小田と加賀その後。
小田は、頭を撫でると大人しくなる。そこがまた可愛い。
「くっつくな」
目の前から不機嫌な声。
今まさに、机に突っ伏して寝ようとしていた小田だ。
俺はと言うと、その背中にくっついている。椅子に二人で座っている状態なわけ。
「えー、良いじゃーん。ラヴラヴー」
「・・・うざ」
「小田に同じ」
「さらに同じ」
無表情で言ってくる松本と吉田。
「ええ~、酷くねー?」
君達だって、くっつかれてるでしょうに。
言ったら恥ずかしがって首絞められそうだから言わないけど。
小田は小田で無視を決め込んだのか、もう何も言わずに腕に顔を埋めて寝始めた。
待ってました。
頭に手を乗せると、小田の腕がぴくり、と動いた。けれど起きる気配も、文句を言う気配も見えない。俺は髪の流れに沿って手を動かした。
掌で優しく、たまに髪を梳くように。
好きでしょ、撫でられるの。
二人っきりの時の、あの少し甘えるような、あの表情が頭の中に浮かぶ。
誰にも見せたくないから、学校ではこういう姿勢じゃないと撫でられない。
学校で撫でなければ、なんて選択肢は無い。
付き合い始めのカップルに、そんな野暮なこと言わないでよ。
本当は、撫でるだけじゃ足りない。
頭だけじゃなく、身体全体触りたい。それに、キスだってもっとしたい。
皆の見ている前でだって構いやしない。
でも、小田は其処まで求めてくれない。
・・・まだ、ね。
今はまだ。いずれは小田から求めるように、馴らしていくさ。
「きゃー、かがやんが怪しい顔してるーぅ」
にやけながら言う吉田に、俺は、ただ微笑んだ。
小田と加賀。ユニーク2000記念。有難うございます。