502:たそがれの挑戦者
乱入者あり!
「お主ら、ギリシャ神界の奴らとは知り合いかの?」
「私が半神ですわ」
彼らの呼び掛けに澪ちゃんが答えた。いや、誤魔化せば良いのに。
「ふむ、確かにヘラの気が混じっておるな」
「ヘラ様は私のお母様です」
「そうか。なら.......」
クレイオスが動いた。もう一回あの隕石撃たれたら.......
「メテオレイ.......むぐっ!」
クレイオスの頭を水が包んだ。という事は葵さん!
「口を塞いでしまえば呪文は唱えられませんよね」
「舐めるな! 解呪!」
クレイオスの顔を覆っていた水が弾け飛んだ。
「おお、兄者。死ぬかと思ったぞ」
「笑えん冗談だ。息が出来なくなった程度で死ぬ弟者ではあるまい」
「何が望みですの?」
「決まっておる。ワシらを閉じ込めた奴らに仕返しをして、この世の支配権を奪い取るのだ」
無茶苦茶言いやがる。でも不可能でもなさそうなのがまた厄介なんだよなあ。
「ひとみ、ひとみ」
「何よドライアド」
「ひとみ一人なら向こうに送り込める穴を空けられそうなんだけど、行ってくれない?」
私が? そりゃ願ってもないけどドライアドはそれでいいの?
「あいつらほっといたらヨーロッパ中で暴れそうだもの。ブリテンに上陸させる訳にはいかないし」
「おっけー、わかった。じゃあ空いたらボコってくる。で、いつ空くの?」
「あと一時間くらいかなあ」
「そんなに!?」
「いやだって相手はコイオスだもん。あいつとまともにやりあえる知恵ものなんてトトか八意くらいよ」
だから力技って訳ね。それじゃあドライアドに任せるかな。でも見てるだけってストレス溜まるんだよね。
「おい、ティターニアが結界を破ろうとしておるみたいだぞ」
「ふん、やつでも一時間程度はかかろう。ここを始末して去るには十分な時間だ」
そこまで計算済みか。
「どこを見てるのよ。あんたらの相手はあたし」
「小さいな。お主程度がワシらに勝てるとでも?」
ちょっと、なにやってんの、ハル!
「あはは、ちょっとびっくりしてましたけどやらないと澪が危ないんですよね。ならやるしかないです」
楓ちゃん。いや、楓ちゃんは澪ちゃんを守ろうとするのは計算通りだ。
「何二人で盛り上がってるのですか。これは私の問題なんだから私がやるに決まってますわ」
澪ちゃんもやる気満々だ。先程は少し震えて.......あ、今も震えは治まってなさそう。
「皆さんがやるなら私も。これでも保護者のつもりですから」
葵さんは端から臨戦態勢だ。
「巨人って切れるんですかね? 楽しみです」
「だからー、私を巻き込まないでって!」
あー、睦月さんにはごめんなさい。
「小さいとはいえ、半神とその仲間だ。油断しない方が良いだろう。弟者」
「こんな奴らが? 隕石で終わりそうだぜ兄者」
「隕石は使うな。使えば修道院に被害が出て最悪奴らがすぐに出てくる」
修道院に被害が出たら結界が解ける様に設定しているらしい。そんな事言われてた様な気がする。ん? 何か落ちてくる?
「イヤッホォォォォォォ!」
二体の巨体が降り立ち、その上に二つの人影があった。
「晶龍君、ブランちゃん!」
「先生に仇なす者は許しません。行きなさい、ルーク!」
「ま"っ」
二体のルークが巨人それぞれに組み付いた。
「ぐっ、なんだこいつらは。動けん」
「余所見してんじゃねーぞ、ゴラァ!」
そこに晶龍君のパンチがまともに入った。
「ふぐぉっ」
「グレイオス!」




