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【ガンズ視点】 ガンズ・ペンセイバー

グレー王国の公爵家当主、ガンズ・ペンセイバーはグレー王国の癌のような存在だ。


 どんなに国益を損なおうとペンセイバー家と自身の力を高める為なら何でもやる。


 民は勝手に生えてくる雑草のようにしか思っておらず、少しの利益の為に民をためらいなく殺す。


 ガンズの見た目は、背が小さく、目が離れており、顔がぼこぼこしている。


 更に口が大きくカエルのような印象を受ける。


「ぐっふっふ、ダイグは扱いやすい」


「ダイグ王子の説得は終わりましたかな?」


 執事の説得という言葉にガンズは鼻で笑った。


「言葉をつくろう必要は無い、ダイグはワシの言葉にすっかり騙され、カシト王子を打倒する気満々だ。更にダイグが死にかけた原因はワシがゴブリンを誘導し、ダイグにぶつけたせいだが、奴は気づいていない。それどころかワシを使って王になるつもりだった。完璧に騙されている」


「おめでとうございます」


「カシト王子は無理だが、ダイグのような愚か者を担ぎ上げるのは楽なものだ。後はダイグを王に祭り上げ、機を見てワシが王になる。準備は終わったか?」


「はい、街からの物資の略奪と王都の貴族街の奇襲の用意は出来ました。更にカシト王子を砦に釘付けにする作戦はすでに整いつつあります」


「物資の強奪と貴族街の奇襲の際にダイグ王子の名を出す手はずは万全か?」


「はい、徹底しております」


「よし、7日後の日の出とともに動け」


「かしこまりました」


 くっくっく、貴族の粛清の準備が整っていたのを知った時は死にかけたが、無事逃げ切り、今反撃に出ようとしている。


 すべてのタイミングがワシに味方している。


 カシト王子は砦に閉じ込め兵士により包囲する作戦はほぼ完成している。


 アースト王は王都の貴族を抑えるだけで手一杯でロクに動けん。

 更に念のため手足を封じる。


 アースト王ではなくカシト王子だ、カシト王子を殺せばグレー王国の覇権はワシの物になる!


 カシト王子を殺せば向こうは自由に動ける駒は居なくなる。


 更に王都の兵を黙らせる作戦と不足する物資を補う作戦も抜かりはない。


 ダイグ、ワシの為に操られ、最後はワシに殺されろ。


 くっくっく。


「大変です、ダイグ王子が暴れております」


「く、また怒ったか、ワシが止めに行く」


 ガンズはダイグを軟禁している部屋に向かった。






「ダイグ王子、どうなされましたか?」

 ガンズは先ほどまでと人格が変わったように口調や表情が穏やかになった。


「なぜ俺を閉じ込める!ここから出せ!」


「ご、誤解でございます、皆はダイグ様を思ってカシト王子に見つからぬようお隠れ頂いているのです。今ダイグ様の為の兵がここに集いつつあります。しかし!その前にカシト王子にダイグ様の居場所がバレれば、ここにいる者は皆殺しになるでしょう。ここにいる兵の10倍の兵にここを襲撃されればいくらダイグ様といえど、命の保証は出来ないのです。ダイグ様は我々の希望、どうか、どうか後少しだけ耐えてください!この通りです」


「ち、あとどのくらい待てばいい?」


「あと7日、それで兵が集結します」


「7日か、それ以上は待たんぞ!」


「ははあああああ!」


 ガンズは頭を大げさに下げたがその顔は悪意に満ちた笑みを浮かべていた。






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