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演劇部殺人事件 ~事件編1~

 2014年10月某日――。


 秋晴れの中、その天気に反して心の中が曇ったまま少年、天野輝宙。

 輝宙は何気に家に入った広告の中にあった、市内の大学の文化祭の案内を見て大学に足を運んでいた。


 「あ~あ、この前のはやっちゃったな」


 輝宙はこの前の事件で推理を外し、天音にダイイングメッセージを解かれ、犯人が捕まった事、そして、なにより自分の推理で無実の人が捕まるかもしれなかった事に後悔して傷心していた。


 (こんな時に、父さんも母さんも仕事なんて……俺の気持ちも分かってほしいよ)


 輝宙はまだ小学生。

 こう言ったところはまだ、子供っぽさが残っていた。

 そして、休日に一人で家で過ごすと気分が滅入りそうだと文化祭の広告を見て外に出たのだった。


 「さて、気分転換に演劇でも見るか」


 普通、文化祭と言えば出店とかで食べたりするかもしれないがそこは小学生。

 お小遣い制の為、そんなに使えないし、出店で食べる分のお金でどれだけお菓子が買えるか。

 そして、我慢して貯めてゲームを買うという目標があった為、輝宙は我慢した。

 この辺の感覚はきっちりしているが、目的はまだまだ小学生の輝宙であった。

 ちなみに、この日は昼ごはんのお小遣いで1000円もらっていたが、輝宙は家でカップラーメンを作って食べて貯金していた。

 そして、なぜ演劇かと言うとたまたま広告に書いてあったからだ。


 『ようこそ演劇部へ』


 体育館の入口に飾られていた段ボールを加工して作られた看板は、如何にも三流感を醸し出している。


 (うわぁ~、これって大丈夫かな)


 輝宙は内心そう思ったが、する事もないので中に入ってみる事にした。

 すると、思いのほか観客がいる光景が広がっていた。

 予想外の光景にビックリした輝宙だったが、とりあえず席に着くことにした。


 (う~ん、実は小道具だけがちゃっちいだけで演技はうまいんだろうか)


 輝宙がそんな事を考えていると、照明が落とされ演劇が始まった。

 劇の内容は中世のヨーロッパで革命が起こり、一人のカリスマリーダーが他の主要メンバー三人を率いて民衆とともに革命を成功させるというものだ。

 そして、劇は順調に進行していく。


 (やっぱり演技も三流だな。まぁ俺が言うのもあれだけど)


 「我が思想に共感できるもの達よ! 共に立ち上がろう!」


 (そしてこのリーダー役の男。絶対自分の演技に酔ってるタイプだな。でも演技がその分わざとらしく見える。残念)


 輝宙が内心そんな事を考えながら分析していると、物語はいよいよ佳境に入ってくる。

 リーダーが三人と決起し革命に挑むというシーンだ。

 三人を背にしてリーダーが一人グラスを持ち外を眺め、グラスを掲げるシーン。


 「今日、我々は決起し、悪の王を倒す! 我らに聖なる加護があらん事を!」


 リーダー役の男はそういうとグラスを掲げ、乾杯をして中を一気に飲み干した。


 「ぐっ!! ゲホッ!」


 リーダー役の男は赤い液体を吐いて、胸を押さえて倒れた。


 (おっ! これはなかなか迫真の演技だな。でもリーダーが暗殺されたらどうなるんだ?)


 「きゃぁぁぁぁ!!!」


 輝宙がそんな事を思っていると舞台の上から、悲鳴が聞こえた。


 「みんな動くな!! 俺は警察だ! 指示があるまで動くなよ!」


 輝宙の横で男が立ち上がり大声で叫ぶ。


 (マジか……演技でなくて本当の殺人とは)


 そんな事を思いながら輝宙もその場に座っていた。


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