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6「聖力についてです」①





「なにを言っている? 大事な話ではないか」

「そうなんですけど!」


 ジョナサンの切り替えにサムたちがついていけない。

 しかし、話ができるなら話をしておかなければならないことなので、このまま続けさせてもらうことにした。


「すでに陛下からお聞きになっていると思うが、サムが魔王レプシー殿を倒してから、どう情報が伝わったのか不明だが、国に招きたいという打診があった」

「はい。聞いています」

「我が国に昔からある教会は、神聖ディザイア国には無関係だ。言い方が悪いが、人間には祈る場所が必要なのだ。ついでに祭事を行う場にもちょうどいい」

「……信仰心のかけらもないから、女神エヴァンジェリンが根づいちゃったんですね」

「それもあるだろう。女神エヴァンジェリン様といえば、懐妊のきっかけはあのお方だ」

「はい?」

「どうやら私のことを少々誤解なされていたようでな。スカイ王家の人間ならビンビンが喜ぶんだろう、とご本人は我が家に遊びくることへのお礼のつもりだったようだが……持て余すほどのビンビンはいらんのだよ! 誤解が解けたので呪いは解いていただいたが、発散しきれないビンビンというのもある意味辛いものだ!」

「――こほん。あなた、娘たちの前です」

「おっと失礼した」


 子供ができたことが嬉しいのはわかるが、今日のジョナサンは少々テンション高めだった。

 グレイスが嗜め、咳払いをするが、リーゼとアリシアは一部とはいえ両親の夜の営みの話を聞いて気まずい顔をしている。

 ギュンターでさえ、「おじさまが陛下みたいになってしまった」と困惑気味だ。


「話を戻すが、教会経由でサムを調べてほしいと言ってきたそうだ。他にも、女性の好みなども聞かれたようなので、おそらくサムを取り込むつもりだったのだろう。幸い、神父様は神聖ディザイア国と関係がなかったのでやんわりことわってくださったようだが……それ以降、音沙汰はないらしい」

「陛下も言っていましたけど、俺を対魔族の戦力として取り込む気満々みたいでしたね」

「まさか向こうも、取り込みたいサムが吸血鬼に、そして魔王に至ってしまうとは夢にも思わなかっただろうがな」

「でしょうね。ざまあみろって感じです」


 ジョナサンが神聖ディザイア国に関しての情報はこのくらいのようだ。

 クライドから教えてもらったこともそうだが、どうやら神聖ディザイア国はレプシーを倒せたサムを引き抜きたかったと思われる。

 無論、サムとしては人間以外は全部敵と言い切るようなおっかない連中と関わるつもりはない。


「ウォーカー伯爵、貴重なお話をどうもありがとうございました。では、僕もお話をしましょう。――聖力についてです」

「ふむ。私も聖力については知らないのでお聞かせ願いたい。神聖ディザイア国が独自の魔法を使うと聞いていたが」

「おそらく聖力のことでしょう」


 サムたちに緊張が走る。


「――先ほどから、性力だか精力だか知らないが、サムを拐かそうとしていた国はどれだけ変態国家なのかね! そんな破廉恥な国と関わってはいけないよ、サム。なに、変態の相手は変態魔王がすればいいのだよ!」

「だから! 性力じゃなくて聖力って言ってるでしょう! ちょっとくらい真面目な話をさせてくれませんかねぇ!?」


 ギュンターの、彼らしい発言のせいでサムたちが脱力する。

 緊張をほぐすための言動であれば、素晴らしい効果だが、間違いなく何も考えていないだろう。


「……いいだろう。話したまえ。しかし、いやらしい話をしようとしたら、僕が怒るよ。おこだよ」

「怒りたいのはこっちだよ!」

「いいから早くしたまえ」

「――このやろう!」


 血圧が上がりすぎて倒れるのではないかと不安になるほど真っ赤な顔をした友也に、ギュンターは早く話せと促し、より怒りを買うのだった。






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