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10 動く中途半端。

10000PV達成、ありがとうございます。

引き続き、FWOをよろしくお願いします。

(予定により29日分が遅れました。)

翌日、僕は昼ちょっと過ぎにFWOにログインをした。


今日は昨日使い切ってしまった素材の補給をしなきゃいけない。

よくよく考えたら、詳しいレシピも無い上にほぼ手探りで合成しまくったのが悪いんだ、反省しないと。


「薬草使い切っちゃったからなぁ。南側の平原エリアで採取するか。」


と僕は移動すると、採取ポイントを巡り始めた。

昨日まではほぼ僕一人で独占出来てたけど、今日はちらほらと採取ポイントでアイテムを採ってる人を見かけた。

ちらっと姉さんに聞いて分かったんだけど、採取ポイントは生産職の人しか見えないらしい。って事は、今採取してる人たちは生産職なんだね。・・・あちこちにいる戦闘職の人よりも数が圧倒的に少ないなぁ、人気無いのかな。




「・・・ん、リクト?」

「え?」


採取し始めて数分後。採取中に声を掛けられて顔を上げると、そこにはキャット君が居た。

相変わらず黒いフード(ネコミミ付き)を被っている。


「キャット君どうしたの?僕はポーションの材料集めだけど。」

「・・・友達と狩りしてたら、はぐれちゃった。フレンドチャットも効かないから困ってる。」


つまり、キャット君とフレンドさんがパーティーを組んでレベリングか何かをしていて、何かの拍子にはぐれちゃったって訳か。


「ちなみに、どこら辺ではぐれたの?」

「・・・前会ったエリアのもっと奥。神秘の森って言われてるエリア。」

「聞いた事無いなぁ。」


前行ったエリアですら、僕にとっては危険地帯そのものだったんだけどね。その神秘の森って、もしかしたら敵が弱いかも知れない。


「・・・ちなみに適正レベルは13から。」


あ、ダメだ。僕なんかおやつ感覚で殺されちゃう。


「あれ?でも、キャット君ってレベル6だったよね?適正レベル以下じゃない?」

「・・・もうレベルは11になってる。ちょっと低いけど、これくらいなら何とかなる。」

「僕はまだレベル4なんだけどなぁ・・・。」

「・・・リクト、レベル制限の縛りプレイでもしてるのか?」


違う、断じて違う。ただあれだよ、レベル上げよりも素材集めて適当に合成するのが楽だからだよ!


「レベル上げた方がいいかな・・・。」

「・・・絶対そうした方がいい。レベルが上がれば、対処できるモンスターが増える。すると、魔物からの素材が手に入るから。」


うん、まあ確かに考えたよ?

普通に考えれば分かるんだけどさ。レベル上げって聞くとなんかやる気がなぁ・・・。


「・・・それにしても道具師。よくそのジョブを取ろうと考えたね。」

「え?道具師って評価低いの?」

「・・・『動く中途半端』って呼ばれてるね。」


何それ、初耳なんですけど!?


「えっと、どこら辺が?」

「・・・全ジョブ中、ワーストクラスのステータスで戦闘に向いてない、生産職としても作れる種類は多いけど上級品を作れないから、最終的には役に立たない、とか。色々言われてるよ。」

「うわっ、凄い酷い!」


そんな酷い評価だったのか・・・。ん?でも待てよ、生産職の人って、みんな戦闘に向いてないんじゃないの?


「生産職って、総じて戦闘に向いてないように見えるけど?」

「・・・そうだよ。だけど、ジョブ毎に能力値補正があるからステータス的には見劣りはしない。だけど、道具師は能力値補正が無いからステータスはほぼ最低値。」

「それ酷くないか!?」


詳しく聞くと、道具師は公式掲示板などでも結構不遇扱いされているらしかった。

まず、ジョブ毎に設定されている能力値補正。

例えば、剣士とか戦士なら攻撃力が上がりやすくなり、アーチャーなら器用さが上がりやすくなるように、ジョブ毎にレベルアップ毎のステータス上昇値に補正がかかる。

だが道具師の場合そのステータス上昇の補正値がほぼ皆無らしく、レベルアップをしてもステータスは他のジョブに到底及ばないというもの。


そして2つ目がアイテム生産についてだった。

生産職といえば、金属製の武器や防具を作る鍛冶師、布系のアイテムを作る裁縫職人、ポーション作りを得意とする薬師などがある。

それぞれ得意な系統のアイテムを作り出す事が出来るのだが、道具師は少し変わっており、生産職全般のアイテムを広い範囲で作り出す事ができる。

これだけ聞くと便利なのだが、上級品――つまりは効果が高い物になればなるほど成功率が下がり作りづらくなる、といった欠点を持つ。

例えば、薬師なら簡単に作れるポーションの中級品に属する『ハイポーション』も、道具師なら成功すら怪しいし、作れたとしてもクールタイムが長くなるなどのデメリットが生じるらしいのだった。


「だから僕のポーションって、クールタイム長いんだ・・・。」

「・・・どれくらい長い?」

「ハイリカバーポーションが1時間だったっけ。」

「・・・それ使い道あるの?」


キャット君からも変な目で見られた。

うぅ、分かってるよ。だけど分かった事もある。どれだけ作ってもクールタイムが長い物しか作れなかったのは、ジョブのせいだったのか。


「作れる範囲が狭いって書かれてあったけど、そういう事だったんだね・・・。」

「・・・戦闘しようにもステータスが低い。生産しようにも、中途半端なアイテムしか作れない。それが道具師。」


キャット君、グサグサとトドメのになるような言葉を言わないでくれるかな、泣くよ?


「・・・でも、まだサービス開始から全然時間経ってない。もしかしたら道具師が隠れた能力を発揮するかもしれない。それまで我慢。」


とも言ってくれたけど、これからどうしようかな・・・と思い始めた僕だった。


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