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盤上の兵たちは最強を誇るドラゴン種…なんだけどさ  作者: ひるま
[22]聖剣&魔剣
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-229-:アイツはバケモノか…?

 砲撃型の次は、何だかよく分からないスピーカーを体中に取り付けていたかと思えば、今度は関節射撃型かよ…。


 よくよく意図の掴めない着せ替え人形っぷり。


「ヤバいですよォ。あんなのしこたま撃ち込まれたら、私たち、ひとたまりも無いですよぉ」

 ガンランチャーが青ざめているのが手に取るように分かる。


 正直、この状況、ヘビににらまれたカエルのようだ。


 それよりも、やらなければならない事が!


「聞こえる!?タツローくん、オトギちゃん!そのイヌの頭をした連中は全部で40匹いるわ。その親玉は今、私の目の前にいる」

 どうせやられるのだし、やれる事は全てやっておこう。


「クレハ先輩!」の声にすかさず「来るな!来ちゃダメ!」


「いい?良く聞いて。そいつらにはステルスは効かないわ。犬は鼻が利くからね。だから、リョーマくんが戻るまで、二人で根気よく敵の数を減らしておいて。必ず彼がアナタたちを助けに来てくれるから」

 伝える事は全て伝え終えた。


「ふんっ!私たちの能力を知ったところで、袋叩きで潰す事に変わりは無いわ」

 ロボがブーメランを手に、ガンランチャーに斬り掛かる。


 と、突然ロボのコクピット内にアラートが鳴り響いた。

 

 正面ディスプレイには“LOCK ON”表示が。誰かにロックオンされたのだ。


「何ィ!?」

 そして向かって飛んでくるのはミサイル。


 何と!イエヤスがガンランチャーもろともロボをロックオンしてミサイルを発射したのだ。


「貴様ぁ!正気か!」

 ロボの怒りが木霊する。


「冗談じゃないわよ!マスターが血迷って攻撃しているのよ。私にはどうする事もできないわ!」

 敵の通信が丸聞こえ。


 このツウラという魔者の声。聞けば聞くほど、どこかで聞いたような気がしてならない。


 とにかく。


 ハンドガンを発砲して向かい来るミサイルを撃ち落とした。


 だけど。


 乱心したのか?イエヤスは今度は複数のミサイルを同時発射してしまった。


「アイツ…私たちもろとも始末するつもりか…」

 ブーメランをシールドに戻して防御に入る。そして後退。


 下がりゆくロボを目にするなり、完全に人間の盾にされてしまったクレハは、腹を括って迎撃態勢に入った。


 両手のハンドガンが唸りを上げて、次々とミサイルを撃ち落としてゆく。


 残弾数がゼロにならない内に、ミサイルの攻撃間隔が空いている隙にリロードを終えて、なおも続けて迎撃を続ける。


「じゅ、12発同時も防ぎやがった…。だったら!」

 両脚の36発ものミサイルを同時に発射。乱数計算させて、あらゆる方向からガンランチャーを追尾、攻撃する。


 その間、クレハの瞳は激しい動きを見せて、それらを次々とLOCK ON!!向かい来るミサイルたちを片っ端から撃ち落としてゆく。



「スゴイ…」

 すさまじいまでのクレハの(ガン)さばきに、ココミは息を呑んだ。


「スゴいでしょう?クレハさん」

 小声でガンランチャーが通信を入れてきた。「はい、正直驚いています」


「さすがは我が真のマスターがクレハさんを指名しただけのコトはありますねぇ」

 この通信は直接回線で行っており、クレハには二人の会話は聞こえていない。




 小出ししていたミサイルが、とうとう尽きてしまった。


「アイツはバケモノか…?」

 イエヤスは信じられないと首を横に振る。


 空中にて茫然と立ち尽くすツウラなんて、さて置き、ロボは何処かと向いた先には、彼の姿は見えなくなっていた。


「また逃げやがったか…」

 リロードを済ませながら、仕方なくツウラへと向いたら。


 またもや全身にピンク色の魔方陣を展開させているではないか。


「まだ何かあるのかよォ」

 今度は何で襲ってくる?ガンランチャーが身構えた。


 バァーンッ!!


 ツウラが新たな装備をまとった!


 かと思えば。


 今さっきまで着込んでいたミサイル装備ではないか。


「チッ!性懲りも無く、まぁ」

 呆れてモノが言えない。


「何度来てもムダだからね。アンタのミサイルなんざ、ぜーんぶ撃ち落としてやるんだから!」

 絶対の自信を見せるクレハ。


 確かに複数発射も、乱数発射にもすべて対応してみせた。これには脱帽する。


 だが!


 それらを全部押し込めて撃てば、絶対に今度こそガンランチャーを叩き潰せるはず。


「いっくぜぇーッ!!」

 全弾発射!!その数140発。そして全弾乱数発射!これでミサイルの軌道は読めはしない。



 敵が40騎どころの騒ぎではない。


 当たれば即死。


 クレハはリアルのシューティングゲームに身を投じる事となった。


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