1155:みんなー、ぼったくりタイム、はっじまっるよー
メイド喫茶はぼったくりじゃない。
「つまりひとみんが居るとー、私の戦力は跳ね上がる、と?」
「そうね、敵味方問わず跳ね上がるわね」
敵味方問わず……いやまあ確かに自分の魔力とか自然力?とかコントロール出来る気しないかなあ。
「厄介なのはレミーも自然から魔力を集める魔女という事じゃ。わしらレベルの魔法使いがひとみの側でぶつかったらこの都市ごと吹き飛んでもおかしくないからの」
間接的な大量破壊犯ですね、分かりたくありません。
「他にどんなのが向こうについとるか検討もつかんがおそらくレミー本人が出てくるのは最終段階じゃろうな」
「長引いたらそれだけニアが回復するとか思わないの?」
「それをやるくらいなら先に妖精鄉を破壊しようとするんではないかな。いや、まて、なんじゃその怒気は」
妖精鄉を破壊する? つまり、ママに危害を加えると? この世からアメリカという国を消し去ってでもそんな事はさせるものか!
「落ち着きなさいよ、ひとみ。一度設置して定着してるんだからレミーひとりじゃどうにもならないわよ。設置したばかりだったら分からないけど、あそこには仙桃も生えてるんだし」
なんでも仙桃が生えてると術式というか妖精鄉の構成が変わるそうだ。なるほど。仙桃育てるのも無駄ではなかったということか。いや、それ以前にママが食べてて若返るわーとか言ってたけどまさか本当に……
「妖精鄉の中は時が止まってんだから仙桃の影響はないわよ。その代わり、外に出たら影響出るけどね」
なんだって? それは外出しない様に言っとくべき? いや、でも割とママ出歩いてたよね?
「お肌がツルツルになり、性欲も旺盛になるのです!」
なんだ、お肌がツルツルとか性欲旺盛とかいい効果ばかり……待って、待って、性欲旺盛だと? でもあの家には私は居ない。という事はそれを受け止めるのは……いやあ、パパ、そこ代わって!
「なんか急に発狂しだしたんじゃが」
「あー、いつものやつね。ほっときましょう」
「ひとみーん、私が慰めてあげるからねー?」
ううっ、パパの事一生恨んでやる。羨んでやる。あとハル、慰めはまあ今はいらないから。
とまあ襲撃がありながらも客の入りは上々である。他の二店舗はあまり入ってないからこれならこの調子で頑張ればいいね。
ご飯時になるとお兄さんのお店の方に人が集まる。食べに行くところもあまりないからそこそこの値段で美味しけりゃ喫茶店でも食べに行くんだろう。
食べ終わった客がどこに行くかと思ったら弟さんの方の店。食後の一杯をゆっくりしたい人はこっちに来るんだろう。というか完全に人の流れ出来てるじゃん。それなのになんでお客さんがこっちに入らないかな? 道行く人に聞いてみよう。
「え? そこのお店? 確かにメイドさんとか可愛いし、ふらふらってなっちゃいそうだけど、ほら、こういう所って割高でしょ? 大して美味しくもないオムライスに千五百円とか払えないよ」
しまった、ぼったくりみたいに見えてる? いやまあ確かにこんな田舎の都市でメイドさんの格好なら夜のお店系列かなと高いのを警戒するのはわかる。
「おかえりなさいませ、ご主人様」
ってのが
「今からぼったくりタイム、はっじまっるよー」
とでも聞こえてるんだろう。別に私の実体験じゃないけど人伝に聞いた事があるのです。でもまあこのままでも十分そうだからこのまま頑張りますか。




