752:ライラさんの誕生日
今年こそはライラさんに声がつくといいなあ。
翌朝。動けません。なんというか見事にサブミッションが極まってます。コブラツイスト?みたいな。痛くはないんだけどね。
「ハールー、起きてくんないと朝ごはん作れないよ?」
「今日はひとみんをいただきまーす」
「私はご飯じゃない! っていうか起きてんならこれ解いて」
「えー? せっかくひとみんと一つになれたのにー」
まあ同じベッドで朝まで一緒は初めてだったかもしれない。力尽くで解いても良かったけど、まあ予定も無いしいっかという事で微睡みに落ちた。
お昼前に起き出してぼーっとしている。ハルは身体に絡まってなかった。どこいったのかは分からないけとまあいいや。お昼ご飯なんにしようかな。
「おかしいですわ」
「あ、澪ちゃん?」
「お姉様は朝早く起きる習慣の持ち主。それはたとえご実家でも、いえ、ご実家なら尚更」
聞いてないな。まあ実家だとママの手伝いもあるからむしろ早起きウェルカムだよ!
「それなのに未だにダイニングに何の料理も用意されていない。何かがあったに違いないですわ!」
この子は……まあこのままでも仕方ないから声を掛け……
「説明しよう! ひとみんは昨日、私とめくるめく熱い夜を過ごしてお疲れなのだ!」
空中に影が集まってハルの姿になった。どうやら影化していたらしい。
「くっ、ずるいですわよ! この家で暮らす前提の協定を忘れましたの?」
「ああ、こっちから手出しはしなーい。私はお金使って持ち掛けないしー、澪ちゃんはストーキングしなーい」
「だったら……」
「誘って来たのはひとみんだよー?」
「なっ、なんですってぇ!?」
あかん。だんだん収拾つかなくなってきた。私はダイニングのドアを開けて今起きた様に欠伸をひとつ。
「おはよう。あれ? 澪ちゃん来てたの。いらっしゃい」
シュバァと妖艶な笑みを浮かべる。これでノックアウトだよ!
「あれ? まだチャンスはありそうですわね」
「ちっ、バレたかー」
なんだよ! と思ったら澪ちゃん、「残り香」を感覚的に感じ取る事が出来るんだとか。さすが色ボケ主神の娘。
「それで澪ちゃんはなんで家に?」
「お姉様のご尊顔を拝しに」
「それだけ?」
「あ、いえ、本題は香子ちゃんの授業参観ですわ」
授業参観だと!?
「はい、香子ちゃんの家で授業参観のプリントを見たのですが、「ひとみさんは今忙しいから……」と寂しそうに呟いてゴミ箱に捨てたのですわ」
私のバカ! 香子ちゃんにそんな寂しい思いをさせていたなんて……
「で、澪ちゃん、その参観日は一体いつなの?」
「えーと、明日なのですが」
明日!?
「あ、そういえば明日はライラさんの誕生日で国民の祝日かー」
「そんな日あったっけ?」
「ドバイの王族が日本に休みにするように働き掛けたんだってー」
それは有りなのか? 内政干渉とかじゃ……
「休みが増えるならいい事ではありませんか」
「まあそうだよね。おかげで香子ちゃんの参観に行けるんだし」
「あのー、となると私も一緒に行ってもいーい?」
「うーん、ハルももう一人の親みたいなものだからなあ。仕方ない。一緒に行こうか」
「私も! 私も香子ちゃんの姉みたいなものですわ!」
いや、さすがに高校生は連れて行けないわ。まあその代わり終わったらみんなでご飯食べに行こうよ。楓ちゃんと葵さんも誘っておいて。




