制裁へ向けての会議をした
おそらく義兄様は隠れて話を聞いていたのだろう。
突如として現れた義兄様が目をギラギラ輝かせている。
「悪いな。ジュリが心配だったもんでずっと聞いてしまった。まさかこんな事態になっていたとはな!」
義兄様が珍しく怒っている。
「身勝手な行動でジュリを傷つけ、終いには倒れるまでに至らせた行為。おまけに不倫ときたら許せるはずがありません! どうかここは俺も制裁への参加を!」
「いや……お前が加わってしまうと……」
お父様はとても心配そうな表情をしていた。
「大丈夫です! 法の範囲で行いますから! 殺しはしませんよ。死んだ方がマシって思わせるだけです」
お父様が心配するのもわかる気がしてきた。
そういえば義兄様は、私のことになるとやたらと怒ることが多かった。
小さい頃は、私が遊んでいたオモチャを近所のいじめっ子に奪われてしまったときは、その後が悲惨な光景になっていたっけ。
「それだけジュリアを苦しめた行為を怒っているのだな。まぁ今回俺は止める気もないが」
「徹底的に調べ上げ、徹底的に後悔させてやりましょうぜ!!」
いつになく真剣な表情をする義兄様。
釣られてお父様まで目がギラギラしてきてなんだか怖い。
私としては離婚さえ成立して元の生活に戻れれば良いんだけれど。
とはいえ、死にそうになるほど苦しめられ悩まされてきたのも事実。
二人を止めようとする気持ちは出てこなかった。
「ところでベルベットさんの件は?」
「あぁ、あの女、以前俺の所有する使用人付きの物件で、使用人として見習いから働かせていたのだよ」
まさか使用人経験者だったとは驚きである。
「仕事がまるでできていなかった。まぁ仕事に関しては失敗から学び、経験を積めば良いと思う」
「お父様はゼロから学ぶ喜びを沢山の人たちに教えていましたものね」
「あぁ。だが彼女は傲慢な態度であり無能。おまけにそこに住んでいた者の金銭を持ち出し賭博行為を行なっていたのでな、解雇した」
まさか犯罪行為までしていたとは……。
お父様がベルベットさんのことも制裁すると言っていた意味がよくわかった。
「本来ならば警備兵に突き出すところなのだが、そこに住んでいた者からは解雇と慰謝料だけもらえれば良いと言われたのだ。使用人として雇ったのはこちら側に非があるので、エイプリル家から慰謝料と持ち出した金銭は全てお返しをして、あの女から全ての財産徴収及び永久解雇として街に放ったのだよ」
そこを何も知らずにザーガルが助けたということか。
ザーガルはむしろ騙されていた?
もしくは知ってて連れてきた?
色々な推測ができるけど、ザーガル……、なんてことをしてくれたのだ。




