1「重要な会議です」①
――スカイ王国、王宮。
会議室にて、国を支える公爵家、公爵家、役職を持つ貴族。そして騎士団長、魔術師団長、宮廷魔法使いという錚々たる面々が集まっていた。
「――今日は忙しい中、急だというのによく集まってくれた」
会議を進行するのは、ローガン・イグナーツ公爵だった。
建国時から王家に使え、王位継承権もかつては持っていた重鎮中の重鎮だ。
「この場にいる者はすでに知っていることだが、我々は神々と戦わなければならない」
すべての貴族が知るわけではなく、信頼できるこの場の者だけが神と戦うことを知らされている。
信頼していないわけではないが、もしも神と戦うことを知って神側に着こうと思う人間はいるはずだ。誰もが自分の命、家族の命は大切なのだから。
「敵となる神は、戦神ディーオドール、愛情と戦いの女神ヴァルレイン、そして、その二方が地上に降りてくるために世界の楔を破壊しようとする神々と、女神ヴァルレインの使徒であるマニオン・ラインバッハ」
神々の名以上に、マニオンの名に驚くものがいた。
この場にいる大半の者が宮廷魔法使いサミュエル・シャイトを見た。
マニオン・ランバッハは、サムの血の繋がりこそないが弟だ。
そして、一度はサムと戦いマニオンは亡くなっている。
「疑問はあるだろうが、話を続けさせてもらう。質問は後だ」
そう言ったイグナーツ公爵が話を進めていく。
「まず神との戦いだが、避けられない。愛情と戦いの女神ヴァルレインはまだ会話ができるだろう。だが、女神ヴァルレインの目的は、この世界の唯一にして絶対の神になることだ。しかし、この世界にはすでに愛の女神エヴァンジェリン・アラヒー様がいらっしゃる。どうしても女神ヴァルレインが女神エヴァンジェリン様を排除しようというのなら、戦わなければいけない。我々から信仰を奪う権利は神にはないのだから」
この場にいる大半の者がエヴァンジェリンに世話になっている身だ。
王都に住まう人間や、それこそ他国の者までエヴァンジェリンに人生を救われた者は多い。
女神様を排除するなど許せん、と拳を握りしめて震わせる者もいる。
「続いて、戦神ディーオドールだが、正直厄介だ。行動理由が戦いであり、サミュエル・シャイト宮廷魔法使いとの戦いを望んでいる。この世界を滅ぼすとも公言しており、戦う以外の選択肢はない」
サムは戦神ディーオドールと会ったことがあるが、会話が通じない相手ではない。
だが、それ以上に、相容れない存在である。
戦神を名乗るだけあり、彼は戦いを望んでいるのだ。
「……そして、今回の重要な議題でもあることだが、世界の意思とお会いしたサミュエル・シャイト宮廷魔法使いから、世界の楔のひとつが、我らがクライド・アイル・スカイ国王陛下であると知らされた」
ごくり、と緊張に誰かが唾を飲み込んだ。
「今回、話し合うことは――陛下を守るかどうか、だ」
「そこは普通に守って欲しいのである! むしろ守らないという選択肢があることに私はびっくりしているのであるが!?」
玉座に座り会議の信仰を見守っていたクライドは、議題をしらなかったのか驚き叫んだ。




