45「女性陣の集いです」④
「私からも質問をしてもいいだろうか?」
「もちろんです、ゾーイ」
小さく手をあげたゾーイが、頬を赤くしながら問いかけた。
「サムとの関係を進めることはいいのだが、なぜ今なのだろうか?」
ゾーイは冷静に訪ねた。
「はい。まず、まだ私たちがサムとのあれこれができないのです」
子供たちにはそれぞれ乳母がついているが、リーゼをはじめ、王女のステラであっても我が子が可愛くてたまらないのでできることは自分でしてあげている。
もともと情が深い女性たちだ。
我が子を自分で育てたいと思うのは自然のことだった。
貴族の女性の大半が乳母に任せているし、丸投げする方もいる。それを悪いとは言わないし、乳母に任せている女性たちが子供に愛情がないわけではない。
リーゼたちがそうしたい、それだけのことだ。
ただ、忙しい日々を送ることになってしまうのは仕方がないことだった。
乳をあげ、寝かしつけ、おむつを変え、お風呂に入れて、あやし、遊ぶ。
自身のトイレは風呂、食事の時間は乳母に診てもらっているが、眠る時も一緒に寝ているし、夜中に泣けば起きて対処もしている。
リーゼたちも二人目の子供は欲しいが、なかなかその時間を作ることができないのだ。
他ならぬ、サムが日夜子供の世話をするリーゼたちを気遣っているし、またサム自身も子供の面倒を積極的に見てくれるので、その時間が幸せで満足してしまってもいる。
唯一、肉体関係がある綾音も、毎日はできないし腰が限界だ。
「綾音っちの腰も限界ですが、まだ私たちも参戦できません。ならば、サムを愛するゾーイたちにぜひにと!」
「…………私は男ではないからわからんのだが、男はそんなに我慢ができないものなのだろうか?」
「そういうわけではないのですが、サムはそういう時ではないとなかなか甘えてくれないのです」
「ふむ。何かと多忙で疲れが溜まっているサムを癒してあげたいという気持ちが一番のようだな」
「――はい」
ゾーイたちの会話を聞いていたクリーが「ぎゅんぎゅん様は毎日搾り取っても平然としていらっしゃるのに、サムお兄様は毎日ではないのですか!?」と驚愕を浮かべていた。
クリーの言葉を聞いた白雪が、小刻みに震え出してしまった。
「わかった! 私もサムと婚約し、結婚すると決めているのだ。夜の魔王に挑む覚悟もある!」
「さすがゾーイです!」
「だが、その、なんだ。順番的に、ウルが先のほうがいいのではないか? 珍しく静かなんだが」
「……実を言うと、お姉様はこういうお話が苦手でして。あと、サムの大きさに対応するために肉体を成長させるというアンチエイジングの恩恵を犠牲にする覚悟を見せてくださいましたが、言葉を選びますとまだビビっているといいますか」
「……選んでそれか」
全員の視線がウルに向く。
静かだった彼女は真っ赤な顔をして俯いていた。
「ふふふ、微笑ましいね、ウル。君は魔法と戦いばかりの日々だったからね。男性の友人もほぼいなかったので、むしろよくサムと良い関係になったと正直驚いているよ」
ギュンターが困った妹にでも向ける視線でウルを見た。
「ふざけんな! お前が幼い頃から怨霊みたいに憑いていたせいで私は人間関係が得意じゃないんだよ!」
「人のせいにしないでくれたませ! 僕は社交性の塊だよ!」
「嘘つけ! スカイ王国始まって以来の問題児だったくせに!」
「破壊神のウルには言われたくないがね!」
そう。実はまだ、ウルはサムとの関係が全く進んでいなかった。
せっかく肉体を成長させたものの、綾音とサムの夜の格闘技を覗き見してやはり怖気付いてしまっていた。
「サムの名誉にために言っておきますが、挿入れられたからと言って裂けたりしません! そんな日常生活に困る大きさではありません! どちらかといったら体力面の方が大変です!」
リーゼの言葉は、いまいちのサムのフォローになっているかどうかわからなかった。
補足:あとで触れますが、祖母ヘイゼル様や母グレイス様などから、「神々と戦うサムが勝つことを信じているが、戦いには万が一ということがある。婚約者たち、そして結婚の意思がある者たちに後で後悔しないようにしてほしい」と言われているゆえの今回のお話なのです。
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