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1992/2185

74「帰宅の時間です」①





 フォーン小国にいたスカイ王国の面々は、魔王遠藤友也の転移によってシューレン魔法国に来ていた。

 フォーン小国を侵略していたシューレン魔法国をサムたちが制圧したこと、またフォーン小国内にいる敵となりうる人物をすべて拘束したため、民の安全が確保できたからだ。


「よう、サム。いろいろ大変だったようだな」

「デライトさん、お疲れ様です」

「おう。お互い様だな。いや、サムの方が大変だったんだろうがな」


 ちょうど食事を終えていたデライトが、サムに手を挙げる。

 デライトは明らかに疲れた顔をしている。フォーン小国もフォーン小国で大変だったようだ。


「どうだった、魔法王は?」

「雑魚でしたね」

「だろうなぁ。俺たちが若い頃には、それなりに強い魔法使いだったんだが、訓練や鍛錬という言葉と無縁の国だから、いずれこうなるとは思っていたぜ」


 なんだかんだとシューレン魔法国で一番の魔法の使い手は、グライン・シューレンだろう。


「陛下はどうしている?」

「えっと、ローガン・イグナーツ様に怒られております。ちょっとはっちゃけちゃったので」

「相変わらずだなぁ。まあ、今の陛下の方が、らしいといえばらしいんだがな」

「ははは」

「それで、いろいろ話を聞いたんだが、なんというか、フォーン小国とシューレン魔法国を助けてやるそうだな」

「みたいですね」

「俺は政治には疎いから上手く言えないが、同盟国でもない敵国だった国を助けてやるとか、全くわが国の陛下はお優しいものだ」


 デライトとしては、同盟国であるスノーデン王国ならいざ知らず、敵国であったフォーン小国、シューレン魔法国に対しての援助は少し懐疑的だった。

 デライトでさえこうなのだから、他のスカイ王国の貴族も何色を示す可能性もある。


「その辺は陛下が上手くやるでしょうね」

「ま、俺の感情はさておき、陛下が助けるというのなら、全力で手伝うさ」

「さすがデライトさん」

「なんだよ、それ」


 デライトとサムが苦笑していると、ゾーイが近づいてきた。


「ここにいたのか、サム」

「どうしたの?」

「いや、ローガン・イグナーツ公爵とビンビン陛下がスカイ王国に一度戻るそうだ。なので、綾音を連れて、サムも一度戻るように、とのことだ」

「俺と、綾音さんも?」

「サムは戦いが続いたからな。夜くらいゆっくり家で寝て欲しいとのことだ。安心しろ。私がいるし、エヴァンジェリン、カリアン殿もいる。よほどのことがない限り、戦力的にどうにかされることはないだろう」

「それは、そうだけど」

「綾音は、リーゼに意味深なことを言って心配をかけているからな。問題がないことは変態魔王が言伝ているようだが、本人の無事な姿を直接見せてやった方がリーゼも安心できるだろう」

「そうだね」


 サムはせっかくなのでお言葉に甘えて、転移によって一時帰宅をさせてもらうことになった。






 サムくん「ようやく国に帰れるー!」

 シリアス先輩「シリアスじゃね!?」

 サムくん「なんで!?」

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