人だった。それも、年齢が高ければ高いほど死亡割合だ高いことがわかったのだった。
両親を亡くした一太と雫は、愛媛松山の母方の叔父に引き取られることになった。




