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竪琴宇宙のサクシード  作者: MAD-WMR
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4-7 制服採用~発進

思いついて制服関連を書いたのでそれに合わせて4-1冒頭を少し修正しました。



光子ロケットの設置は結局3時間遅れ。影響のある遅れでは無い。

ステーションは最後部に大型光子ロケット、小型光子ロケット(脱出用ブロック船)が設置。

核パルスロケットも同様に設置された。

中央の制御ブロックから後方は一回り大きくなり格納庫、倉庫、生産に使われる。

前部には小惑星保持用の大型アームが取り付けられた。


フリーダム艦5隻はリラ星域の西側から接近中。

宇宙で東西南北は無いのだがリラ6の方位をリラ0に適用し方位としている。

座標が無いと宇宙では不便だからという事で移民到着後にそう決められた。

核パルス推進を使いステーションはまず南に向けて航行。

リラ11とリラ12の間で停止し小惑星を確保。

公転軌道の間だがリラ12は大きくもなく公転軌道も広いからこの辺りはかなりの空間。

金属物を含まない小惑星ならまだまだ豊富だ。

これは積んできたブロック船で牽引し回収を行なった。

小型小惑星を8個くらいはマスドライバーの弾丸として加工。

大型2個はミサイルや機雷を設置し突撃艇輸送機も内部に設置する。

その加工や作業はこれからの航行中に行われるが弾丸への加工はもう始まっている。

小惑星の確保が終わればいよいよフリーダム艦に向けて出航。

ここからが本格的な航行だ。

大量の食料など備蓄品も問題なく搭載。

ステーションに乗り込んだのは212名、ギルド関係者、宇宙船乗りが中心。

少数なのが医療関係者や食堂、清掃などの施設要員。

多人数の長期航行だからそういう人員も必要な訳だ。

この辺りは行政府というかギードリアさん、カタオカさんが調整してくれていた。

戦闘間系以外は正直すべて行政府がやってくれた。

これから航海中に宇宙船乗りは戦闘訓練、ギルド員は生産作業を続ける。

戦闘予定は7日後、8日後。

針路を南西として大きく迂回、フリーダム艦の後方へ回り込む。

その後は北東へと針路を取る事で北側からリラへ先に帰還の予定だ。

作戦が失敗してもフリーダム艦より先に帰還しリラに入る前に最後の攻撃を行なう。


起きてからそんなスケジュールの事を考えている。


「仕方ないか。着るか。」


溜息と共にテーブルの上の袋に入ったままの服を取り出す。

思考に逃げていても現実は目の前にある。時間という現実問題もある。

俺がというか指揮官が式典などで着る衣装のデザインという提案がこの一種間の間であった。

12時間以内とかのスケジュールでそんな事をした事もなくセリナの衣装を元に作った。


「セリナ、いつも来ている服なんだがそのデザインを使っても構わないか?」


ガーランドのリビングに居たセリナにそんな風に聞いた。


「この服であれば構いませんが何か限定の服であればサトウ氏に許可を得てください。」


モニターを見たままキーボードを叩きつつこちらを見ずに答える。

この服というのはセリナが今来ている服、ガーランドの作業着、つなぎだ。

色が特注と言うだけで別に普通の物で俺も着ている

軌道戦が終わった頃くらいからかセリナも着るようになっていた。

最近は最初に来ていた衣装は着ていないがあれで出歩くのは問題があるのだろうな。目立つし。


「それじゃなくて最初に来ていた服の事だ。

 式典用の衣装デザインがあってセリナの衣装を使わせて貰いたい。」


セリナの手が止まるから端末の書類を見せる。


「構いません。ただあれは制服ですのでそのまま使用するのは止めてください。

 問題がないかどのようなデザインとなったか確認させてください。」


そんな会話があり俺はセリナの衣装をいじって衣装を作った。

他にも何人かに頼んでいるしちゃんとしたデザイナーにも頼んでいるからと引き受けたものだ。

それがいつの間にか制服にしようという事となってしまった。

反対というか制服にするなら他のデザインがと言ってみたが無駄だった。

別に制服に反対だったのではなく俺のデザインが選ばれていたから反対したのだ。

どの衣装にするかも衣装デザインをした全員と関係者による投票。

10着から選んで公正なものだからまあ良い。

ひょっとしたらデザインした人の名前が書いてあった影響はあるかもしれない。

選ばれたと言っても5票、4票、4票、3票とかで票が分散したからだし。

当然俺も投票していたけどその4票の所に入れなかった俺の感覚が駄目だったんだ。

諦めて制服を着る事にする。

これから作戦中、自室以外は着用義務がある。

2着ずつ支給されており今回の作戦参加の記念品だそうだ。

下は黒いズボンで普通だ。上に黒のインナーシャツを着る。

その上に着るのは緑と鈍い銀の服、肩口から斜めに区切られて上に緑、下は銀。

セリナの衣装だと胴体部分首元から上下逆V字があり左右が赤色。

服の下の方にV字がありそこが白色、中央辺りが変形した菱形でそこが銀色。

長袖の肘より下が斜めに区切られて白色、そこから銀色の部分がありその上、肩の辺りまでは赤。

そんな衣装を参考にしたが簡単に斜めで区切った。

左腕は緑、右腕は銀、それぞれ袖口は逆の色にしてある。

宇宙船活動用の防護服でもあり放射線類は少しは防ぐし薬品類にも強く耐火性も高い。

実はかなりの高級品だ。

ギルド員仕様もあり大きめのベルトがあるのは工具とかを持ち運ぶ人が多いからだ。

各服で収納も多くなっている。

ギルド員は黄色、宇宙船乗りは青、医療関係が紫、情報関係が赤と担当によって色が違う。

この色配置については司令官という事で決定させて貰った。

単にセリナが着るのを赤にしておきたかっただけなんだよな。

なんとなくイメージとして。

緑は司令官の色ではなくてステーションの操縦関係者。

司令官は別に白のジャケットがある。肩に飾り紐が着いた派手なもの。

白が行政官の指定色ということでこうなった。

着てみて鏡を見るが似合ってないな。若造が着る服じゃない。

制服自体リラじゃ珍しい。まあ飲食店とかサービス業くらいか。

着ていればそのうち慣れる、違和感も薄れるだろうか。

慣れなくてもそれほど長い期間じゃない。


自室を出てリビングに行けばセリナが待っていた。


「イスト、おはようございます。もう出ないと時間です。」


頷いてそのまま外に向かう。

時間だから出て来たのだ。さすがに遅れてるのはまずいから元々早く着くようにしてある。

当然セリナも新しい制服を着ている。

ちょっとデザインは違うがやっぱりそれほど違和感は無い。

俺としてはつなぎを着ているセリナよりは見慣れている。

ガーランドの外に出てステーションの通路を歩いて行けば制服姿ばかり。

当然だけどその中でジャケットを着ていると目立つな。

出航前でそんなに人が居ないのが救いか。


「イスト、もう少し落ち着いて歩いてください。

 手を背中側で組む感じを意識し背筋を伸ばして歩きましょう。

 宇宙軍総司令の立場を忘れては行けません。」


「そんな事を言っても急に立場が変わって自分が変われる事はないぞ。」


「変わる為には気持ちだけでなく姿勢などから改善していくべきです。」


「司令官の立場なんてあんまり慣れたくないし行政官なんてのも今だけだからな。」


そんな会話を人が近くに居ない時にして2人は中央制御室に到着した。

改装された中央制御室、今は中央司令室。

中は各種端末などが並びそれぞれの場所はすでに着席されている。


「BN-イスト宇宙軍総司令官、入室。」


後ろに居たセリナが俺の入室に合わせて言葉を放つ。

着席した全員が立ち上がりこちらを向く。

これは俺は知らされていない。セリナの手回しだろうな。

じいちゃんの持っていた物語だと敬礼とかするのだがリラには敬礼が無いからそれは無い。

これがあるからさっきの会話かな。

俺は中央の後方一段高い位置にある指揮官席に向かい座る。

それに合わせて全員が着席したから正解か。

変な事はしないで欲しい。

右斜め前にある端末はセリナの位置、情報管理官としての場所、各種情報分析が担当。

正面には操船担当、左斜め前は兵装担当。

それぞれの席の前に位置するのはそれぞれの担当を補佐する人達。

右後ろはギードリアさんの席。

行政官として宇宙軍総司令官補佐とフリーダムに対する外交が役割。

さっきはギードリアさんも立ち上がっておりいかつい顔がにやにやしていた。

改装されたが本来の中央制御室はステーション後方に移動された。

ここと同じように司令室としても使えるようになっておりそちらでもステーションを動かせる。

複数の制御室があるのは軍船としては当然らしい。

正面の端末を操作して今後のスケジュールを表示させた。

発進まで11分程で問題ない時間に到着したな。

セリナからのメッセージは各部署に準備確認を口頭でと言う物。


「情報管理官、準備は問題ないか。」


「各センサー、情報収集、伝達問題ありません。」


「兵装管理官、兵装およびステーション状況に問題はありますか?」


「兵装は何時でも稼動可能、問題ありません。

 ステーション各部、問題点は修正されたと報告がありました。

 航行開始後に問題があった場合に備えてギルド員は待機中です。」


「操船担当官、航行準備状況を報告してください。」


「動力、推進機共に準備完了、問題はありません。」


最初をメッセージを伝えて来たセリナにしたのは失敗だったかな。

いつものガーランドの発進準備のような感じになってしまった。

正直この部屋では俺が一番立場が上だけど一番年下なんだよな。

部屋どころか乗員全てでも同じなんだけどな。


「リラ6に発進は予定通りと連絡してください。」


「了解しました。・・・・・計画の成功と無事な帰還祈ると返信です。」


通信についてもセリナたち情報管理の担当。

無線はセリナではなく前の席の女性が担当しておりそちらからの報告。

少し間があるのはここからだとリラまで6秒程無線時差があるからだ。

往復だと12秒程。


「各員、発進まで待機してください。」


ガーランドの時なら出発まで待つかと軽く言う所だな。

混む時間帯に出発する事もないから管制に連絡してさっさと出発する所だ。

さすがにアーコロジーや両ステーションからも観測しているから早くする訳に行かない。

10分近い時間は長い。

時間があるならと突撃艇訓練の状況確認、分析をしておく。

時々回りを見ると同じように端末を触っている人が多い。

何か作業しているのかリラの知り合いとかに連絡しているとかかな。

発進5分前、3分前が操船担当から告げられつつ時間が過ぎる。

さすがに3分前になるとどの席でも作業を止める。


「ステーション各部、最終確認。問題があれば報告して下さい。」


ここの最終確認で問題があれば発進は延期。

ここまで来た時に問題はなかったから大丈夫のはずで問題報告は無し。


「発進1分前。」


司令室正面に大きくタイマーが表示された。

秒以下まで表示されているからどんどん減っていく。


「ステーション、フリーダム艦に向けて予定航路にて発進してください。」


タイマー表示が0になり表示モニター全体の色が青になると発進命令を出す。


「核パルスロケット点火、異常無し。加速問題無し。」


「船体ストレスも許容範囲です。問題報告もありません。」


核パルスによる加速はすでに行っており問題は無い。

次の光子ロケットが本番だが実はすぐには加速しない。

ここから20時間は核パルスロケットで加速を続ける。


「予定通りこのまま1時間は各員待機、以降加速終了までは予定に従って交代してください。」


これはセリナから送られて来たメッセージだ。

セリナと俺もここから8時間はこのまま待機。その後で交代になる。

他の部署は前の補佐している人達が先に休憩して官たちは20時間後に担当する。

補佐は交代要員が居るので問題が無い。

全員で1時間待機は問題発生時に対応する為、それが過ぎれば通常体制だ。

まあ1日はこのまま、次の光子ロケット加速が難関であり本番だよな。

番外にしようと思いましたが程よい長さになったのでそのまま書きました。


先日から急に多数のアクセスがあったようで何があったと驚いております。

ブックマーク、評価も頂いておりありがとうございます。

引き続き励みにさせて頂きます。

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