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受験技術の考察《大学入試編》  作者: ぷろける
2 科目別各論
10/12

2-2 数学-1(問題解決のプロセス 前編)

●問題解決のプロセス

具体的に説明しないと分かりにくいので、例題の解説をします。各自手を動かして考えてみてください。


★例題★

n , n+d , n+2d , n+3d , n+4d のすべてが素数となるような(n,d)の組のうち、dが最小となる組をすべて求めよ。

(出典:2016年12月、自作)



数学が出来ない人に限って、「数学は解法が閃かなければ解けない」と思い込んでいることが多いです。閃きがほぼ毎回起こる優秀者はそれで良いのですが、そうでない方は閃くか閃かないかの運での勝負になってしまいます。人生をかける大学入試ですから、必然的に閃きを起こす力を身に付けて、不確定要素は出来るだけ無くすべきです。筆者は、数学の問題を解くには、以下のつのプロセスが必要であると考えています。

①理解(題意を理解する)

②目標設定(問題で解決すべき点を明確にする)

③計画(②の目標を解決する方針の決定)

④遂行(解答用紙に、論証や計算を行う)

学校の定期試験などでは、一部の進学校を除き、授業で扱った問題か、そうでなくても精々類題が出題されますから、必要なのは④の遂行だけです。しかし、試験では初めから知っている問題が出題されることは稀で、④だけでは太刀打ちできません。もし④だけで戦おうとすると、気が遠くなる程の問題演習を行い、かつその解法を全て覚えなければなりません。そんな事をしている暇があったら、他教科の勉強に時間をまわすべきです。



さて、この問題では、題意を理解するのに苦しむことはありません。整数問題であることが分かれば①はクリアです。


例題は「求めよ」と言っています。具体的に代入して実験してみましょう。この“実験”は、目標が見えにくい問題に対して威力を発揮します。「答を自力で予測して、それしか答になり得ないことを示せば良いのです†。dが最小となるもの、とあるので、dが小さい順に代入します。nは素数ですから、2から順に代入します。

(i)d=1のとき、n,n+1,n+2,n+3,n+4

で、連番になり、偶数が複数入るのでアウトだと気付きます。

(ii)d=2のとき、n,n+2,n+4,n+6,n+8で、nを順にいれてみると、

n=2のとき、2,4,6,8,10

n=3のとき、3,5,7,9,11

n=5のとき、5,7,9,11,13

n=7のとき、7,9,11,13,15

となります。よく見ると、全て3でない3の倍数が入っていて全滅です。おそらくd=2ではこれを示せば良さそうです。

(iii)d=3のとき、n,n+3,n+6,n+9,n+12で、nを順に入れてみると、

n=2のとき、2,5,8,11,14

n=3のとき、3,6,9,12,15

n=5のとき、5,8,11,14,17

となり、偶数が複数個入りアウトです。鋭い人なら、この段階でdが奇数なら、偶数が複数個入ることに気付けます。しかし、気付かなくても全部試せば大丈夫なので、心配は要りません。ここでは気付いた体で進めます。

(iv)d=4のとき、n,n+4,n+8,n+12,n+16で、nを順に入れてみると、

n=2のとき、2,6,10,14,18

n=3のとき、3,7,11,15,19

n=5のとき、5,9,13,17,21

n=7のとき、7,11,15,19,23

となり、これまた3でない3の倍数でアウト。これも上と同様に示せば良さそうです。

(v)d=6のとき、n,n+6,n+12,n+18,n+24で、nを順に入れてみると、

n=2のとき、2,8,14,20,16

n=3のとき、3,9,15,21,27

n=5のとき、5,11,17,23,29 (←いけた!)

n=7のとき、7,13,19,25,31

やっと一組発見しました。さらに観察すると、全て5の倍数が入っています。当然、5自身は素数ですので、これを示してクリアです。

さて、この実験から、「dの値を小さい順に試して、奇数のdは偶数が複数個入るからだめ、2と4は3の倍数が入り、6は5の倍数が入る」ことを示せば良いことがわかります。これで②は完了です。現実に問題を解く際は、全て書く必要はありません。気付いたら止めて良いです。


では、②で設定した目標をどう解決するかです。整数問題を解決する手筋は、概ね次の4つです。

(i)約数、倍数の関係を利用する(因数分解を試みる)

(ii)不等式で範囲を絞る(無限にある整数を有限にする、有効な手段)

(iii)余りを分類して考える(ある数をnで割った余りは0を含めて高々n種類)

(iv)連続な関数と見て格子点に帰着する(この方針を自力で選ばせる問題は難問である)

今回は、因数分解は出来そうになく、不等式も登場しません。関数も見えないので、やはりここは(iii)余りを分類 で攻めるべきでしょう。これで方針が定まりました。ここまで③です。

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