22「ゴレ子さんの変化です」②
人の姿になったゴレ子は、十二歳ほどの幼い少女だ。
褐色の肌に、短めの灰色の髪。四肢は細くしなやかだ。
顔立ちはよいが、人形のようで感情を表に出していない。
どこか作られた美しさがあった。
また寒さを感じていないのか、雪の上に裸足で立っており、ワンピース一枚という薄着だ。
「とにかく、服を着ようよ。見ていて寒い」
コートの中にいるメルシーをウルの上着の中に入れると、アイテムボックスから彼女が着ることができるサイズの衣類を取り出し、渡した。
衣類を受け取ったゴレ子は首を傾げた。
「いやいや、服! 服着ようよ! 寒くないの?」
「――ああ。そういうことか。気遣いに感謝する。寒くない」
「そうなの!? こんなに吹雪いているのに!?」
「私は精霊。自然の一部である」
「それはすごい。羨ましいっていうべきなのか迷うかな」
人は暑さ、寒さを感じる生き物だ。
夏は暑いと文句を言うし、冬は寒いと文句を言う。
だが、何も感じないとなると、それは嫌だ。
わがままなんだろうが、季節を感じたいと思ってしまうのは、サムが地球生まれの転生者だからかもしれない。
「ありがとう。好意を無駄にしたくない。ありがたく、着させていただく。だが、どう身につければいいのか」
「クリーさん! 出番ですよ!」
「お任せくださいまし! ギュンギュン様、結界をお願いしますわ!」
「任せたまえ!」
ギュンターが指を鳴らすと、ゴレ子とクリーの姿が消えた。
おそらく、結界の中身を見せない特殊なものだろう。
器用な結界だ、と感心する。
「――まさか、ゴーレムの長殿が人の姿になるとは思いもしなかった」
グレゴリー王の呟きに、サムたちが同意する。
「これは、夢でも見ているのだろうか? 寒さで眠ってしまっているのではないか?」
リチャード王も、ゴーレムの長から始まり、転移を経験などしていることから、情報を処理できずにいるようだ。
「ふふふ、サムがスカイ王国に来てからまだ一年も経っていないが、退屈しないのである」
「あの、陛下。俺がトラブルメーカーみたいなことを言うのやめてくださいね。今回の件は、友也な気がするんですけど」
「ちょ、サム!? 言っておきますけど、スカイ王国を建国した月白龍太郎のせいですからね!」
サムと友也が、元凶が誰かをなすりつけ合っていると、ゴレ子を覆っていた結界が解けた。
「ささ、ゴレ子様のお披露目ですわ!」
「どうだろうか?」
少し戸惑い気味に尋ねてきたゴレ子は、可愛らしかった。
桃色のポンチョを羽織り、足元は中に綿が入った暖かいブーツ。
頭には、毛糸も帽子を乗せていた。
「似合ってるよ、ゴレ子さん!」
「ええ、とてもお似合いですよ」
「可憐です」
「よくお似合いですよ」
男性陣が口々に褒め、拍手をする。
そして、クライド・アイル・スカイは、親指を立てた。
「素敵なビンビンである!」
サムと友也は全力で雪玉をクライドに投げた。




