3.隣の席の渡辺くん。
今日から普通授業の始まる颯斗に自分のお弁当と一緒に颯斗にもお弁当を作る。
お弁当を作り終えて、颯斗は学校が離れてるから1限がある時は早めに起こさなきゃいけない。
「颯斗〜!!朝だよ〜」
と颯斗を揺さぶると眠い目を擦りながらのそのそと起きた。
「……はよ」
と言う颯斗の手を引きリビングまで連れていく。
「おはよ、早く朝ごはん食べてね。遅れちゃうよ?あとお弁当ここ置いとくね?忘れないようにね?」
とニコニコと笑うあたしにありがとうと朝ごはんを食べだした。
それを見てあたしも一緒に食べだす。
颯斗は時計を見て「やべ」と言って、急いで食べると準備を済ませ、リビングに顔を出す。今日から私服でラフな格好なのに相変わらずかっこいい颯斗。
「俺もう行くけど唯はゆっくり行けよ、あと気をつけろよ?」
そう言うとあたしにキスをしてじゃあいってくると言う颯斗を見送った。
あたしはゆっくりと朝ごはんを食べて準備を済ませるとしっかり戸締りをして家を出た。
学校に着き自分の席につくと
「おはよう唯ちゃん」
と昨日仲良くなった美鈴ちゃんが声をかけてくれた。
「おはよ!美鈴ちゃん」
「今日入学式かっこいい男の子いるかなぁ」
と目をキラキラさせてる美鈴ちゃん。美鈴ちゃんは結構ミーハーらしい。
「どーだろ?あたしは彼氏いるから…あまり興味無いかなぁ…」
と言うあたしに
「椎名先輩だよね?!カッコイイよね〜そりゃああんな人と付き合ってたら他の男の子なんて眼中に無いかぁ〜本当に二人美男美女〜」
とニコニコと笑う美鈴ちゃん。
それから美鈴ちゃんは、あの子が可愛いあの人がかっこいいとマシンガントークが始まった。あたしにはよく分からなかったけど、美鈴ちゃんはかなりのミーハーてことだけはわかった。
その後、入学式があり無事今日から1年生が校舎に加わった。その後、教室に戻りあたしたちは今日から普通に授業が始まる。
教室に戻ってきて席に着くと、入学式までいなかったはずの隣の渡辺くんが来ていた。
サボってたんだろ〜な。なんて思いながらあたしも前を向き、授業が始まると……
隣の渡辺くんが教科書を持ってきていない…と言うことであたしが見せないといけなくなった…。
うぅ……この人怖いからあんま関わりたくないんだけどな……。と思いながら机をくっつけて教科書を恐る恐る真ん中に置く。
せっかく見せてあげてるのに渡辺くんはずっと頬杖をついて、窓の外を見ている。
あたしは授業に集中して一生懸命シャーペンを動かす。にしても…むずかしい。ぜんっぜんわからん…と、悩んでいると教師に
「はい、望月ここ答えてみろ〜」
なんて当ててきた……。
立ち上がったはいいけど……
えっ!まって!全然わかんない…と焦っていると
まさかの隣の渡辺くんがあたしの腕をツンツンとしてきた。
こんな時になによ?!って思って横目で渡辺くんを見ると自分のノートを見せてきた。
そこには答えが書いてあった。
「え、えと……、―――です。」
とあたしは半信半疑で回答すると
「よし、当たりだ。座っていいぞー」
と言われてホッとする。
横を見るともう渡辺くんはまた窓の外を見ていた。
流石にお礼ぐらい言わなきゃあたし最低だよね?と思い小声で
「あ…あの…」
勇気を出して話しかける。
「……なに」
とゆっくりこっちを振り向いたすごい無愛想な彼になんだか颯斗が重なっておかしくなる。
「ふふ…あ、ごめん。…答えありがとう」
とふわりと笑うあたしに、目を見開くとあたしの顔をジーと見たあと、目を伏せ
「べつに…」
と言ってまた窓の外を見てしまった。
渡辺くんって素っ気ないけど優しい人じゃん。誤解してたな〜なんて思い怖かったさっきまでの気持ちは吹き飛んで、隣が気にならなくなりその後は、勉強に悩みながらも授業に集中できた。
放課後になり美鈴ちゃんと一輝くんに挨拶されあたしも笑顔で手を振る。
そして隣を見ると渡辺くんにもあたしは
「渡辺くん、また明日ね」
とニコリと笑い渡辺くんにも手を振った。
「……。」
渡辺くんはこっちをチラリと一瞬見ただけだったけど優しいところも知ったから特に気にならなかった。
「愛ちゃ〜ん!帰ろ〜!」
そしてあたしと愛ちゃんいつもの場所まで一緒に帰ってばいばいしてあたしは家に帰った。
今日も明日のお弁当の準備と夕飯の準備をして颯斗を待つ。
ガチャリ
「ただいま」
颯斗が帰ってきた!と嬉しくなりあたしは颯斗の元に駆け寄り相変わらずすぐ抱きつくあたし。
「おかえりー!」
そしてリビングに移動する。
「弁当すげぇうまかった。ありがと」
「ふふふ、嬉しい」
そしてソファでだらだらしながら
「今日ね、颯斗と和食屋さん行った時にいた男の子いたでしょ?」
「んー……あー、綺麗なヤツ」
「そうそう!渡辺くんが教科書忘れてね、あたし隣の席って言ったでしょ?教科書見せないといけなくて怖い人だと思ってたからすごく怖かったんだけど、授業中当てられて答えが分からないあたしに答え教えてくれたんだよ!無愛想なだけで優しいみたい。なんか颯斗と似てた〜」
とあたしがニコニコ話してると
ドサッ……。
へ?と状況が読み込めないでいると、あたしの上に覆いかぶさっている颯斗。
「へぇ〜、他の男を褒めるなんていい度胸してんなぁ?」
「あ…ち、ちがくて…」
と焦ってあたふたするあたしに
「平日は疲れるから手を出すのはやめようと思ってたんだけどちゃんと唯は俺のってわからせないといけないな?」
と意地悪そうに笑う颯斗。
そして、颯斗の独占欲を表すように体中に赤い花が散る。
あちこちに散らしていく颯斗に
「ひゃあんっ……も、もう、だめ…。見えちゃうよ…!」
と涙目になるあたしに
「煽ってんの?見えたらだめなわけ?」
と聞いてくる颯斗。
「は、恥ずかしい…よ…」
「ふーん、やっぱつけとかないとな?」
そう言ってたくさんの花を散らす。
そしてその後、颯斗に散々愛されてたくさんの愛情を感じながら、幸せの中疲れ果ててあたしはそのまま寝てしまった。
──────────…
俺の嫉妬の欲をぶつけまくったせいで、意識を飛ばした唯の寝顔を見て、その人形のように可愛い顔にキスを1つ落とす。
はぁ…お前こんなに可愛いんだからもっと自覚持てよな。
そんな可愛い顔で話し掛けられた男はイチコロだぞ。と隣の席の男に嫉妬する俺。
ただでさえ、近くにいれねぇんだから心配だ。
お前はいつも俺の心配をするけど、俺は唯にしか興味なんてねぇよ。どんだけ惚れてるか自覚しろっつぅの。
俺は唯を抱き上げ寝室のベットに寝かせて、俺も一緒にベットに入り、可愛い唯を抱き締めて今日も眠りにつく。




