ダンジョン攻略9階層から12階層
昨日一気に七話投稿しましたが、しばらくは毎日一話づつ投稿していこうと思っています。
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8ダンジョン攻略9階層から12階層
朝起きたら僕は、ベッドの下だった。
毛足の長い絨毯を敷いているので、別に体が痛いことはなかったんだけど、ジルベールに遠慮して隅っこに行きすぎたのかな?
起き上がって、ジルベールを見ると、ベッドの反対側で丸くなってる。
ちょっと寝相が笑える。
腕に巻きついていた九十九様をキッチンの前のカウンターに外して挨拶する。
「九十九様、おはようございます。」
一度、キラッと光ったと思ったら、いつもの刀の姿に変わった。
「おはよう、蒼。昨日備えてもらった鉱石たちだが、どれもなかなかの品質だった。刀の質も数段上がっているぞ。」
「え?もう取り込んでるんですか?仕事早すぎ男です。」
「そうかのう。普通じゃ普通」
ケトルに水を入れてコンロにかける。その間にコーヒーの支度をする。今日はジルベールも飲むかもしれないからいつもの2倍強の粉をセットする。
レタスをちぎって、水に浸しておく。トマトを切って、水切りしたレタスと一緒に器にもる。パンをトースターに入れて、フライパンに卵とベーコンを入れて蓋をする。
お湯が沸いたので、お湯を少しづつ注いでいく。待っている間に、オリーブオイル、塩、胡椒、リンゴ酢を混ぜてドレッシングを作ると、サラダにかける。
2回目のお湯をコーヒードリッパーに注ぎ込んで、トーストにバターを乗せて、ベーコンエッグはお皿に盛る。
そうこうしてると、目をこすりながらジルベールが起きてくる。
昨日は、クローゼットの中から着れそうな、Tシャツとスウェットを選んだけど。ジルベールの服って別に用意しないといけないよね。神様に用意してもらってるものはありがたく使うとして、これから先は、自分たちで用意していかないと。
「おはよう。蒼早起きだね。」
「おはよう、ジルベール。よく眠れた?ちょうどご飯できたところだから、一緒に食べれる。」
「うん。」
「顔洗ってくれば?洗面所はあそこだよ。」
「わかった。」
洗面所に向かうジルベールに忘れてたことを言う。
「服なんだけどクローゼットの中から適当に取ってくれる?」
「うんわかった。でもさ、服も再現することはできるんだ。なんで、なくても、スライムから変身する時に服も一緒に作るよ。」
「そうなんだ。便利だね。じゃあ服は任せるよ」
洗面所へ行くジルベールを見送ると、テーブルの上にマットを敷いて、配膳する。ブルーベリージャムをセットしたところで、ジルベールが帰ってきた。
「うわ、美味しそう。いただきます。」
「はい、いただきます」
朝から旺盛な食欲。
「おかわりあるから、必要なら言ってね。あ、それからジルベールって個室が欲しい?ベッドも作ろうと思ってるんだけど、掛け布団をどうやって手に入れようかって考えてて。ここにあるもの、神様からのプレゼントなんだ。足りないものは買いに行かないといけないんだけど、まだお金もないし、常識もないし、ってことでしばらくダンジョンで素材回収とクラフトして、街の冒険者ギルドか商業ギルドで登録して、買取してもらって生計立てようかなって考えてる。ジルベールもそれでいい?」
「うん、それでいいよ。家族はまだ生きてるだろうけど、人間じゃないし、今更王子に戻ってもさ、窮屈なだけで、いいこと無さそうだしさ。政略結婚のコマに使われるのがオチだろうし。だったら俺は蒼と一緒に暮らす方がいい。」
何気なくいったことなんだろうけど、なんかやけに嬉しい。でも、あんまり喜んでることバレたくなくて冷静を装って
「そっか。まあ、手間はかかるけど、一人より二人の方が便利だし。九十九様はいてくれるけど、友達が一緒にいてくれるのは心強いよ。ありがとう。」
にこって笑ってご飯を食べ始める。
「今日は何をするんだ?」
「うん、さっきも言ったみたいにしばらくはダンジョン攻略とクラフト。今日は9階から12階ぐらいまでいけたら嬉しいな。今日はジルベールの戦闘訓練も兼ねてるから、よろしくね」
「俺の強さを見せてやる。」
ってガッツポーズ。ねえ、ほんとに王子だったの?
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そうして、ダンジョン9階。
このフロアーは足元が悪い沼地が広がっている。ジャイアントトードはじめ、蛙の魔物がでた。気持ち悪い。さっきから長い舌をこっちの方に飛ばしてきて、丸呑みにしようとしてくるんだけど、1匹だけに集中してると、いろんな方向から飛んできて鬱陶しいので、バリアーを貼る。いや、あんなの簡単に刀で切れるけど、あんな汚いもの九十九様を使うべきじゃない。
「いやいや、蒼、そんなこと言ってると剣が使えなくなるぞ。わしのことは遠慮せず使いまくれ」
「九十九様〜」
いやありがたいけどさ。舌攻撃が通じないとわかると今度は毒を飛ばしてくる。なんかツバを履き替えられてる気がする。それによくみたら、ヌメヌメした肌の穴からもなんか飛んできてるーーーーー。許さん。
「いや、蒼その顔。なんか俺たちおんなじようなこと考えてんだと思うぞ。ここは俺が行くぞ」
そういうと一声
『サンダー』
雷をちょっと強めに飛ばして、一気に方をつける。硬直して動けなくなったカエルたちに僕が次の魔法を放つ
『ウインドチョッパー』
竜巻の中の取り込まれて、無数の刃でクズクズにされたようだ。あとはダンジョンが吸収してくれるでしょう。
『索敵』
このフロアーにはもう魔物はいないみたい。沼鉄鋼と泥炭がある。ウイスキー作る時や、使い道は色々あるよね。
あと、ベリーがあるらしい。イグサもあるみたいだ。畳の材料になる。
水苔も薬作りに役立ちそうだ。
結局、靴が汚れるのが嫌でずーっと浮いたまま次のフロアーへの階段があるところまで来た。
ジルベールが、
「最初空中に浮いたまま仕留めるって蒼が言った時、何言ってるのって思ったけど。今ならそれが最高の言葉だったってわかる。こういう場所があるとなったら、長靴、もしくはブーツは、絶対いるね。負けるとは思わないけど、汚物と戦うのってやっぱり厳しいな」
「絶対普通の冒険者が見たら怒るよね。冒険者舐めんなって言われそう。でもね無理。こんなの相手なんて無理だよ。」
「だな。次行こう」
「うん。」
階段を降りると、10階層に到着したが、そこは乾いた大地と目前に左右に遥かに続く切り立った崖。そこにヤギの魔物がひしめいていた。次の階段が崖の上にあるから、あの足場の悪いところで戦闘して上に上がらないといけないってことか。魔物だから草食じゃないね、さっきからこっちを見てるのは餌が来たって思ってるってことね。一般人には絶望のフロアーだろうけど、僕らにとってはどうでもいい。
「ねえ、ジルベール、あの魔物って殺して何か得がある?」
「何言ってんのさ。あのヤギ多分最高級品の毛糸が作れるやつだよ。前世でもモヘヤのセーターってすげえ高かったじゃん?」
「うち、貧乏だったから知らんもん。」
「皮も高級品だったし、ヤギミルクはそのまま飲んでも、チーズに加工してもいいし、肉も食べられていたような。俺は食ったことなかったな。ヤギの内臓や骨が素材として使えたような。」
「一つ実験したいんだけど、ダンジョンの魔物ってさスタンピードがあるんだからダンジョンから外に出ても生きていられるわけでしょ。じゃあ外で増やせたら、ずっと、ミルクと毛が取れるってことじゃない?」
「ああ、牧場を開こうってことね。でもあいつら人食うぜ。草なんか食わねえはず。」
「ああ、そうか。そこが盲点だった。わかった。全滅させよう。」
『アースクエイク』
目の前の崖限定で、強力な地震を起こす。すると、上から、どんどん下にやぎは落ちてきて、自動的に素材に変わっていく。今、見えるところだと、大きな牛乳瓶に入ったミルク、革、毛糸、骨、小瓶に入った何か、がゴロゴロ落ちている。
『鑑定』
小さな小瓶を鑑定してみる。するとヤギの胆汁と胃石と書いていた。薬やポーションの材料になるらしい。
『収納』
アイテムボックスに全て収納する。
『索敵』
魔物は全て片付いたみたいだけど、素材は、高山樹脂・ローズマリー・崖サボテン。あと、素材として岩塩が、それもピンク岩塩が取れるらしい。嬉しい。
素材のある場所はわかったので、全部取り出していく。琥珀は松科、杉科、豆科の樹脂が数千万年かけて化石化したもの。化石化したものと、してないもの両方取れて嬉しい。
マジックブックを開いて確認してみると、樹脂は、燃やすこともできるし、加工して透明度の高い装飾品の材料にすることもできる、鎧などの強度を高める働きがある。ローズマリーは大量の精油が取れる。薬として、ヘアケア製品、マッサージオイルなどに非常に効果的だ。崖サボテンは、保水効果の高い内部と表面の棘は麻痺毒を持った棘で武器に使うと効果的。
素材の収集も終わったので、『フライ』で崖の上に登ってジルベールを振り返ると、僕の影の中から出てきた。
『影渡』ってほんとに便利。
崖の上には、何もない。ただ乾燥した、平らな土地だけ。トマト畑にしたい。
しばらく歩いていくと、大きな滑り台のようなものが出てきた。階段を登って下を見ると青い空が広がっている。
「ねえジルベール、次のフロアーってもしかしたら空のステージってことかなあ?怖いけど、滑り降りてみる?」
「うーん。まあ違っても一応飛べるし大丈夫だろう。行ってみよう」
まあ、ここで止まってても仕方ないしね。
ジルベールをスライムの姿に戻して、僕が膝の上に置いて、滑り降りる。するとスーッと空を飛んで雲の上にポトンと降りた。11階層は空が舞台のようだ。
「へー、とってもファンタジーな作り。雲の形をした乗り物ってことなのね。ほんで敵キャラはっと」
『索敵』
うーん、結構な数がこの先に群れになっている。
《ジャイアントクロー》が親玉なのね。カラスだから小賢しいのか。あーめんどくさい。
「ねえ、でっかいカラスだって」
「あれ、ほんとにやだよな。でもさ、確かあいつら光るものを集める性質があったじゃん、もしかしたらお宝いっぱい隠してるかもよ。」
「そうだ。そうだったね。僕は、あいつらに昼飯を取られたことも、あるからな。許さぬ。」
そう言いながら魔法の準備をしていると、一斉にてんで違う方向へ逃げ出した。『トルネード』を察知したんだろう。
「あいつら飛び込んでくるよ。」
『風弾』
まとめられないから、まずはすでに近づいているカラスに対処しないといけないので、『風弾』を打つ。バサバサと数十話が落ちていくがその隙間を縫って攻撃してくるものもいる。
『酸弾』
そんなカラスに、スライム型のジルベールが強力な酸の弾丸を叩き込む。
溶けながら落ちていく、見栄えは悪いね。
「これだと、僕らが疲れてやられちゃう。」
ジルベールの声に余裕がなくなってきた。要はあいつらが別々の方に逃げるのが問題で固まれば対処可能ということはあれがいける。
『ブラックホール』
対象をカラスだけに限定したブラックホールを開ける。たちまち吸い込まれていき、最後のでっかいのも黒い穴に消えていった。バイバイ
ブラックホールを閉じて、奴らのいた浮島に上がる。
『索敵』
卵以外もうカラスはいないみたいだ。一応念のためにカラスにファイヤーボールを投げておく。
ここをまっすぐ進んだところに、さまざまな鉱物反応のある穴がある。
歩いてそこに向かっていると、それは光り物で埋め尽くされた巨大な穴。
ここにあるやつだけで、僕もジルベールも何回も人生を終えられそう。
アイテムボックスに全部吸い込むと、吸い込んだものリストの中で、一つ気になるものが
《飛行石》
一つ目の前に取り出してみると、淡く光りながら宙に浮かんでいる。
「九十九様、この石を取り囲むようにブレスレットになれますか?」
「ブレスレット型の刃物になら可能だ。」
そうやって、素敵なブレスになると僕の腕に巻き付く。
すると風魔法を発動していないのに、体が浮き上がる。魔力を流す量を変えることで、浮力の調整ができる。すごい。
「ジルベール見て、九十九様浮いてます。僕魔法使ってないのに。すごい石だね。」
「これは、全く想像もしてなかった、拾い物だ。やったな」
「うん。九十九様、もう大丈夫です。刀に戻ってください。この飛行石を使って、作りたかった空飛ぶ乗り物が作れるかもしれません。楽しみ。」
「そうか。わかった。それにしてもわしもそんな石初めてみたぞ。」
「倒したカラスの素材拾えなかったけど、光り物だけでお釣りがくる上がりだね。」
「初めて特典もあるかも。長い間かけて集めただろうから。」
この階層には、他の浮島を辿っていけば、いろいろ鉱物はあるんだけど、12階への連絡通路が目の前のゲートのようなので、次の階層に急ごうと思う。
「ジルベール、次に行こうと思うけどいいかな?」
「ああ、構わないよ。」
なので、ジルベールは人型になって、二人で転移ゲートの中に入った。霧の中をしばらく歩くと、そこが森の中だということに気づく。12階層は森かあ。
『索敵』
そう言って、魔法を放った瞬間だった。何か太くて長いものが飛んできた。
ジルベールの右手首に巻き付いた後、胴体にも巻きつき宙に浮かし木の方へひっぱっていく。すぐに刀を抜いた蒼は、ジルベールに巻き付いた二本の太い枝を切り捨てると、その木の幹に『風弾』を放ち大きな穴を開ける。
索敵の結果は、周りに敵だらけ。ここの木が全て魔物だということ。
「ジルベール大丈夫?周り全部魔物だ。」
「大丈夫だ。」
と言いながらジルベールも『ウィンドカッター』で、周りの木を切り刻んでいく。しかし切り刻まれた枝葉はすぐに復活している。
『マジックブック』
「木の魔物の弱点はどこ?」
「幹の表面に浮かんだ顔を潰す。酸性雨を降らす。水を絶つ。火で燃やす。です」
「ありがとう。」
マジックブックに異例を言って、素早く木に向かっていくと、顔に向かって火魔法を連続で打っていく。最前列の魔者全部やっつけてからジルベールに声をかける。
「ジルベール。これからウォーターボールを作るから、そこに激しく濃い酸を溶かしてくれる?」
「了解。」
二人で上空に上がる、僕は巨大なウォーターボールを作る。そこにスライム型のジルベールが強力な酸を加えていく。
『アシッドレインストロング』
強力な酸性雨を降らしていく。みるみるうちに青い葉っぱは地面に落ちていき、魔物たちの動きが鈍っていった。
『ファイヤーストーム』
強烈な燃えている嵐をぶつけていく。魔物のいたあたりは広大な禿山に。
「ダンジョンでやってるからいいけど、外じゃ気をつけないとな」
「だね。まあ、練習だよ。試して確認して次に活かそ。なんか地面に落ちてる。拾いに行こう」
そう言って、ドロップ品を拾っていく。
いろいろな植物の枝や種とは別にファンタジーなスペシャルドロップもあった。
《エルダートレントの枝》
《トレントの幹》
《マンドラゴラの根》
《桜女王の種》
《梅の木の精の衣》
《仙桃》
《月光草》
どんなものか想像もつかないものも出てきたけど、これは後で調べればいいか。
探索の結果この階にはミスリルと銀、ラピスラズリ・グラファイトがあった。初めてファンタジー金属ゲット。マジックブックで何に使えるか調べないと。魔物でない木では、椿・蜜柑・檜をみつけた。外の世界でも根付いてくれるかな?それから宝箱の反応が。
「ジルベール、あっちにさあ、宝箱があるみたい。6階層以来だ。ちょっと嬉しいね。」
「そっか。それはいいな。俺が開けても構わない?」
「うん。もちろん。」
しばらく行くと、壁の前にポツンと宝箱が。珍しく、質素な木の箱だった。
ジルベールが開けると、そこには一枚の板が置いてあった。ジルベールがとり出すと、ブーンと画面が立ち上がり、新暦586年10月4日16:20
と書いてあった。
「あっ時計だ。嬉しい。これで何時かわかるようになるね。今日は結構な収穫があったな。九十九様今夜も色々金属お供えしますよ。」
「おお、そりゃ嬉しいな。」
ジルベールは、手の中の時計に何か引っかかったのだが、それが何か分からず、考えるのを放棄した。
「それにしても、ほんとに太っ腹な、ダンジョンだよな。今日はどうする?帰るか?」
「うん、帰って、今日ゲットしたものの整理とクラフトで作りたいものがあるんだ。だから、うちに帰るので構わない?」
「問題ないよ」
というわけで今日のダンジョン攻略はおしまい。
疲れたなあ。早くご飯食べて寝ようっと。




