10.ご挨拶と卒業式。
第2章はここまでとなります。
受験勉強の忙しさで甘々は少なめの高校生編でしたが、次の第3章からは同棲編という事でかなり甘々イチャイチャ多めになります。
同棲編もお楽しみください♪
あれから数週間後、3学期が始まり颯斗の入試も無事終わりました。
そんな今日は放課後颯斗のお家に行き、颯斗の両親と会う予定である。
「あ、愛ちゃん本当にあたし制服のままでいいのかな?」
と緊張気味のあたし。
「椎名先輩の両親が忙しくて時間ない人たちなんでしょ?放課後そのまま来て欲しいって言ってるんだからいんじゃない?やっと親公認になるのね〜?素敵ね〜!」
と興奮気味の愛ちゃん。
「愛ちゃんたちも親公認じゃん」
「あたし達は幼馴染だからみんな家族みたいな感じだから、そう言うドキドキに憧れるわよ〜」
なんて贅沢な悩みだなぁなんて思う。あたしからしたら既に仲良しなの羨ましい。
…ガラガラッ
「唯」
愛ちゃんと話しているといつも通り教室まで颯斗がお迎えに来る。
「あ、颯斗来たからまたね?愛ちゃん」
あたしは急いで席を立つと愛ちゃんに手を振り颯斗に駆け寄る。
「いい報告まってるわね〜」
と愛ちゃんに見送られる。
颯斗と手を繋ぎ颯斗の家に向かう。
「ねぇねぇ、手土産これでいいかな?」
と颯斗に聞くと
「気にしなくていーのに」
とあまり興味が無さそうである。
「だって颯斗のお父さんとお母さんだよ?好きな人の親に好かれたいってのは当然でしょ?」
とあたしがニコニコしていると
「ま、そーだな」
とあたしの頭を優しく撫でる颯斗。
「緊張するなぁ…」
と言うあたしに
「そんな緊張しなくても大丈夫。」
と優しく笑う。
そしてついに颯斗の家に着いた…。
…ガチャリ
「お、お邪魔します!」
「ただいま」
と言うと奥の方からパタパタと走ってくる音が聞こえる。
「いらっしゃ〜い!」
と顔を上げるとそこには颯斗とよく似ている黒髪の良く似合う美人なお母さんだ…。
「待ってたのよ、あがってちょーだい?」
とニコリと笑う。
顔は似てるのに颯斗と違ってすごく愛想のいいお母さんのようだ。
颯斗に手を引かれリビングに向かう。
「こっち、座って」
と颯斗に言われた場所に座る。
「唯ちゃんよね?お人形さんみたいな子ね〜可愛いらしいわ〜。今日は急に呼び出してごめんなさいね?今日しか時間が取れなくて」
と颯斗のお母さんが申し訳なさそうに笑う。
「唯ちゃん、よく来てくれたね」
と優しそうに笑うお父さん。
「い、いえ、お忙しいのに、呼んでいただいてありがとうございます。あ、あと、これ良かったら食べてください」
と緊張しながら手土産を渡す。
「あらぁ〜、気を使わせちゃったわね?気を使わなくてよかったのにごめんなさいね〜」
と手土産を受け取ってくれる。
「母さんそれより、同棲の話」
と颯斗が横から本題を切り出す。
「あらぁ〜そうねそうね。お母さんたちは大賛成なの。だから唯ちゃんにこれから颯斗のことをよろしくねって伝えたかったのよ〜。この子家の事はなにもできないけど大丈夫?」
と笑うお母さん。
「ほっ、本当ですか?う、嬉しいです。家の事はあたしがバッチリですので大丈夫です!任せてください!それ以外のことで颯斗にはいつも助けてもらってて…逆に申し訳ないぐらいで…」
とあたしがふんわりと笑うと
「おぉ…本当に可愛いらしいお嬢さんだねぇ、颯斗も本当に素敵な子を見つけたねぇ」
と颯斗のお父さんが笑う。
「この子唯ちゃんと付き合うまで女の影すらなかったものね〜」
とお母さんもニコニコ笑う。
それから話は続き、夕飯作るわねとお母さんが立ち上がったのであたしも得意なので手伝いたいです!とお母さんの後ろに続き台所に入って、仲良く夕飯作りをした。
「早くお嫁にきてちょ〜だい。女の子って本当にいいわね〜楽しいわぁ〜。こんなに可愛いらしい子だなんてうちの颯斗でいいのかしら〜」
と颯斗のお母さんはすごく楽しそうお喋りをしてくれた。
その後はみんなでご飯を食べて帰る時間になった。
「俺、唯送ってくるから」
と颯斗があたしの手を握り立たせる。
「唯ちゃんまたいつでも来てね。颯斗のことよろしくね」
とお父さんがニコリと笑う。それに続いてお母さんも
「颯斗の事で困ったことがあればいつでも相談しにおいで?また来てね」
と優しく微笑むお母さん。
「はい、ありがとうございます。お邪魔しました!」
とあたしもニコリと挨拶をして手を振り颯斗と家を出た。
「颯斗のお父さんとお母さんすごく優しくて素敵な人たちだったね〜!颯斗の優しさは両親譲りなんだね〜!」
とあたしは目をキラキラさせながら颯斗を見る。
「そうか?」
と颯斗もあたしの顔を見て嬉しそうに笑う。
「同棲の許可も貰えたし楽しみだね?」
と笑うあたしに
「そうだな。大学離れてるから帰り遅くなる時もありそうだと思ってたから、家に帰って唯がいるってのは最高だな」
と笑う颯斗。
そして颯斗に家まで送ってもらい、また明日と手を振り家に入った。
同棲の話もうまく進んでることをお姉ちゃんに報告すると、お姉ちゃんも光希さんと半同棲をすると言う話になった。
話が決まってからは、卒業式までにあれやこれやと颯斗の荷物をあたしの家に運んだり、逆にお姉ちゃんの荷物を光希さんの家に運んだりバタバタとした日々を送っていた。
そうこうしているうちに今日はもう卒業式。
あたしは在校席で、卒業生が入場してくるのを待つ。
暫くすると胸に花をつけた卒業生が入場しだした。
あたしは颯斗を探す…。
あっ、颯斗も入場してきた…。1年前より少し大人になった颯斗。少しずつ大人な魅力が出てきていて更にかっこよくなったと思う…。周りの女の子たちはそんな颯斗に相変わらずメロメロだ…。
無愛想で無口、そして口は悪いけど、大好きなあたしの彼氏だ。
来年から颯斗がいない学校生活が始まるかと思うとすごく寂しい気持ちになる。
学校に行けばいつだって颯斗がいたのになぁ…。と悲しくなる。
そして卒業式は進んでいき、卒業生の言葉や歌を聞いていると1年間の思い出が蘇り涙ぐむあたし。
春にあたしを見つけてくれた颯斗。
そこから仲良くなってお付き合いをした。
あたしの素顔を見てもらった。
嫌なこともあったけど楽しかった体育祭。
みんなに認めて貰えた文化祭。
喧嘩をしたこともあったけど2人で乗り越えてきた。
いろんな思い出が蘇る。
そして卒業生が退場して行く。
たくさんの拍手をあたしも送った。
「颯斗〜!!!」
と涙ぐみながら颯斗に駆け寄る。
「なんでお前が泣いてんだよ」
と優しく笑いながら指であたしの涙をそっと掬いとる。
「卒業おめでとう!えと…あの…ボタンほしいな?」
と照れ笑うあたしに
「こんなのの何がいーわけ」
と言いながらもブチッと第二ボタンを外しあたしにくれた。
「だってあたしたちはこの高校で出会って付き合ったんだからこのボタンをいつか見た時に颯斗と懐かしいねって笑いたいじゃんっ」
と笑うあたしに颯斗もそうだなって優しく笑う。
すると、三井先輩と直樹先輩愛ちゃんも近づいてきて
「みんなで写真撮ろう」
と言われて桜の下でみんなで写真を撮った。
写真の中のあたし達はすごく幸せそうに微笑んでいる。いつか大人になった時にまた見返して楽しかったねってみんなで言い合えるといいなっ。
颯斗、卒業おめでとうっ!




