19 補助武器の作成計画。
11/13 若干台詞を修正。
毒沼から帰還した僕は、姉さんのパーティーから離れてアクラの街に戻っていた。
フォレストレントと、ウォーターパンサーが出てくるマップの中間付近にワープクリスタル(触ると自動的に神秘の森入り口に戻る。便利。)が設置されてたのが凄く有難かった。
「さて、と。前から思ってたけど、攻撃手段を増やしたいよな・・・。」
一応、僕は剣を扱ってはいるけど、攻撃力も低いしソードマスタリースキルすら取ってない有様だ。つまりは、こんなので戦ってもいずれは手も足も出なくなってしまうだろう(今でもそれになりつつある)。
色々と考えた結果、何か投擲アイテムみたいな物を作れないか?という考えに至った。
構想はいくつかある。ヴァイス君が使ってたみたいな敵にダメージを与える「ダメージポーション」、毒薬とかを詰めて投げる「異常状態になる投擲用ポーション」、単純な投げナイフみたいなタイプの「投擲攻撃アイテム」とかだ。
だけど、それぞれ長所もあれば短所もある。
ダメージポーションの場合、モンスター素材から作る分安くできそうだけど効果が弱くなる。異常状態ポーションの場合、効く相手なら効果はあるだろうけど、効かない相手の場合は全くの無力になる。投げナイフの場合、ダメージ量も高い上NPC商店で売っていて、すぐに補充ができる利点と引き換えに、消耗品のくせして単価が結構高い事が挙げられる。
「まず、ヴァイス君が使ってたと同じ爆発ポーションを試してみよう。」
NPC商店から合成や調薬のレシピ本を買い、該当のページを見ながら合成を試す。
材料は、初心者ポーション以上のランクのポーションに、液体爆薬という危険極まりない名前のアイテムを合成するだけ。
何回か失敗したけど、いくつかは成功した。出来上がったのがこれだ。
ボムポーションLv1 中品質:50
空気に触れた瞬間に爆発する、危険な投擲用ポーション。間違って飲んではならない。
敵に固定ダメージ:50
固定ダメージと言う事は、『防御力とかは関係無く50ダメージを与える』という事。一見したら有効なアイテムに見えるけど、実はそうでもない。
僕のレベルは24でHPは約700ある。これだけで倒そうとするのなら、14本必要な計算になる。素材の液体爆薬が安くないので、作りまくればいい、という訳にもいかない。
今のはノーマルポーションでやった結果で、上位のリカバーポーションで試してみたけど、十数回やって1回も成功しなかった。成功確率の低さは道具師としてのデメリットだから仕方ない。
「うーん、ダメだ。一応悪あがき程度にはなるかも知れないけど、威力が弱すぎる。」
と、ダメージポーションの案はボツになった。
次の案は、異常状態になる投擲ポーションだ。
異常状態には色んな種類があって、HPが徐々に減る『毒』や『猛毒』、身体が動かなくなる『麻痺』、意識がなくなる『気絶』とか、まあ本当に色々ある。
敵に投げつけて敵を異常状態にさせるポーションを作る、というのが今回のチャレンジ内容だ。
「材料はあるんだよなぁ、毒だけ。」
以前、木立エリアに初めて行ったときに毒キノコの赤毒茸がアイテムボックスにある。
レシピ通り、これとノーマルポーションを合成してみる。
ポイズンポーションLv1 中品質:39
毒の成分が凝縮されたポーション。触れるだけで毒状態と化す。
異常状態:毒Lv1
出来上がったのは毒状態Lv1にするポーションだ。
毒状態は、そのまんまの通り徐々にかかった相手のHPを減少させ、その減少幅はレベルに応じて高くなる。
Lv1の場合は、2秒ごとに-1%だったっけ。持続時間は10秒だから最終的に5%削れる計算になる。
「これも雀の涙程度のダメージなんだよなぁ・・・。」
毒のLv1じゃ、大した効果は期待できない。
ならレベルを上げれば、と思うけど、これ以上効果のありそうな素材はまだ分からない。
それに、毒だったら解毒薬とかで治せるし。(NPC商店にも普通に売ってる)麻痺とか睡眠、気絶とかの行動障害系だったらかなり有効だと思うんだけど。
「最後に、定番の投擲アイテムか・・・。」
NPC商店に並んでいる投擲アイテムは、投げナイフと毒が塗られた投げナイフ、小型のスリングショットといった物だ。
投げナイフ 中品質:45
普通の投げナイフ。様々な毒を塗ったり、別の武器の素材に使ったりと、用途は多彩。
敵に固定ダメージ:75
毒投げナイフ 中品質:47
毒を塗った投げナイフ。投げナイフによる固定ダメージに加え、確率で毒Lv1を与える。
敵に固定ダメージ:75(50%の確率で毒Lv1)
小型スリングショット 中品質;40
石ころを発射する小型のスリング。安価で初歩的な補助武器。
必要アイテム(石系:威力は弾により変化、命中率は器用さに依存)
投げナイフは、実はアサシンや盗賊などと言ったジョブが使う道具だったりする。他のジョブでも、もちろん使用できる。
威力は75と、僕が作ったボムポーションよりも高いんだけど、欠点もある。
ナイフは、特定のジョブ以外のジョブが使うと命中率や威力がやや下がる、という制限がある。その上、投げナイフ系統は10本までしか持てないといった、所持数にも制限がかけられている。さらに加えて、1本辺りの値段が高いという3拍子揃ったデメリット。これをメイン武器に据えるのは無理だろう・・・けど。
「補助武器・・・か。」
僕が注目したのは、ナイフではなくスリングショットだ。スリングショットというのは、所謂パチンコの事で、石をゴム紐に引っかけて飛ばす原始的な飛び道具だ。
補助武器というジャンルは、例えば剣士は予備の短剣といったサブウェポン的な立ち位置だ。
「流石にスリングショットは無理だろうけど、この案は使えそうだな・・・。」
一応、弱いながらも主力が剣な僕に取っては、遠距離攻撃ができる手段っていうのはすごく欲しい。
まずは、遠くにいる敵を攻撃できる補助武器を作ってみよう、とリクトは決めた。




