65「告白です?」②
「ええいっ、話せ怪力ゴリラ! 私はカリアン様とお話をしなければいけないんだ!」
「この野郎……あの日、戦ったほどじゃないけど、かなり力取り戻しているな」
関節を決められて動けないはずの綾音の力に、ウルが楽しそうに笑う。
本人は力比べをしているようだが、綾音は違う。
「――ウル殿、日比谷綾音殿を離してくださって構いません」
「え? だけど、襲われるかもしれないぞ?」
「その時はお任せします」
カリアンは恐れることなく、綾音と向き合うことを決めた。
暴力ではなく、会話をしようとしたのだ。
「……じゃあ、離すけど、少しでも敵意ありと判断したら即攻撃だからな」
「わかったわよ! 早く離して!」
「ったく、きーきーうるせえ女神だ」
ウルは少し納得がいっていないようだったが、カリアンの願いを叶えた。
カリアン以外の誰もが、綾音に不穏な動きがあれば攻撃できるように警戒をしている。
「ったく、幼女ボディに酷いことしてくれて……はぁ、この世界に召喚されてからずっとついてないわ」
綾音はメイ・リー・リーの肩を叩く。
「……綾音」
「いいから、任せて」
「綾音っち」
「……多々二郎、お前はマジで距離が近えんだよ。まあ、空気読んで気配を消していたのはいい判断よ」
鳳凰院朱雀丸の肩も叩くと、綾音はカリアンと向き合った。
彼の間合いから一歩外れた場所に立ち、まっすぐに見つめ合う。
「お話があるというのなら、聞きましょう。一度、女神様とお話をしてみたかった。あなたがどのような思想を持ち、どのように導こうとしているのか。そして、復活したあなたがなにをしたいのか、も」
「……そんなことはどうでもいいわ」
「ほう」
「私は偉そうに何かを語る立場じゃないの。できることは――」
綾音はその場に膝をついた。
俗に言う土下座だ。
「――なんと」
これにはカリアンだけではなく、この場にいるすべての者が驚き、目を見開いた。
カリアンが声をかける前に、綾音が雪が積もる地面に額を擦り付けた。
「どうか! メイ・リー・リーのことをお願いします! あの子は私にとって、初めての親友なんです! あの子に悪意はありません、敵意も、なにかを企むこともないんです! だから、だから、どうか――お嫁さんとして幸せにしてあげてください!」
「――はい?」
「ありがとうございます、カリアン様! まさか、快諾していただけるなんて、さすがカリアン様! さすカリ!」
「いえいえ、待ちなさい。今の、はい、は肯定の、はい、ではなくてですね。あなたの言葉に驚いてしまったゆえに、はい? という疑問の意味です。ちょっと、なぜ涙と鼻水を垂らして号泣しているんですか? あなたはメイ・リー・リーにとってどの立ち位置なのですか!?」
シリアス先輩「あれ? シリアスしないの?」
ビンビン陛下「うむ。よき友情である! いや、この場合は母性であるか。とにかく良いビンビンである!」
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