977:五黄の寅
えー、新年、あけましておめでとうございます。今年も休まず書いていきますのでよろしくお願いしますm(_ _)m
「実は今日はこの子を超紹介しようと思いまして」
その言葉と共に招杜羅の後ろからとてとてと出て来たちっちゃいホワイトタイガー。こらがホントの手乗りタイガーってくらいに小さい。うん、可愛い。ああ、理性が飛んでいくようだ……
「苦しい! 苦しいです! やめるです、ニンゲン!」
「超ド失礼な。ひとみ様はニンゲンなどでは超無いですよ!」
いやいや、人間だからって見下すのは良くないと思うよ。ほら、私だって人間なんだし。えっ、違うって? 気持ちは人間なんですよ? 人間として生まれてきた訳ですし。第一、ママだって人間だもん。
と、言ってる間もホワイトタイガーを抱き締めているのです。だってほら、この子こんなにふわふわで抱き心地良いんだもん。まあ招杜羅も抱き心地は良いよね。別の意味で。ふわふわっていうかぷにぷにって感じだけど。いや、やめよう。招杜羅に返すよ。
「で、招杜羅、この子誰?」
「えーと、超来年の干支神、真達羅です」
「真達羅なのです。というか人に名前を聞く時はお前から名乗れです!」
「あ、私? 私は霜月ひとみ。よろしくね、真達羅ちゃん」
「気安く呼ぶなです、ニンゲンの分際で!」
「嫌だからね、ひとみ様は超人間じゃないんよ」
「はあ!? どう見たってニンゲンですですよ?」
そこにぱあっと光がさした。そして現れたのは八歳くらいになった令和ちゃん。
「なんと騒々しい。真達羅、干支神としてもっと自覚を……」
「あ、令和ちゃんやっほー」
「……ひとみ様!? ってここ、ひとみ様のお家ですか!? なんで招杜羅こんな所に呼んだの!?」
へえ、こんな所、ね。
「違っ、違います! 違うんです! ほら、思いがけないところだったからびっくりしただけで、そんな決して他意はないです! 終わった後に遊びに行こうとか思ってもいません!」
「令和ちゃん、後でちょっとお話しようね」
「……はひ」
トホホな感じの令和ちゃんを見て真達羅ちゃんは思いっきりびっくりしてる。
「は!? なんで歳神たる令和様が一介のニンゲンなんかに怯えてるですか?」
「口を慎みなさい、干支神の分際で! ひとみ様は精霊たちの主であり、世界樹ユグドラシルの化身、ハイエルフですよ!」
「ハイエルフ……そんな伝承上の存在が存在するなんて……」
いや、私らからすれば令和ちゃんとか真達羅ちゃんとかも伝承上の存在なんだが。まあ神様だの天使だの妖怪だの仙人だの見すぎたせいで少々麻痺してるけど。
「まあまあ、真達羅ちゃんだっけ? 仲良くしようよ。ほら、こっちのコタツにおいで。みかんもあるよ」
「……行ってやらねえこともねえです」
とてとてと歩いてこっちに来る。いやー、まあ、可愛ええ。ちょっと令和ちゃん、この子、こんなに小さいけど大丈夫なの?
「はい、真達羅は先代が引退したばかりで世代交代したばかりなんですよ」
「先代になんかあったの?」
「強いて言うなら膝が弱くなって階段の上り下りが辛くなったとか。それに今年は平成母様から私に代わってから初めての五黄の寅なので交代するのにうってつけだと」
年寄りか! 膝の痛みとか皇〇飲めばいいじゃない。よいしょは膝の悲鳴です? よっこいしょういちはダメですかね?
「なのでしばらくひとみ様のところで修行をさせたいと」
「え? ちょっと待って? 私が面倒みるの?」
「だって面倒臭い……じゃなくて、ひとみ様の様な強い人の側で修行する事によって一人前になれると」
おい、今面倒臭いって言ったな?




