500:五軍の戦
半神、鬼、竜族、吸血鬼、人間VS出来損ない半神
ほら、立派に五軍。
「ギリシャの背骨」とも言われるピンドス山脈の麓に広がるテッサリア平原。二十から四百メートルに及ぶ尖塔状の岩塊が立ち並んだその場所、メテオラ。
「ここなら周りを気にせず戦えますね」
「あの、岩の上に建物建ってますけど」
「ああ修道院ですね。大丈夫と思いますがくれぐれもご注意を。壊したらその場で失格とします」
無茶言うな。それなら私が結界を.......
「何やってるんですか?」
「結界を張ろうかと」
「大人しくしてなさい」
ドライアドに促されて着席。私はいかんのにドライアドならいいんだ。
「平原とはいえ、これだけ周囲の魔力が凄かったら慣れた人がやったほうがいいんだよ」
グゥの音も出ません。大人しくしてます。
「では、メテオラ戦争、開始です!」
こちらの戦力は楓ちゃん、澪ちゃん、ハル、葵さん、睦月さん、琴葉さん。向こうは.......たくさん。そう、たくさん。
「あっちの人数多すぎない?」
「一人一人は大したことないんだけど」
「人海戦術ってのがあるでしょうが」
「大丈夫だって。このドライアドの私の目の黒いうちは不正なんかさせない!」
「.......あんたの目の色、緑じゃん」
「エメラルドグリーンだよ。綺麗でしょ」
まあ羽根も目もよく見ると綺麗なんだよね。それはともかく、向こうの人数の多さは戦争だからと仲間に全部声掛けたらこうなったそうで。思ったよりたくさん半神候補居ない?
「くらえ、火焔球!」
数人の人物が手から火球を出した。スピードは並以下、威力も大してなさそう。
「ねえドライアド、あれって本気でやってるの?」
「あれが現代の「普通」なの。ひとみのはおかしいの」
そんなおかしいとか言わなくても.......まあ私の火球を受けなれてるみんななら問題なさそう。あっ、一般人も二名居たけど、なんであの二人まで出てるの?
「私たちに手向かうとは恥知らずな。全て切って捨てましょう」
「だから、なんで私まで? そりゃ戦闘訓練は受けてるけど!」
琴葉さんはやる気みたい。睦月さんは.......成り行きかあ。
「はいはい。じゃあそろそろ反撃に移りますわよ、皆様」
澪ちゃんが金の霧で火球を包むと火球はすっときえていく。あんなこと出来るんだ。
「あれは魔力阻害。向かってくる火球の魔力を削って消滅させるのよ」
「私の時には使ってきたことないよ?」
「十から一ずつ削っていくのは有効だけど、一兆から一ずつ削っていくのは効率悪いでしょ」
どうやら私の魔力量がケタ違いなせいらしい。
「露払いは私が。うなれ、大海嘯!」
王蟲の群れ!? あ、いや、違う。そういや琴葉さんにはリヴァイアサンがついてたっけ。亜空から大量の水が押し寄せて相手を洗い流す。うん、だいぶ流れた。
「私もできますよ。えいっ!」
また亜空から大量の水が! 葵さん、オーバーキル、オーバーキル!
いや、そうでもなかった。防壁築いて防いだ奴らもいるさすがに候補者だね。
「くっ、なんだあれは。神の御業では無いか」
「話が違う!」
「あんなの勝てるか!」
口々に文句が出される。うん。まあ見た目で詐欺だと思うんですよ、私も。
「心配するな。我々にはまだまだあれがある」
「あれは.......危険すぎないか?」
「制御してみせればいいのだ!」
そういうセリフ吐いて制御出来た試しを私は知らないのだが。




