7「聖力についてです」②
「あー、気を取り直して話をしましょう。先日、サムが目の当たりにした神聖ディザイア国枢機卿カリアン・ショーンが使った聖術、および聖力に関してお話をしましょう。と言っても、僕もさほど知っているわけではないんですが、あくまでも参考までに」
そう前置きをして友也が話し始めた。
「カリアン・ショーンも言っていたように、神聖ディザイア国に仕える者たちは、魔力を捧げる代わりに聖力をもらい受けます」
「……あの、質問よろしいですか?」
「どうぞ、アリシアさん」
「聖力はどなたにもらうのでしょうか?」
「さあ? 僕もぜひ知りたいところです。あくまでも、魔力を捧げ、聖力をもらい受ける儀式か、仕組みかなにかがあるようです」
アリシアの疑問に対しての答えを友也は持っていなかった。
「ダフネ、君はなにかご存知ですか?」
サムの背後に控えているメイドに友也が尋ねるが、彼女は首を横に振った。
「残念ですが、私も遠藤友也様と同じく、ただ魔力を捧げ、聖力をもらい受ける、とだけしか存じません」
「という具合で、我々魔族にさえ不明な点が多いんです」
「つまり、何もわからないってことか?」
「いえ、違いますよ、サム。聖力は僕たちにしてみたら魔力です。聖術は、魔法だと考えてください。これだけなら力だけが違う、人間の生み出した技術、と思うんでしょうが、聖力そのものが魔族にとって毒です」
サムの脳裏には魔王オーウェンの配下が、カリアンの聖力を撃たれたことで白い炎を吹き出して絶命したことが浮かぶ。
カリアン自身が、あれほどの効果が起きるのは対象を実験体にしていたからだと言っていたが、その真偽は実際にくらってみないとわからない。もちろん、リスクを抱えてわざわざ聖術をくらったりはしないが。
「人間を相手にした場合、魔力の放出や、魔法を使われたと同じような効果があるでしょう。魔法使いにとっては、魔力を相殺してしまう力なので魔力量の勝負になるでしょうね」
「人間に無害ってわけじゃないんだね」
「残念ながら、はい。人間にとっての魔法のようだと考えてください。ただし、属性は決まっています。あくまでも人間の場合ですが聖術は、光属性の魔法です。これが魔族だとひどい目に遭いますけどね」
光属性魔法が魔族に特別な効果があるわけではない。
サムも光属性魔法は使えるし、魔王になってからも問題ない。むしろ、出力が上がったくらいだ。
「なぜ聖力が魔族に毒なのか、わかりません。しかし、僕たちは長い時間を費やして聖術への対策を考えました」
「対策があるんだ?」
「もちろんです」
にこり、と微笑み友也が言った。
「――闇を極めることです」
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