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46「綾音とメイのキャンプですか?」①





「……ここは」


 メイ・リー・リーがゆっくり目を覚ますと、背中の痛みは無く、手足の感覚は戻っていた。

 凍っていた服は乾いた物に交換してあり、小屋の中で毛布をかけられて寝かされているのがわかった。


「……暖かい」


 部屋の中心部に焚き火が見えた。

 しっかり換気もされているので、煙が身体を犯すことはないだろう。


 ゆっくり身体を起こす、メイ・リー・リーの腹が鳴る。

 雪の中を必死に歩いている時は気にする余裕がなかったが、命の危機から脱したせいか空腹を覚えた。


「――そういえば、女神様はどちらに?」


 綾音の姿が小屋の中に無いことをメイ・リー・リーは気づき、外へ探しに行こうと考えた。

 雪の中で力尽きた自分をここまで運び解放してくれたのは、間違いなく彼女だ。

 小屋から出ようと動き出した時、


「野生の鹿獲ったどー!」


 肩に鹿を担いだ綾音が小屋に入ってきた。


「め、女神様?」

「あら、メイ・リー・リー。起きていたのね。ほら、見て見て鹿よ! 野生の血が疼いてしまったから、一狩りしていたのよ!」


 ワンピース姿ではなく、猟師を思わせる皮の防寒着に頭から足まで身を包んだ綾音がドヤ顔をして鹿を床に下ろした。


「あんたもお腹減ってるでしょう? ちゃちゃっと捌いて食べさせてあげるからちょっと待っていなさい」

「は、はい」


 綾音はメイ・リー・リーを火の前に座らせると、自分は狩ってきた鹿をナイフで手早く捌いていく。

 あっという間に解体された。

 血抜きはしてあるようで、床の汚れは少なく、内臓は「これを餌にするのよ」と木桶に入れて蓋をする。

 毛皮と肉を丁寧にわけ、鉄製のフライパンを脂身で馴染ませると、一口サイズに切り分けた鹿肉を焼き始めた。


「これよ、これ。たまんないわねぇ」

「……女神様」

「なによ? まだ焼けないから待ってなさい」

「いえ、そうではなく、私が気を失っている間に野生に還ってしまったのですか?」

「別に還ったわけじゃ無いから! あのね、こっちは勇者になって魔族と戦え、他国と戦えって散々命じられたのよ。野営くらいできるわよ。もともとソロキャンにも興味あったんだけど、親がそういうのを禁じていたから、もう楽しくて楽しくて! 復活するまでだってずいぶん時間かかったから、ハンターの血が騒いだのよ!」

「……楽しそうで何よりです」

「本当にね! ちょいちょい意識を飛ばしていろいろ見ていたことはあったけど、サミュエル・シャイトは熊さんハンターだったし、ウルリーケ・ウォーカーは目に映る全ての生き物を狩る破壊神だったし、知ってる? スカイ王国にいるギュンター・イグナーツって下着ハンターなのよ?」

「……スカイ王国にいるカリアン様が心配になりました」

「そうね。変態になっていないといいわね」


 肉を焼く綾音とそんな会話をした後、メイ・リー・リーは深々とその場に頭を下げた。


「なによ?」

「心から感謝を」

「そうね。助けてやったのは私よ」

「ありがとうございます。カリアン様の赤ちゃんを身籠ることができずに死んでしまうなどできませんでした。このご恩は決して忘れません」

「あ、うん。はい。元気な赤ちゃん孕めるといいわねー。あ、ほら、頭下げなくていいから、お肉食べましょう。ほらほら!」


 メイ・リー・リーに顔を上げさせた綾音は、焼けた肉を木皿によそいフォークと一緒に手渡し、笑顔を浮かべた。


「塩胡椒だけの味付けだけど、それがいいのよ! さあ、おあがり!」






 綾音が登場時、または聞く話と違う理由に関しては追々書かせていただきます。


 最新コミック2巻が発売となりました! ぜひお読みいただけますと幸いです!

 コミックウォーカー様、ニコニコ漫画様にて、コミカライズ最新話が公開されておりますのでぜひご覧になってください!

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[気になる点] 綾音がヤリにくくなったら サムはピンチやん!?
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