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【クラフト】なるスキルをもらって転生しました。  作者: きゆつき


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ガイゼ

 ガイゼは調理(かまど)に火をいれる。


「魔力調理器具、みたいなものは無いんですか?」


「うん? 魔力調理器具? それはどんなものなんですか?」


「魔力で火を維持して加熱する、みたいな?」


「魔法で火を点けることはありますが……」


「いや、無いならいいんです」


 魔力を利用して調理をするようなものは存在しないのか?


 存在するが一部の大金持ちだけが持っているとか?


 この世界にあるか無いかはわからないが、少なくともメジャーなものではなさそうだ。


 今の俺なら作れるよな? 魔力を流すことで火がついて、魔力の量で火加減が調節できる調理器具――魔力コンロ。


 今度【クラフト】してみよっと。


 良いものが作れたらガイゼにテストしてもらおう。


 そんなことを考えている間に、竈の火が安定してきたようで、ガイゼがフライパンを置いた。


「良い肉ですね」


 ガイゼがクマの肉を一センチほどの厚さで切る。


「その肉は差し上げますので、好きに食べてください」


「えっ!? いや、対価は?」


「良い調理方法を教えてもらうのが対価ということで」


「それでよろしいのですか?」


「うん。美味しい調理をお願いします」


「かしこまりました、と言っても、そんなに難しいことをするわけではないのですが」


「竈の火が弱めなのは関係ありますか?」


「おお! さすがオウギ様」


 なんか火力弱いなと思ってたんだよね。


「この肉、に限らないのですが、特にこの良質なクマの肉は、弱火でじっっっっくり焼く必要があります」


 じっっっっくりと焼く必要があるらしい。


「そうすることで、柔らかくて旨みの強いクマの肉が味わえます」


「なるほど」


 たっぷり時間をかけて焼き上がるのを見届ける。


「これくらい、ですね」


 ガイゼは、焼き上がったクマの肉を皿に移し、塩をぱらぱらとかける。


「味付けは塩だけですか?」


「はい。この肉であればそれが一番美味しくいただけるはずです」


「このクマの肉には塩だけ十分というのはわかりましたが、肉によっては胡椒やソースのようなものをかけたりもしますか?」


「胡椒、は貴重品ですのでほぼ使うことはないですが、料理毎にソースを作ってかけることはございます」


「肉にかけるソースもある?」


「はい。ございます」


 胡椒は貴重品で、ものによってはソースを作ってかける、と。


「お召し上がりください」


「では、いただきます」


 ガイゼに出された皿から、クマの肉――クマステーキを一口分切り取って口に運ぶ。


「おおー」


「いかがですか?」


「柔らかくて変な臭みはないですけど、独特の風味がありますね」


「はい」


「なるほど。これはたしかに塩だけで十分ですね」


 自分で焼いたのとは大違いだ。


 インベントリの中で、弱火でじっくり焼くなんてことが上手くできるのかはわからないが、次に食べる時はやってみよう。


 しかし、クマの肉自体の旨味を引き出す方法はわかったが、それでも塩の存在は無視できない。


 この塩味によって、クマの肉の良さがより引き立てられているように感じる。


「ごちそうさまでした」


「こちらこそこんな良い肉をありがとうございます」


「いえ。調理方法を教えてもらった上に、試食までさせていただきましたし」


「このクマの肉、旦那様にお出ししてもよろしいですか?」


 父上が食べるのか。


 肉の出どころを聞かれたら困るかと思ったけど、俺が持ち込んだものだとわかっても、追及しないという約束だし問題ないか。


「腕によりをかけて振る舞ってあげてください」


「もちろんです」


 力強く頷くガイゼ。


「あ、一つお願いを思いついたんですけどいいですか?」


「こんな良い肉を頂いておいて、断わるなんてできません」


「できる範囲でいいんですけど――」


 ガイゼに頼みごとをして、調理のお礼を改めてした後、ゴウジと合流して部屋へと戻った。




 

「ふうぅ」


 部屋に戻って一息つく。


 まだまだ全然明るい時間だが、今日もめちゃくちゃ疲れた。


 いくら行動が自由になったからといっても、今からどこかに出掛けようという気分にはとてもじゃないがなれない。


 強いてやるとすれば、調理器具の【クラフト】かな。


 試作するならば、七輪の中に炭の代わりに「火」を『属性付与』した物体を入れてみるとか?


 炭代わりはとりあえずは石か?


 石にしても、どんな石が良いのか、どんな形がいいのかなど、試す項目はたくさんありそうだ。


 他にも、加熱させるためのナニカの量を増減させて火力を調整するのではなく、燃料代わりの魔力を込めたナニカを増減させて火力を調整するという方法も考えられるか。


 美味しい食事のための準備といえば、調理器具は試行錯誤すればなんとかなりそうだが、調味料はそうもいかない。


 塩とか砂糖とか胡椒とか、簡単に手に入れられないし、作れるものでもないよなあ。


 やるべきこと、やりたいことが増えていくが、一つ一つクリアしていくしかないんだろう。


 めんどくさくもあるが、ワクワクもする。


 調理器具、調味料、黒板にチョーク、精霊の社。獣人の村でやることもあるし、ゲム山探索もまだまだしたい。


 これからやることに思いを馳せつつ、インベントリの中をチェックしていると、『属性』が増えていることに気付いた。


()()()()()もあるのか」

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