22 クロスボウ。
仕事の呪い+文章製作中の突然のシャットアウトは許せない
「えーっと・・・うん、売ってるね。」
僕は名もなき街道エリアから離れ、再度アクラの街に居た。
そして、僕は目当ての物を見つけた。―手ごろな大きさの木材だ。
本来は木工師が使うであろうこの素材アイテムを購入し、ついでに道具屋でとある物を購入した。
これで素材は揃った。後はうまくできるかどうかだ。
「さすがに銃は無理だけど、似たような物なら作れるかも!」
とリクトは考えた。
銃弾とかはどう考えても無理なので、発射するのは弓矢だ。
―リクトは、携帯式の小型クロスボウを作ろうと考えたのだ。
クロスボウとは、あらかじめ引いてある弦に矢をセット、即座に発射できる、という固定兵器だ。大型の物はバリスタって言って、ゲームとかにも出てるよね。何とか狩猟ゲームとかさ。
僕が作ろうとしているのは、そんな大きなものじゃない。何より、普通の弓矢を発射するようじゃダメだ。
何故かと言えば、このゲームにはサブウェポンとメインウェポンがあるけど、その差を区別するのに『武器の大きさとダメージの量』で決められている。
剣で言えば、普通の長剣を剣士が装備するとして、サブウェポンで威力の弱い短剣を装備するのはいいけど、もう一本同じ長剣をサブウェポンとして装備するのはできない。ジョブによっては出来るかもしれないけど。
弓を大きくすれば、当然発射する弓矢も大きくしなければいけない。すると、大きさが普通の長弓と変わらなくなり「この武器はアーチャー専用の弓」と判定されて、道具師の僕じゃ装備できなくなる。
ならどうすればいいか?・・・弓自体を小さくするか、威力の弱い補助的な弓にすれば問題はなくなる。
「ここをこうして・・・。うーん、難しいな・・・。」
リクトはちまちまと、木材を削って徐々に形を作っていく。ちなみに手元には、雑貨屋で買った木材と、道具屋で買ったアーチャー用の予備の弦が置いてある。
本来、木工師以外が作ろうとすれば失敗判定が出るんだけど、そこは器用貧乏な道具師・・・今はアイテムメーカーか。難なく作業をこなしている。
頭の中でクロスボウの形を思い描きながら作る事数時間。やっとの思いで完成したのは、一応形が分かる程度の代物だった。
リクトのクロスボウ(補助武器):中品質:32
リクトが作り上げたクロスボウ。極めて原始的な造りをしている。
攻撃力:補正値+1(補助武器:攻撃力は矢に依存。)スキル:無し
きわめて原始的って何だよ!
「はぁー・・・疲れた。一から作ってこれかぁ。」
なるべく小さく作ろうとした結果、腕にクロスボウ自体を装着して矢を装填し、発射するタイプにした。いちいち取り出さなくても即座に発射できるのはいいアイデアだと自分でも思う。
そして、簡単にだけどクロスボウ専用の矢も作っておいた。
前買ったレシピ本見たら、小型の矢ってあったんだよね。随分前に拾った木の枝がここで機能するとは思わなかったけど。
クロスボウの矢 低品質:25
クロスボウ専用の小型の矢。
攻撃力+2(クロスボウより発射可能)
「クロスボウの補正値が1、矢が2。合計は3か・・・って、ルーキーソード並みじゃん!」
矢の品質が低いのは、持ってたあり合わせの材料(落ちてた木の枝+落ちてた石のコラボレーション)で作ったからだろうけど。
とりあえず、目当ての物は出来たので再度グラスラビットの群れに忍び寄る。
(うまく当たれよ・・・)
クロスボウで一番近くに居るウサギに狙いを定めて、・・・発射。
ヒュッと飛んだ弓矢は、ウサギに命中した・・・けど、HPが3割ほどしか減らなかった。
びっくりして逃げるウサギ達。矢が刺さったまま逃げるウサギってすごいシュールだな・・・。
「あーダメだな、威力が弱すぎる。」
まあそりゃ原始的な造りのクロスボウ+拾った節約感満載の弓矢の組み合わせじゃ、そうなるかな。
でも、アケロンよりも弱い最弱クラスのウサギ相手にHPを半分も削れなかったってのは問題なんじゃないだろうか・・・。
「でも、自分で作った武器って何か感動するなぁ。」
出来は酷くても、初めて作った武器がきちんと作動したのだ。そう思うと嬉しくなってくる。たとえダメージが極低であろうともだ、うん。
「よし、これから先、このクロスボウと共にして行こう!いずれはもっと強く改造してやる!」
僕と共に成長する武器って何か格好良いよね!僕自身が成長するかは分かんないけどね。
・・・あ、回復アイテムの材料採るの忘れてた。僕って何してるんだろう。
補助武器:現代で言うメイン:ライフル...サブ:ナイフみたいな感じだと思ってください。
え?FPSによってはライフル2枠持てるぞ?知らんな。




