新装備お披露目配信(1)
なかなか時間が取れず、更新間隔が空いてしまい申し訳ありません・・・!
ストックは大量にできたので(50話ぐらい)、こちらも定期更新していければと思っています。引き続き、よろしくお願いします...!
その一週間後。
「食材の皆さん、こんレイナ〜!」
私は、配信を立ち上げる。
場所は深層入口の休憩スペース――最近は、もっぱら配信開始の定位置となっている場所だ。
(進めば深層、戻れば下層。取れる食材も豊富で、便利な場所なんだよね)
私は、そんなことを考えながら、
「今日は早速、送っていただいた装備を開封していきたいと思います!」
そう本日の予定を口にする。
"もう見慣れた深層の景色"
"試し切りの相手、深層で見繕うのかww"
"《マイン》楽しみ"
"マインちゃんだ!"
"もうすっかりトップランナーの常駐先になってるな、この配信"
「はい、とりあえずデュラハンで試し打ちしてみようかなと!」
"試作品「ヤメテ!」"
"ハードル高すぎて草"
"まあレイナちゃんが振るう武器なら、それぐらいの性能ないと心許ないけども……"
美味しい焼き鳥のため、私はフェニックスに挑むことを決意したが、おもちくんに忠告されたことにより本格的なトレーニングを始めることにしたのだ。
効率的なレベリング方法を探求するのはもちろん、今まで全く変えなかった装備品にも、ついに手を加えてみようと思ったのである。
そんな思いつきを、配信で口にしてみたところ、何故やら見ていたトップの装備屋たちを巻き込む大騒動に発展してしまい――
(まさか、本当にこんなに集まるなんて―――)
思わず遠い目になる私。
配信の翌日から、本当に続々と千佳が持つ研究所に、装備品が続々と送られてきたのだ。
そんな訳で約束通り配信を行うことにしたのである。
「レイナ様の一番弟子、ミライッス~!……レイナ様、本当に、あたいも試着して良かったッスか?」
「千佳が言うには、ダンジョンイーターズの皆さんも是非ってことだから」
ちなみに今日の配信は、ミライも加えたコラボ配信である。
千佳いわく、どしどしと配信で使ってほしいとの方針らしい。
今回、装備品を提供してくれた相手は、ダンジョンのトップギルドも一目置く相手がほとんどらしく、依頼しようものなら数年待ちもザラという大人気鍛冶師たちだ。
そんな相手が、どうか使ってほしいと懇願してきたのが前回の配信で――
(そ、そこまで宣伝効果はないと思うけどな……?)
(それでも案件だと思って、全力で良いところを宣伝するよ!)
そう私は改めて気合を入れるのだった。
あたりには、大量のダンボール箱が積まれていた。
中には、今回のために用意された数々の装備品が入っている。
「というわけで、早速使っていきますね!」
「そわそわ、そわそわ。ものすごい量ッスね!?」
「本当にね。本当に、私たちで良いのかな?」
私たちは、そんなことを話しながら、ダンボールの中から目についた装備品を取り出していく。
私がリクエストしたのは、癒やしを届けるためのメイド服だ。
しかし、目に飛び込んできたのは――
「最初に装備するのは――何でしょう、これ?」
「これは……、水着?」
私とミライちゃんは、"それ"を手に取り、首を傾げた。
いわゆるスクール水着と呼ばれるタイプの、身体を覆うタイプの水着だった。
"《鈴木千佳》誰や、そんなもん送ってきたのは!"
"こう見えて水着ってガチ装備なんだよなあ"
"そんなアホなw"
"でも二人の水着姿、見たいでしょ?"
"見たい、見たくないで言えばみたいけど――"
開封一番、出てきた装備品にざわつくコメント欄。
「せっかくなので着替えてみますね! 四層の湖で、後で泳いでみますか」
「良いッスね!」
そうして私は、いったん配信を映像に差し替え、
「ま、まさかダンジョンで水着に着替えることになるとは――」
「名前の記入欄まである徹底ぶりッスね。恐ろしいまでのこだわりッス」
呆れたような顔で、相槌をうつミライちゃん。
「「ジャーン!」」
そうして着替えた私たちは、カメラをもとに戻す。
"可愛い!"
"似合ってるw"
"prprprprprprpr"
"変態は帰ってどうぞ"
"《マイン》水着は邪道、魔法なら法衣と札術のセットこそが至高"
"《鈴木千佳》レイナをやらしい目で見る人いたら、ひとり残らずブロックするので、そのつもりでおってな"
俄然、いつも以上に加速するコメント欄。
"水着で探索とか、探索を舐め腐ってるでしょ。だからダンチューバーとか嫌いなんだよ"
"お? ニワカか?"
"今の時代に、レイナチャンネル知らないってマジ?"
"わい、中層を彷徨う探索者やけど、最強装備がビキニが最先端装備な話する?"
"↑ ↑探索者ネキ、魂の叫び!"
"残念、ただのむさいオッサンやぞ"
"誰得で草"
"魔導伝導率考えると、ビキニって理にかなってるんやぞとマジレスしてみる"
"水着専の凄腕鍛冶師とか、結構多いしな"
"奴らは、趣味と実益を兼ねた探求者やからな"
いつにもまして加速しているコメント欄。
(そういえば軍曹も、スペックを優先するか。プライドを優先するか――スペックを優先するなら、早いこと覚悟を決めておけって言ってましたね――)
ふと授業の一コマを思い出す私。
私が、ダンジョン探索者の装備事情をおもんばかっていると、
"それでスペックは?"
"確かに気になる!"
"ただの水着じゃないだろうしなw"
そう急かされ、私は同封されていた説明書を開く。
「ちなみに提供者は――シルクスパイダーのレアドロップをベースに、対呪の紋章を刻み込んで、仕上げにはマナを通りやすいように調整した魔術性能に特化したテトラポッド株式会社さんの一品でした!」
「右に同じくッス!」
"おおおお! ガチでテトラポッドのサンプルもらったんかw"
"アルテマ・メモリーズとか、お得意様だったよな"
"たしかそう。最大手ギルドにしか降ろさないって定評なのに!"
探索者の間では有名らしく、俄然、盛り上がるコメント欄。
だとしても、
"スペック、魔力特化装備で草"
"そら流石に水着じゃ、物理アシストは無理よ"
"絶対、配信で水着着てほしかっただけでしょこれww"
「私も思いました! 魔法、使えません! 詠唱――絶対に覚えられません! 残念ですが――次に行きます!」
一品目から、予想外のものが飛び出しびっくりしつつも、
(たまには、こういうのも楽しいですね!)
私は、次の装備品をダンボールから引っ張りだすのだった。
「次は――ジャーン!」
「これは……、なんッスか?」
「えっと、チェーンソー?」
「みたいですね。武器としては随分とマニアックなような……」
次に私が取り出したのは、一メートルほどはありそうな巨大なチェーンソーである。
"やっぱりメイドといえばチェーンソーよな!"
"また業が深そうな武器出てきて草"
"やめてさしあげろw 本人、一応癒やしを目指してるんやぞ"
"BGMだけ未だにヒーリング曲ながれてるの本当に草"
頭にハテナを浮かべる私をよそに、コメント欄はまた大盛りあがり。
ポチッ
私が電源を入れると、ウィーンと怪しげな音とともに振動を始め、
「格好いいッスね、それ!」
「うん。迫力あるね!」
「レイナ様、それ使うッスか?」
「どうしよう。とりあえず、試し切りしてみるね!」
私は壁に向かって歩き、
「えいっ!」
壁に向かって、勢いよく振り下ろす。
ブーンと勢いよく唸り声をあげていたチェーンソーであったが、
パキーン!
そんな断末魔の悲鳴のような音とともに、真っ二つに折れてしまい、私は思わず凍りつく。
(やばっ! ……調子、悪かったのかな?)
「…………次、試します!」
制作者の名誉のため、作成者の名前を伏せることに決める私。
"とんでもない音したけど!?"
"いや、破片が壁に突き刺さってるw 突き刺さってるw"
"どんなスピードで振るえば、そうなるのw"
"そうはならんやろ!"
"↑↑なっとるやろがい!!"
"次に破壊される装備はどれだ!?"
「壊しませんよ!?」
そんなやり取りをしながら、私は次の装備品を取り出すのでした。
【お知らせ!】
※ 新作始めました!
悪徳ギルドを追放された原石鑑定士 ~俺だけ十年後の姿が見えるので、誰も見向きもしない未来の英雄へ全財産をつぎ込みます~
https://kakuyomu.jp/works/2912051603924588145
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