↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

31/36

決戦

 しばらくすると、ダイグが戦場に戻ってきた。


 ダイグの左腕は元に戻っており、泥沼になりつつある戦場でダイグだけは元気だった。


 砦の防壁の門は壊されたが、敵も疲弊し一気に砦を突破する力は無く、お互いの勢力に勢いが無くなっていた。


 ダイグは兵を率いて砦の中に突入し叫ぶ。


「カシトはどこだ!俺が倒してやる!」


 右腕を失い左腕にダガーを持ったカシトが現れる。


「カシト!まだ右腕を治していないのか!味方に恵まれなかったな!」


「カシト兄さんだろ?どうしてそう呼ぶようになった?」


「お前が俺を殺そうとしたからだ!俺はゴブリンに殺されかけた!お前が前線に送ったからだ!」


「そうか、悪い事をした。ダイグ、もう馬鹿な真似はやめて自害するんだ」


「ふざけるなあああああ!弟を何だと思っている!」


 ダイグは激高してカシトに襲いかかった。


 ダイグの両手で振るう剣をカシトは左手一本で何とかいなす。


 カシトの劣勢は目に見えていた。


 ダイグは自身の優勢を悟り何度もカシトに斬りかかる。


 カシトを助けようと加勢する兵をダイグが斬り倒した。


「一騎打ちの邪魔をするなあああ!」


 そこにゼンキが飛び込んでくる。

「卑怯者のダイグ!このゼンキが一騎打ちを申し込む!」


「俺をバカにするな!」


「お前は卑怯者だ!負傷したままのカシト王子をいたぶる卑怯者!弱い者としか戦わない卑怯者!」


「いいだろう!ゼンキいいいいいいい!俺が倒してやるうううううう!」






 ゼンキは予感していた。


 ダイグとカシト王子が戦う事を。


 兄弟殺し。

 レアとマリンが殺し合う想像をしてすぐに決めた。


 兄弟殺しはさせない。


 私がダイグと闘う。


 私が罪を被る。


 貴族の爵位を捨て、ホワイト王国につくとすぐに王に呼ばれた。


 爵位を与えると何度も言われたが何度も断る。


 その代わりハルトナイト王子の元で魔物狩りを行った。


 しばらくしてグレー王国の援軍として進軍する途中でレアと会う。


 レアの表情は穏やかで幸せそうな顔をしていた。


 その顔を見てシオン王子にレアを任せれば大丈夫だと思い、安心している自分に気づく。


 ダイグにいじめられ痩せて目にクマが出来るまでレアを放置した時も私は何もできなかった。


 レアが婚約破棄をされて領地に戻ってきた時、私はすぐ異常に気付かない。

 

 すぐ気づいたのはマリンだ。


 私は鈍い人間だ。


 だがこれだけは分かる。


 ダイグは私が倒すべきだ!


 レアをいじめたダイグは私が倒す。


 カシト王子に兄弟殺しはさせない。


 貴族の爵位を捨てた瞬間、私は家族を優先すると決めたのだ!






 ゼンキとダイグは剣で打ち合い、一瞬でダイグの腹が斬られる。


「ぐああああ、あああ!」


 ゼンキがとどめの1撃を加え、ダイグは絶命した。


 一瞬の決着。


 泥をかぶるのは私だ。


「このゼンキがあああ!ダイグを討ち取ったあああああ!!!!!」


「「うおおおおおおおおおおおおおおお」」






 敵の指揮官が叫ぶ


「我々の方が数が多い!我らの勝利は揺らがない!一気に攻めろ!」


「こ、後方よりシオンの部隊が接近中!」


「到達時間はどれほどだ?」


「もうすぐそこまで来ています!」






 敵軍はシオンの部隊に攻められ、混乱状態に陥った。


 更に裏で手を引いていたガンズ・ペンセイバーが護衛を連れて逃走した事でこの闘いはカシト王子の勝利に終わった。

最後までお読み頂きありがとうございます!少しでも面白いと思っていただけた方はブクマ、そして下の☆☆☆☆☆から評価をお願いします!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。