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眼鏡の下は、美少女でした。  作者: みみまる.com
【第一章】素顔の秘密

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11/29

11.桜の木の女。


────────屋上



ここにいる奴みんなが目の前の光景に目を見開き、目を奪われる…。

だけど俺は今…違う意味で目の前の光景に目を見開いている…。


俺はこの女を知っている…こうやって今みたいに当たり前のように、一瞬でみんなの目を奪い、心を掻っ攫っていくんだ…。






なんで、お前が…ここにいる…?






場所は違うが…


あの時と同じように桜に向かって真っ白な手を伸ばし。

あの時と同じようにふんわりとその柔らかそうな髪をなびかせて。

あの時と同じように花が咲いたように笑って。

あの時と同じようにまた俺の目を奪って。

そして…あの時と同じように…俺の心を一瞬で掻っ攫っていく。




場所は違うが、俺にとっては

今目の前であの日と同じ光景が広がっている…。

目が離せなくなる…。




すると直樹の女が

「唯っ、こっちむいてっ」

と笑顔であの女に言う…。



唯………?



すると直樹の女に呼ばれたあの女は、こっちを振り向くとあの時と同じ人形みたいに整った顔をして少し照れたようにふんわりと笑った。



あの時と違うのは唯と呼ばれたこの女が

その整った顔で俺を見ていて

ふんわりとした笑顔で俺に笑いかけて

あの時、あの日、聞けなかった声で俺に


「椎名先輩」


と優しく声をかけてくる。


「これが…眼鏡を外した本当のあたしです。」


そう言ってまたふわりと照れたように笑う唯。


「ゆ…唯…だったんだ…な」

と、ポツリと呟く俺に


「??」

よくわからないと言いたげな顔をして俺をジッと見る。


その瞬間、蓮は理解したようだ。


「えっ…この子だったの…?あ…この子じゃないね…唯ちゃん…だよね」

と、蓮もまだ動揺しているようだ。


すると、直樹の女が

「どういう事ですか?」

と聞いてきた。


「…その姿を…知ってる。」


「えっ…!あたしと会ったことあるんですか?プ、プライベートかな…?学校以外では基本的には眼鏡してないですし…」


は?その可愛い顔で出歩いてんのか?危なすぎだろ……。ちったぁ自覚持ってくれ…。


「いや、入学式の日…。」


するとハッとした顔をして

「校門前の桜の木…ですか?」


「…そうだ…知ってるってことはやっぱり唯なんだよな……」


「み、み、み、見られてるだなんて思ってなかったです…は、恥ずかしい…。」

顔を真っ赤にする唯。


いつもは眼鏡でここまでの表情は見えないから、かなり新鮮に感じる…。

そしてどんな表情も可愛いすぎてやばい…。



蓮と直樹の奴…見惚れてるんじゃねぇよ…。

イラッとして二人を足蹴りした。


すると直樹の女も

「あたしも椎名先輩に賛成です。」

と言って直樹のほっぺたを摘んでいる。


「いててててっ…こ、これは不可抗力だ。」

と直樹がほざいている。

「ま、気持ちはわかるわね。

椎名先輩が新学期の頃、探してた女の子ってのも腑に落ちたし…とりあえずお邪魔だしあたしと直樹は帰りますね。みんなの反応を見れたから大満足ですし。あとは唯、がんばって!」

と言って、直樹を引きずって帰って行った…。


「あの…愛ちゃんが言ってた探してた人って?あたしも…そう言えば聞いた事…あります…。」

と不安そうに瞳を揺らして俺を見る。


「桜の木の下にいた唯のこと」


「えっ…あたしだったんですか…?」

と、大きな目を更に大きくしている。


「フッ…だから今あの時俺の心を掻っ攫った唯が目の前にいて正直ビビったよ…」


「そうだよね〜あの時颯斗必死こいて探してたし悩んでたもんね〜」

と、蓮が暴露する。


俺も今までのことを思い出して笑う。


「桜の木の下にいたあたしも自分だけど、その話を聞くと自分に妬けちゃいますね。ふふふ…。あたしを好きになってくれてありがとうがざいます。」

花のように笑う唯。その姿はやっぱりいつ見ても俺の心を一瞬で持っていくような破壊力。


「結局俺が好きになったやつは、どっちも唯だったんだな…悩んだ時もあったけど全部を見せてくれてありがとう…」

どんだけ俺は唯が好きなんだろう…と思う。

それと同時に俺の胸にあった罪悪感がスゥーと消えていった。


「なんか二人運命って感じだね〜。俺が出会いたかったな。あんなに自信なさげだった癖に、すんげぇ唯ちゃん可愛い」

と蓮が言う。


たぶんコイツも眼鏡をかけてる唯に惹かれてた一人だと思う。冗談そうでたぶん本気


「悪いけど唯は譲れねぇ」


「唯ちゃん?颯斗が嫌になったら俺のとこ来てね?」

蓮がそう言ってヘラっと笑う。


「もう何言ってるんですかぁ〜!三井先輩もこんなにかっこいいんだから素敵な人見つかりますよ。あたしは椎名先輩一筋です!」

そう言ってふわりと微笑む。


蓮も俺もまたその微笑みにまた目を奪われる…。はぁ…。



「そろそろ、帰りましょうか」

と唯が眼鏡を再びかける。


「え〜!唯ちゃん眼鏡つけちゃうの?もっとその可愛い顔を拝みたい…。」

と残念そうに言う蓮。


みんなで昇降口に向かって歩き出す。


「お前きめぇこと言ってんじゃねぇよ。悪い虫がつくから眼鏡つけてるぐらいがちょーどいんだよ」

と、蓮をゲシゲシ蹴る。


「ちょ、や、やめてっ痛い痛い!」


「ふふふっ。学校じゃなければあたしは基本は眼鏡つけませんよ?これからは、椎名先輩の家でももうつけないでいいですし、遊びに来てくださいねっ!あたしの家じゃないけど…えへへ。」

と笑う唯。


俺のいない所で眼鏡外して欲しくねぇな…。

俺こんなに独占欲強かったのかよ…。


「じゃあ俺毎日遊びに行くね?」

と蓮がニコニコしている。


「お前今日からうち出禁な。」


「はぁー?颯斗ひどくねぇ?独り占めとかないわ〜。」


「もう…二人とも仲良いですね、ほんと!」

と、眼鏡をかけてニコニコしている唯はさっきとはまた違う顔をして笑っている。そんな唯も好きな俺は結構重症だと思う。



「じゃあ、俺は家こっちだからまた明日ね?唯ちゃん」

蓮はそう言うと手を振って去って行った。


俺はいつものように唯の手を引いて、唯を家まで送る。

「椎名先輩、いつもありがとうございます。」


「危ないから当たり前。」


「ふふふっ、こんな女狙う人なんていませんよ〜」

といつものように自分に自信がない発言をする唯。


はぁ…この見た目でそんだけ自信ないってどんな人生送ったらそーなるんだよ…。


「もうちょっと自覚持ってくれ…いいから黙って俺に送られろ。」

そう言っていつも通り送る。

素顔を知ってしまったせいで余計不安がよぎる…。


そして唯の家に着く。

「椎名先輩今日もありがとうございます!また明日!」

そう言って笑顔で手を振る唯。

「ちゃんと鍵閉めろよ。また明日な」

そう言って、唯がちゃんと家にはいるのを見届けて俺は自分の家に帰っていく。









────────連side




俺は今日、物凄い衝撃を受けた。それと同時にチクリとした少しの胸の痛みを知った。



直樹の彼女の愛ちゃんと唯ちゃんに颯斗と直樹と俺で呼び出されていた。なんなんだろ〜。テスト終わったしお疲れ様〜てきな感じかな〜なんて思いながら三人で屋上で待つ。


愛ちゃんが来て目を瞑るように言う。


なになに〜サプライズ〜?なんて呑気なことを考えていた。だけどそれはサプライズ以上の衝撃だった。



風がふわ〜と吹いた。目を開けてと愛ちゃんが言う。



目を開けて目の前に飛び込んできたのは天使か何かだろうか…。

自分の目がこれでもかと見開くのを感じる。


少し見覚えのあるふわふわの髪の毛と雰囲気。だけど顔は人形のように可愛いらしい女の子。これが美少女ってやつか…。



そしてその子がふわりと笑うと目が離せなくなる。それぐらいの魅力を持つ女の子だった。

この子は一体だれ…と思っていると



愛ちゃんはこの女の子を唯ちゃんだと言う。


物凄い衝撃だった。


更に颯斗はこの子を知ってると言った…。


あぁー、そゆことだったのか。

颯斗が一目惚れした女の子も唯ちゃんだったってことか…。そんな事今まで知らないでそのまま惹かれあった二人。なにそれ運命じゃん敵わないじゃん


少し胸がチクリとした。


多少はたしかに興味あったし惹かれていたよ?!惹かれてはいたけど好きとかではない気のせいだと思ってたのに、気づいた時には失恋してるって言葉が今の俺にはよく合う気がした。


俺もあの時屋上にいて桜の下にいた唯ちゃんを俺も見つけることができてたら違った運命があったのだろうか…なんて女々しく思う。



でも俺は親友の幸せを願うよ

二人がいつまでも幸せであるように。








第1章は、一旦ここで終わりになります♪

2人の慌ただしい出会いと唯の2つの顔の秘密がわかるまでが第1章になっております♪


第2章からは高校生活をメインとした

2人のゆっくりとした恋の話になっていきます。

ほのぼのとした作品が好きな方は

第2章もよろしくお願いします(*´ω`*)

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