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南高の日々  作者: 高槻
2/2

小田と加賀その後。

 小田は、頭を撫でると大人しくなる。そこがまた可愛い。



「くっつくな」


 目の前から不機嫌な声。


 今まさに、机に突っ伏して寝ようとしていた小田だ。


 俺はと言うと、その背中にくっついている。椅子に二人で座っている状態なわけ。


「えー、良いじゃーん。ラヴラヴー」


「・・・うざ」


「小田に同じ」


「さらに同じ」


 無表情で言ってくる松本と吉田。


「ええ~、酷くねー?」


 君達だって、くっつかれてるでしょうに。


 言ったら恥ずかしがって首絞められそうだから言わないけど。


 小田は小田で無視を決め込んだのか、もう何も言わずに腕に顔を埋めて寝始めた。


 待ってました。


 頭に手を乗せると、小田の腕がぴくり、と動いた。けれど起きる気配も、文句を言う気配も見えない。俺は髪の流れに沿って手を動かした。


 掌で優しく、たまに髪を梳くように。


 好きでしょ、撫でられるの。


 二人っきりの時の、あの少し甘えるような、あの表情が頭の中に浮かぶ。


 誰にも見せたくないから、学校ではこういう姿勢じゃないと撫でられない。


 学校で撫でなければ、なんて選択肢は無い。


 付き合い始めのカップルに、そんな野暮なこと言わないでよ。


 本当は、撫でるだけじゃ足りない。


 頭だけじゃなく、身体全体触りたい。それに、キスだってもっとしたい。


 皆の見ている前でだって構いやしない。


 でも、小田は其処まで求めてくれない。


 ・・・まだ、ね。


 今はまだ。いずれは小田から求めるように、馴らしていくさ。


「きゃー、かがやんが怪しい顔してるーぅ」


 にやけながら言う吉田に、俺は、ただ微笑んだ。



小田と加賀。ユニーク2000記念。有難うございます。

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