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眼鏡の下は、美少女でした。  作者: みみまる.com
【第一章】素顔の秘密

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8.二人の気持ち。


────5月



遠足も無事に終わり、入学してからの慌ただしさも過ぎ、あっとゆう間に5月になった。



うちの学校は春に体育祭があるんだけど、その前に……中間試験がやってくる…。



夜遅くまで勉強してたせいで、少し眠い…。

眠い目をこすりながら学校に向かう。




「ゆーいちゃん!おはよ!」


すると後ろから三井先輩がやってきた。

…てことは、椎名先輩もかな?と、後ろを振り向くと…いた!


「おはようございます!三井先輩、椎名先輩!」


「はよ、唯」


優しくポンっと頭を撫でるのも最近では当たり前のようにしてくる椎名先輩。椎名先輩の大きい手が大好きだ…。


最近は毎朝先輩たちが声をかけてくれて一緒に登校することが増えた。




「唯ちゃん今日はなんだか疲れてるね〜?」


三井先輩は鋭い…。


「あたし…あまり勉強得意じゃなくて…遅くまでしてたら寝不足で……。」


「大丈夫か?」


と優しく声をかけてくれる椎名先輩。

最近は、なんだかあたしのことをよく気にかけてくれるなぁ。


「平気ですよ?がんばります!」


と、あたしがふわっと笑うと椎名先輩も笑ってくれる。



「二人で甘い空気出さないでくださ〜い!」


と三井先輩がぶーたれる。


「っな!そ、そんな空気出てないです!」


慌てるあたしに知らん振りな三井先輩。



「あ、そーだ。颯斗勉強超できるんだよ〜、唯ちゃん教えてもらえば?」


「えっ!そうなんですか?!是非教えて欲しいです!」


と、キラキラした顔で椎名先輩を見上げる。


「あ…、で、でも迷惑ですかね…?先輩たちもテストありますもんね…忘れてた。」


と、先輩たちもテストだと言うことを思い出してガックシした。


すると

「教えてやるよ。今日うちくるか?」


「えっ!本当ですか!行きたいです」


「あぁ…じゃあ放課後まってる」


「やったぁ〜!約束ですよ〜?」


「あぁ」


言葉数は少ないけど優しい顔で返事をくれる。


そんな話をしてると学校に着いた。


「じゃあ、あたしは教室行きますね?またあとで〜」


と嬉しくてニコニコで手を振ってあたしは靴箱に向かった。




ルンルンで教室に向かってる途中の事だった…。



「…このブス!」

ドンッ…。


誰かに背中を押された…。

「きゃっ…!!」

あ、転ける……ドスンッ…。

「いたたたた…。」


パッと後ろを振り返るが、誰に押されたのか分からなかった。


はぁ…まただ…。最近少しずつ増えてきた嫌がらせ。

最初は気のせいだと思ってたけど、気のせいなんかじゃなかった。はぁ…。



「唯!大丈夫?!」


「あ、碧くん…」


嫌なとこ見られちゃったなぁ〜…。


「立てる?」


と、手を差し伸べてくれる碧くん。

遠足の時、あんな事があったけど今も変わらず優しく接してくれている。


「ありがとう…。」


手を差し伸べると、グイッと立たせてくれた。


「うわぁ〜…ひでぇな。膝血出てる。保健室行こっ」


あたしの手を引っ張って保健室に連れてってくれた。


「朝だからまだ先生いないか…。俺が手当しても大丈夫??」


「えっ、い、いいよ!自分でするよ!」


流石に男の子に足を触られるのは、恥ずかしい…。


「遠慮しなくていいから、座って?」


「う、うん…。」


碧くんは、手際よく手当をしていってくれた。


「うん!これでよし!」


そう言ってニコっと笑った。


「ありがとう…。」


「暗い顔すんな?」


って頭をポフポフっと励ましてくれる。


「あと、またなんかあったらいつでも頼ってよー。頼られないと寂しいじゃん?」


と笑ってくれる碧くん。


「優しくしないでよぉ…泣いちゃうよ…グスッ…ありがとう」


碧くんの前だから眼鏡を外して涙を拭う。


「目、赤くなってる。あんま擦ったらだめだよ」


と、碧くんの指先が目尻に触れる。


「ご、ごめん。弱ってる時に優しくするからだよぉ〜」


と、ヘラっと笑うと。


「弱ってる時に優しくしたら俺の事見てくれないかなぁ〜って」


と碧くんが照れたようにニコッと笑う。


「えっ…な、なにゆってるのぉ。」


「少しは俺のことも見てほしいなってこと」


そう言ってあたしの眼鏡を装着してくれた。


「よっし、教室行くか!」


あたしの頭の中は少し混乱しつつ、とりあえず流されるまま二人で教室に戻った。





───────────…


そして、今日もあっとゆう間に過ぎていき椎名先輩との約束していた放課後になった。



ガラガラッ…。


「唯いるか?」


椎名先輩の登場に教室にいた子たちがキャッキャッ盛り上がる。


「し、椎名先輩!!!」


教室まで来たら目立つ!みんなが見てるやばい!とか、いろいろ考えることはあるけどとりあえず慌てて帰る準備をすると椎名先輩の所に向かう。


「慌てなくていーのに」


そう言って、みんなの前であたしの頭を優しく撫でる先輩。


キャアーーと教室中で悲鳴が上がり今の状況に慌てだすあたし。



「せ、先輩、と、とりあえず早く行きましょう!」


焦ってあたしは、どーした?と言う先輩の腕を掴みグイグイ昇降口まで引っ張った。その間も視線がすごかった…。


「せ、先輩…誤解されちゃいますよ!」

とあたしが先輩に言うと


「誤解?させときゃいいだろ」

と全然気にしてない先輩にガックシする。


すると、あたしの心配とは違う心配をする先輩。


「誤解されたくねぇ相手でもいんのか?」

そう言ってあたしを見る先輩。


「そ、そんなわけないです!」

と慌てて否定するあたし


「ふーん…ならいいけど」

と何考えてるかわかんないけど納得してくれたようでよかった…。


そしてそのまま無言であたしの手を引く先輩にドキドキしながら二人で帰り道を歩いた。



途中のコンビニに寄ると


「なんかいる?」

とあたしに視線を落とす先輩。


「えっと…」

お気に入りのチョコレートを選んでカゴにいれる。


「くくっ…、そーゆーのが好きなんだな?」


さっきの不機嫌そうな顔はどこかにいったのかあたしを見て笑う椎名先輩。


「チョコレートは大抵の女の子は好きなんですっ!それに勉強するときは絶対必要ですよ?」

とあたしまで元気になり胸をはると


「へぇー、そーか。」

とあたしの頭を撫でてくる。


その後先輩は適当にお菓子やジュースをカゴにいれていく。会計をすませ一緒にコンビニを出る。


「先輩!お金半分払います」

と言うと


「気にすんな。うち親仕事でいねぇから夜は好きに食え〜て毎日金渡されてんの。」


「先輩のお母さんお父さんに悪くないかな?」


「ははっ、悪くないから安心しろ。そんなケチくさい奴らじゃないからな。蓮なんていつも遠慮ないしな。」


と笑う椎名先輩。三井先輩と仲良しなんだな本当に。


「じゃあ…先輩のお言葉に甘えて…ありがとうございます。」


会話しながら歩いてると、先輩のお家に到着した。



ガチャリ…。

先輩が家の扉を開ける。


「お、お邪魔します。」

そして先輩の後ろについて行く


「俺の部屋階段上がって奥の部屋。俺グラスとか持ってくるから先行ってて」


「はい、お願いします」


あたしはそう言うと先輩の部屋に先に向かった。

先輩の部屋の扉を開けると

先輩の匂いでいっぱいだ…。

シンプルだけど綺麗に片付けられた部屋。あたしはとりあえずローテーブルの前に座る。


なんだか、ドキドキしてきた…。


てか、あたし今更だけど先輩と2人きりで勉強するって…やばい…?


そんなことを考えていると



────ガチャリ


「またせたな」


先輩がグラスや買ったお菓子を手に持ち部屋に入ってきた。

そして、隣に座り

「勉強はじめるか、どれが苦手なんだ?」

と真面目に向き合ってくれる。


「え、えと、ぜ、全部…えへへ…」


気まずくて笑ってしまうあたし。

そう、眼鏡をかけてるからと言って頭がいいわけではない…。


「……お前…よく高校入れたな…」


と少し呆れている先輩。


「えへへ…お姉ちゃんにしごかれて…」


「じゃあ中間試験でテストに出そうな所だけ集中してやってくぞ」

とペラペラと教科書をめくる先輩。


「出そうな範囲なんてわかんないですよ…」


「俺が予想立ててやるから安心しろ。」

と、頭を撫でられる。


部屋に二人ってのもあってドキドキが増す…。



そして先輩が勉強を教えてくれる。

「ここが────で、────だからこーなる。」


先輩の声が耳の近くで聞こえて、先輩のペンを持つ指が綺麗で…全然話が入ってこない…。


「唯次ここ、1人でしてみろ」

急にあたしを見る先輩にドキッとする。


「は、はい!」


ダメダメ集中しなくちゃ、先輩は一生懸命教えてくれてるのに…。


「……こーですか?」

全然聞いてなかったせいでわかんない…。


そしたら分かっていたかのように

「…唯、集中してなかっただろ」

そう言ってあたしを見る先輩。


ギクッ…

「え、えへへ…。」


「なんかあったのか?」


と、心配そうに見てくる先輩に、不純な動機で聞いてなかったなんて申し訳なくなった。


「え、いや……えと……」

しどろもどろになるあたし。


先輩にドキドキして集中できないです。なんて流石に言えない。


だけど…そんなあたしを見つめて

「どーした」

と心配そうにあたしの返事を待つ先輩。


あたしがこんなことを思ってるなんて思いもしない先輩は、ずっと心配そうで申し訳なくなってきた…い、言うしかない…?


「そっ、その…」


覚悟を決めるあたし


「うん」


真剣にあたしに耳を傾けてくれる先輩。


「せ、先輩に…」


「俺?がどーかしたか?」


と不思議そうな顔をする先輩。


「だから…その…………

ド、ドキドキして集中で、できなくて…。」


語尾が小さくなって顔を赤くして俯くあたし


「…。」


何も返事がないからチラリと先輩を見ると

か、顔が赤い!!!!


「せ、先輩、あの、顔が赤いけど大丈夫ですか…?」


とチラリと先輩の顔を見上げると


「はぁ…。」


先輩がため息をつく…。


そしてあたしを優しく引き寄せてギュウと抱き締めた。


へっ……抱き締められてる…。な、なんで?



すると何かを決めた先輩が、あたしを真剣な目で見る。



「あのさ、これまだ言うつもりは無かったんだけど……

唯………お前が好き。」



!!!!!!



まだ抱き締められたままで先輩の表情は分からないけど……やばい…嬉しい…。


「…ぐすっ…。」


すると先輩がビックリして、あたしをそっと引き離した。


「急に、悪い。いやだったか?」

と優しく聞いてきた。


「ち!違います!これは、悲しいじゃなくて…嬉しくて…

あ、あたしも先輩が、その…だ、大好きなんです…ぐすっ。」


不思議と素直な気持ちがポロポロと涙と一緒に口からこぼれ落ちた。


すると目を見開いた先輩が


「うわ…まぢか…すげぇ嬉しい…」


そう言うと先輩が優しくあたしの涙を指で掬って抱き締めてくれた。


やっと気持ちが通じあった。


だけど、あたしには眼鏡のことまだ言えてない……。



「あ、あの、先輩?」

あたしは先輩の顔を真剣に見つめる。


「ん?どーした?」

と優しく聞いてくる先輩。


「みんな気になってると思うんですけど…」

そして2回目の覚悟を決める…。


「ん?」


「この眼鏡………わざとかけてるんです…。」

そう言って俯くあたし。


「あ〜…まぁだろうなとは思ってたけどな。違和感あるしな。でもそれがどーした?」

そう言って優しく笑う先輩。


そんな先輩の言葉にあたしは目を見開くと

「先輩は気にならないんですか?」

と聞く。


「まぁ気にはなるけど…見せたくないなら無理にとは言わねぇよ。眼鏡があろうがなかろうが俺の気持ちは変わんねぇからな。そんなこと、どーでもいい。」


そう言って優しく頭をポンっと撫でる先輩の姿にまた涙が出た。好きだな…。


「せ、先輩…ぐすっ。本当の姿見せても…嫌いにならないで…くださいっ…。

今日はまだ勇気ないけど…今度見てくれますか…?ぐすっ」


そう言って不安そうにするあたしに


「そんな無理して見せる必要ねぇよ」

そう言ってくれる。


「でも、先輩には、全部見てほしい…です。好き…だから…。何も隠したくない…。」


そんな優しい先輩に何も隠したくない…。


「うん…わかった…。

キスするときそれ邪魔になるもんな?」

と、冗談を言って笑う先輩。


「な、なに言ってるんですかっ」

泣いてたあたしは慌てて顔を上げる。


「ははっ、やっと顔げだな?」


そう言って笑う先輩にあたしまで笑いが溢れて、二人で笑いあった。


その後、先輩とちゃんと勉強して帰りは家まで送ってくれた。




朝は最悪な気分だったけど、先輩のお陰で今日は幸せの日になった。



先輩、あたしの素顔を見てもどうか嫌いにならないでください…。あたしも、勇気を出しますね。


と、心でそっと誓った。



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