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闇色の公子(最終稿)  作者: と〜や
第六章 闇色の公子
39/48

6-2

 ファーデスもまた眠れずに起きていた。

 寝巻に着替えるでもなく、宴の装いのそのままで、深々とベッドに腰掛けている。が、その目はいつになく真剣そのものだ。

 すでにピラカが自室に引きこもっていることを彼は知っていた。そしておそらく今頃準備を進め、時を待っているだろうことも。

 部屋から決して出るな、といわれていた。だが、どうして落ち着いて寝ていられようか? 父がピラカによって殺されることを知りながら。

 ピラカの言うことはもっともだとわかっている。自分にとって最もよい方法を選んだということも。だが、それによってピラカ自身がかぶる罪はとてつもなく大きいものである。

 そしてまた、それが彼自身の望みであることも。その結果がどういうことになるかも。

 彼の言ったとおり自分の身を案じて、最も安全なところから黙って見ているか、それともピラカ自身を守るか。

 その選択は、ひどくつらいものに思えた。王冠を取るか、友を取るか。

 かつてフィディアス王は王冠を取り、フィラディア三世は愛を取った。

 自分はどちらを取るべきだろう。それを相談したいピラカはいない。これが、王たるべき者の孤独なのかもしれない。最終決断はお前がするのだ、と。

 自分に父を殺せるだろうか、と自問自答してみる。乳を、この手にかけることができようか。

 それこそが、今まで夢に描いてきたことではなかったか。

 母の無念を伝えるため、自分の苦しみを味合わせるため。そのために十七年の時を経てこの星に舞い降りたのだ。

 少年は立ち上がった。

 迷いはしない。自分で、この決着をつけるのだ。

 自分のたくらみの結末は自分でつけてやる。

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