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僕の罰は神様のお手伝い  作者: Gel
神の使徒誕生

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裁きの間

2裁きの間


目を覚ますと、何もない空間に倒れていた。

床とか天井とか壁とか境界線が何もなくて、ただ白い虚な空間が広がっていた。

「僕は死んだのか?ここはあの世?」

思わず呟いた問いかけに答えるものは誰もいなくて。


「あいつを殺したことはこれっぽちも後悔していないけど、地獄に送られて苦しいのは嫌だな。でも、

やったことは変えられないし」


少しブルーになりながら立ち上がった。

すると、銀髪に白い衣を着た綺麗な女の人が玉座のような豪華な椅子に座って現れた。厳しい顔をした美人なお姉さんが口をひらく。


「私は法と正義の神テミス。あなたは、相澤蒼ですね。死ぬ前のことは覚えていますか?」

そう問われたので


「はい、私は相澤蒼でした。私は自分の父と情婦を刺し殺しました。それに、大好きな、本当に大好きなばあちゃんのことも殺したようなものです。」


込み上げてきた涙を抑えられず必死で声を殺して泣いていた。

すると、立ち上がったテミス様はそっと僕のそばに来て、肩を優しく撫でながら

「あなたの人生をすべて見ました。辛かったですね。それからごめんなさい。あなたに過分な重荷を背負わせてしまって。」

と言ってくれた。

悪いことをしたのは僕なのに、どうして女神様が謝るのだろう。




「あなたの善良な魂を汚すために、あえて悲惨な人生をあなたに歩ませるように仕組んだ神がいたのです。あなたは人を殺しました。でも、あなたの心には今でも優しさと正義感がなくなっていません。私はそれが嬉しい。」


そうだったんだ。そう言われると、そんな気もするな。だって少しいいように進めと必ずもっと悲惨な目に遭わされてきたから。でも、最後はそれに勝てないで、あいつらを殺してしまった。負けたんだな。くそ。


すると僕の後ろから紺色の髪をした別の女神様が出てきて言葉を続ける。


「私は輪廻と転生を司る神カリス。変に手を加えられた魂を地球の輪廻の輪に戻すわけにはいかないの。あなたの魂には償いと癒しが必要なの。故に地球で生まれ変わることはできません。そして、異世界にそのまま転生させることもできません。故に、私たちの眷属として、管理している世界の成長のために働いてもらうこととします。あなたはアリアーノという世界にハイヒューマンとして転生し、神の眷属として、世界の平和と安寧、そして発展を導く役割を担ってもらいます。」


全く想像もしていなかった言葉が出て、


「ちょっと待ってください。僕は、ただの大学生でそんな大きな責任というか、役割を果たせるとは思えません。」

とおもわず叫んでいた。


すると、女神テミスの後ろから、今度は桃色の髪の女神が現れて、僕に向かって微笑みながら


「私は愛と慈悲の神ナリス。蒼、あなたは両親の愛には恵まれなかったけど、祖父母や周りの人の愛に育まれて、あなたも彼らに十分愛を返していた。そして、あなたはいつも公正で慈悲深かった。あなた自身がこんなにも悲惨な毎日を過ごしていたのに、あなたは多くの人を助けてきた。あなたのその性質はアリアーノで今最も必要とされていることなの。」


そう言って隣にいる緑色の髪の女神に微笑むと


「私は大地と豊穣の神ワムス。世界の繁栄と幸せは、そこに生きるものたちを愛し、敬い、助け合う心がなければ成し得ない。枯れた大地を豊穣の地に導くのは、そのような者でないといけないの。今アリアーノは大厄災でほとんどの文明が滅びて少しづつ回復しているところ。同じ過ちを繰り返さないためにも世界への介入は避けられない。でも私たち管理神は直接下界に手を出せないの」


最後に水色の髪をした女神が


「ただ生きるのではなく、命が輝く世界でなければ生きるということにはならないの。蒼ならこの言葉の意味わかるでしょう。私は水と命を司る女神ミヌス。水は命を繋ぐのに絶対必要だけど、水だけでは生きられないの。難しく考える必要はないわ。あなたは思うがままに、生きればいい。その時、人助けしたり、物足りないものを補ったり、より良いものを提案したり、逆に支えてもらって、守ってもらって、全ての命を大切に生きてもらえれば。あなたが快適で素敵だと思う世界は、私たちにとっても理想の世界だから」


5柱の神様の言葉に圧倒されてなんと返事をすればいいか迷ったけど、それが僕の罪に対する罰だというのなら甘んじて受けなければいけない。それが甘いのか、きついのかはわからないけどね。


「わかりました。僕に何ができるかわかりませんが、女神様方のお言葉に従います。」

と答える。


「あなたが暮らしに困らない加護とスキル、その使い方などはこのマジックバッグの中のマジックブックに書いてあるわ。あなたの新しい人生に祝福を」


そう言って微笑んでくださった女神様方にさようならっていうと、体が落ちていく感覚に包まれてプツンと意識を失った。


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