表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
盤上の兵たちは最強を誇るドラゴン種…なんだけどさ  作者: ひるま
[22]聖剣&魔剣
237/351

-228-:わ、わわわ。ご主人様ったら、なんて命知らずな発言を

「敵は私たちが通った道を辿って追跡してきている」

 それがロボが嗅覚を駆使して追跡を行っていた理由とした。


「だったらしょうがないですねぇ。だからと言って何もステルスシートを撃ち抜くコトも無いでしょう。あんな小さな穴でも結構痛かったんですよぉ」

 ガンランチャーにとっては、ソレはソレ、コレはコレでしかない。


「だからゴメンて謝っているでしょう。だけど、複数の標的に対応できる、あの能力は厄介ね…」

 クレハは謝りつつ考え込んだ。


「数が分からなければ対処のしようが無いですものねぇ…」

 ガンランチャーも思案に入ったところで、クレハは外部音声スイッチをONに入れた。



 両手のハンドガンをあらゆる方向へと向けて警戒をしながら。


「シンジュちゃん!聞こえてる?貴女たちの能力はもうバレているのよ。嗅覚で私たちを追ってきている事。それに大勢の手下を従えている事もね」

 姿の見えぬロボに話しかける。


「だからもう、私たちは逃げはしない。ここで貴女たちをブッ潰す!」

 こともあろう事か、クレハは宣戦布告した。


「殺し合いがどうだの言っていた割には、殺人も致し方ないと方便を垂れるのね」

 ロボが一際背の高いビルの屋上に姿を現した。


「出てきたわね…」

 小声で呟く。


「私が言ったのは、あくまでも!ブッ潰す”。“ブッ殺す!なんて言ってはしないわ」

 ロボの治癒能力はどれほどのものなのだろう?


 さきほど吹き飛ばしてやった小指も耳も、もう元通りに治っている。


 だったら!ハンドガンで腕と脚を撃って撃って撃ちまくって、引きちぎってやる!


 横へホバリング移動を開始して、両手のハンドガンを撃ちまくる。


 だが、ロボは、先程まで手にしていたブーメランを折り畳んで左腕に装着。(シールド)へと変えて防御に入った。


 腕がダメなら!照準を腕から脚へと切り替える。


 ロボの両腰に装備されている回塔(ターレット)式機関砲が火を吹く。


 盾を持たないガンランチャーは後退を余儀なくされた。


「どうした、クレハ!私たちをブッ潰すんじゃなかったの!」

 多少のダメージなど、すぐさま回復してみせるロボに多大な信頼を寄せるシンジュは、そのまま追撃に入った。


「どうせなら、貴女の従えている子分共もまとめて相手にしてやるわ!」

 後退しながら、反撃を続けて豪語してみせる。


「わ、わわわ。ご主人様ったら、なんて命知らずな発言を」

 付き合わされるガンランチャーは堪ったものではない。


 なおも続く激しい銃撃戦。


 クレハはガンランチャーをビルの屋上へと立たせた。とても見晴らしが良い。


 ここなら、ロボが従えている子分とやらが現れても、十分対応できる。


「さぁ来い!親分は後方でふんぞり返って、危ない仕事は全部手下に任せておきなッ!」

 それは襲撃を受ける側の台詞ではないと、ガンランチャーがツッコミを入れようとした、その時。


「ふふっ。40騎で袋叩きってのも悪くないわね」

 シンジュの勝ち誇ったような笑み。


「よ、40騎!?う、ウソでしょ?ご主人様ぁ、コイツぁ、グレートにヤベぇですぜ」

 数を聞いて腰を抜かすガンランチャーは、堪らず撤退を進言。だけど。


「アホが。引っ掛かりやがった」

 クレハはニヤリと笑う。


 ロボが跳び上がり、ガンランチャーの上を取った!


 すかさずクレハは照準にロボを捉える。


 が。


「割り込んで来るんじゃねーッ!!」

 叫び、クレハは右腕を90度方向転換。真横から接近する叫霊(バンシー)のツウラに向けてハンドガンを発射。


 ツウラの左肩に装備されている拡声器(スピーカー)に着弾、爆炎がツウラを包み込む。


 そして、なおも接近を試みるロボにも発砲。何が何でも近づけさせはしない。


 止む事の無いガンランチャーからの銃撃をものともせずに、ロボは左腕に装着している盾を外して再びブーメランモードへと変形。ガンランチャーへ斬り掛かろうとした。


 ガンッ!!


 横から現れたツウラがショルダータックルを食らわせて、ロボの体勢を崩した。


「な、何をする!?イエヤス!」

 味方を攻撃してくるイエヤスの意図が分からない。


 同時に。


「何やってるのよ!?イエヤス!」

 ツウラもマスターが乱心したものと捉えていた。


 とても都合の良い事に、向こうから勝手にひとまとめになってくれた。


 ならば。


 両手のハンドガンが立て続けに火を吹く。


「ブッ殺す!!」

 唸るイエヤスではあるが、ツウラの体に備え付けられているスピーカーは次々と破壊されてゆく。


 クレハはどういう意図で備え付けているのか?得体の知れないスピーカーを、真っ先に破壊し続けていた。


「もう!何やってんのよ、イエヤス!これじゃあ、霊共振でアイツの骨格強度を下げられないじゃない!」

 ツウラの外装に取り付けられていたスピーカーは、霊力と共振現象を合わせる事によって、特定の振動数を有する箇所を破壊する装置であった。


 草間・涼馬が駆るダナの骨格(フレーム)に共鳴する霊力と音とを合わせて響かせて、フレームのみにダメージを与えていたのだ。


「どのみちこれだけ離れていたら、音も霊力も分散しちまって、あの野郎にダメージを与える事は出来ねぇ!ならば!」

 バーンッ!!と勢いよく外装部をキャスト・オフ!!


 ツウラの本体は、何と!


 ガリガリヒョロヒョロの超細型盤上戦騎(ディザスター)


 しかし。


 体の至る箇所にてピンクの魔方陣が展開されて。


 回転が終われば。


 全身至る所にミサイルランチャーを備え付けた重爆装備へと姿を変えていた。


「アイツ!着せ替え人形か!?」

 これがツウラの能力だ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ