表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
永夜の流星  作者: Ragna
20/59

第二十話 円卓会議

首都アヴァンにある政府会館。

私はリアとともに4日かけてここまでやってきた。

馬車なんてものには久しぶりに乗ったけれど、やっぱりあまり好きじゃなかった。

だって暇なんだもん。


「さてと、この扉を通ったら円卓会議に突入やで。準備はええか?」

「はぁ。気乗りはしないけどね。行こう。」


二人で重々しい扉を開け、中に入る。

部屋の中には巨大な円卓があり、20人ほどの人がいた。

これが円卓会議…さすがの重厚感だね。


「パンドラことリア・マキノ、召集に応じ馳せ参じましたよっと。議長さん、久しぶりやな!」

「うむ。ご苦労、マキノくん。」


白髪交じりで鷹のような目、一段と迫力のある男だった。

察するにこの男があの生きとし生ける伝説、ギアル・ガンドだろう。

数多の戦場を超え、円卓会議において20年もの間議長を務め続けている、事実上の国家元首だ。


「それで、その隣のお方がかの戦姫殿で間違いないな?」

「…元四大英傑、戦姫アイラ・フォード。召集に応じ馳せ参じました。お会いできて光栄です、ガンド議長。」

「よく私の召集に応じてくれた。感謝する、フォード殿。」


こういう場はなかなか苦手なので、挨拶は手短に済ませる。

にしても、私なんかがこの場に呼ばれた理由はなんなのだろうか。


「んで、議長さん。ウチだけやなくてなんでアイラまで呼び出したんや?めんどくさい前置きとかなしで、さっさと本題にいこや。」

「ならば率直にいうが、クーゲル王国がヘルエ帝国に対し宣戦布告した。」


は?

何を言って…


「それが10日前のことだ。現在ではすでに王国軍による侵略が開始されている。この件に関して何か知っていることはないか、フォード殿。」

「…いえ、何も。」


動悸が激しくなる。

何で今更帝国に侵略なんて…。

そもそも今の王国は四大英傑の半分を欠いている。

それに加えて白銀は防衛線にしか参加しないから、実質稼働できるのは一人だ。

そのような状況で戦争を仕掛けるなんて、自殺行為だ。

ヘルエ王国にも英傑に匹敵する人物はいる。

それなのに行動を起こしたということは、なにか大きな目的があるのだろう。


「んで?あんたらはアイラを疑ってるん?」

「いいや、それはない。フォード殿は濡れ衣を着せられて罪人となったということは、すでに調べがついている。むしろこの国に戦姫がいることは、利益になる。」

「そら結構やな。ほなウチはいったんここでお暇させてもらうで。」


リアは突然くるっと後ろを向き歩き出す。

その小さな体からは想像もできないほどの殺気が放たれている。


「り、リア?どこにいくの?」

「故郷に帰んねん。家族が危ない目に遭ってるんならはよ帰らな。」

「マキノくん、待ちたまえ。話はまだ終わっていない。」


リアが顔を議長に向ける。

これまで一度も見たことのない激しい怒りの表情だ。


「我らラント共和国は古き盟友の要請に応え、帝国軍の救援に出る。」

「それって…」

「ああ、いまこそ王国軍を蹴散らす時だ。」

ちょっと急展開すぎたかもしれません。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ