1159:負けフラグはへし折る為にある
澪ちゃんだけで終わってしまった。楓ちゃんは次回。
「解析されたからといってどうということはありませんわ!」
あっ、何気に負けフラグな感じなんですけど大丈夫かね、澪ちゃん。
「情報を制するものは勝負をも制するのですよ。さあ我がオウルの羽ばたきよ!」
「HWOOOOOOO!」
フクロウがひと鳴きして羽ばたくと、そこに居たメディシンマンの姿ごと消えた。えーと、ああ、うっすらと見える。どうやらこことは違う位相の世界に片足突っ込んでる感じ。ブランちゃんみたいな完全なものではないけど。
「隠れても無駄ですわ。いつまでそうしているおつもり?」
また澪ちゃんは負けフラグムーブかます。本当に負けるよ?
「ここはアストラル界と呼ばれる幽体の世界。生あるものには踏み込めません。私のように選ばれし者でなければね。ぐふふ」
「どうやらその様ですわね。ならば出てくる迄待っていれば良いのです」
「その言葉を聞いて安心しました。あなたはここに手出し出来ない。すなわちここから攻撃を仕掛けることの出来る私の勝ちなのです」
「!? なんですって!」
澪ちゃんの黄金の霧は防御体制を取るように澪ちゃんの周りに集まった。
「無駄、無駄ですよ。私の呪いは概念。実体が無いですからね。物理的な力では防げませんよお!」
メディシンマンのいる辺りの空間が歪んで死神の様な姿の骸骨が鎌を持って現れた。あれだね。命を刈り取る形をしてる鎌だね。エレザールの鎌とかサイレンスグレイブとかそんな名前なのかな? あ、でもほたるちゃんのはああいう大鎌タイプじゃなくて薙刀だね。
「さあ、死神に大人しく刈り取られなさい!」
死神はゆっくりと澪ちゃんに近付き……そしてその鎌を振り下ろした。ってこのままだと澪ちゃん死んじゃわない!?
「こんなもので倒せると思われたとは、私も随分と舐められたものですね」
なんと澪ちゃんは振り下ろされた鎌の刃の先端を摘むように持っていた。いや、達人技じゃね?
「毎日楓との乱取りをしていればこれくらいの実力はつきますわ」
……ああ、まあ楓ちゃんと一番一緒に居るもんね。修練も一緒かあ。というか澪ちゃんと楓ちゃんって夜の乱取りだけじゃないのね。
「なっ、百歩譲って武の心得があったとしてもアストラル界からの攻撃を防げる訳が」
「言っておきますが、末席ながらも主神の血を引く神たる私がどうしてアストラル界ごときに現界出来ないと思いますの?」
あ、やっぱり出来るんだ。というかアストラル界も現実世界もどっちも見えてるし干渉出来るということなんですか。あれ? じゃあなんで黄金の霧を退かせる必要があったの?
「さあ、捕まえましたわ」
「なんだと? うわっ!?」
いつの間にやらアストラル界のメディシンマンのいる辺りを澪ちゃんの触手……いや、大蛇が縛ってる。
「男を触ってる感触が嫌なので独立して動ける様にしました。モードヒュドラですわ」
どうやら触手は女の子に使って触り心地を楽しむ為のものらしい。私には使わないように言っておこう。
「さあ、フィナーレですわね。良い悲鳴を聞かせてくださいな」
「ぐぎゃあああああああああ!」
べキッゴキッという音が幾つもして、ヒュドラが退いた後には全身の骨を砕かれたメディシンマンの姿があった。
「しょ、勝者、水無月澪!」
睦月さんがはっとした様に澪ちゃんの勝利を宣言したのだった。




