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世界は占いに支配されている  作者: 米 春幸
第八章 明国編
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それぞれの思い2

 明国の占いの城では、神官セリスが人を占っていた。


「自分と似たタイプの人か、違うタイプの人……。

私はどちらの人を選べばいいんですか?どうか、教えてください」


「それは中々難しい問題ね。でも相性が良ければ、どちらでもうまくいくものですよ。

早速占ってみましょう」


 セリスはタロットカードをシャッフルし、その中から一枚を机にゆっくりと置いた。


「このカードは……?」


「……やはり問題ないようです、タイプはどちらでも関係ないと出ています。

自分が強く惹かれる人を選んでください。

どうしても迷うようなら、二人ともダメだと思ってください。それが長続きする秘訣です」


「わかりました。自分の気持ちを信じるしかないんですね……。

……ありがとうございました。白の神官セリス様」



「……ちょっといいかな?」


「あなたは……?クロア捕獲作戦の時に会ったことがある……。

確か最近蛇国の神官になったレイさんね?あなたもここに召集されたの?」


「そうだ。早速聞きたいのだが、君は組織の情報を知っているか?」


「最近は活動がとても活発化しているということなら聞いているわね」


「近いうちに協会本部の本館のほうに奇襲をかけるらしいという情報が出回っている。

それについてはどうだ?」


「それなら聞いたことはあるわ。そのために大神官様が私たちをここに召集されたのでしょう?

まだ上からの正式な発表はありませんけど」


「優秀な神官を各国から明国に続々と集めているらしいな。

これは近いうちに何かが起こる前触れということに違いないだろう……」


「優秀な……神官。私が……」

 セリスは嬉しさを表情に出さずにはいられなかった。


「まさか君が白の神官になれるとは思わなかったが……。

ところでクロアについては何か知らないか?」


「……さあ、知らないわね?私も彼の行方が気になっているところだもの」


「以前一緒に行動していただろう?

探しても中々情報が見つからなくてな。何故かクロアの情報だけがさっぱり消えているんだ」


「……時計塔で事件が起きたとしか知らないわ。情報もそこで途絶えているみたいね」


「それは俺も知っている。が、やはりそうか……」


「……心配よね」


「普通に考えれば、今回の件と何か関わっていると見るべきなんだろうが」



「それで、君は一体どちら側なんだ?」


「何のこと?」


「龍か?兎か?」


「そりゃあもちろん……龍よ」


「そうか。それで今回の協会と組織の戦い、どちら側が勝つと思っている?」


「……それを言って何か私の得になることでも?」


「まあそれ自体は別にいいか……。

ところで君の情報についてなんだが、なんでも神官サラにとても興味があるらしいじゃないか?」


「…………」


「まあ答えなくても、その反応を見ればわかるが。

神官サラのあの能力についてはもう知っているんだろう?」


「それは……」


「それだけ興味を持っていれば、知らないことはないだろう?

例えばお金をかけて、裏の情報網を使ったりすればわかることだ」


「それとさっきの話に何の関係が?」


「知っているんだな?」


「……神官の間でも噂されていることよ。大人数に効く強力な運命変更能力。

それに当てはまるのは、白の能力の白☆シーズンしかない」


「では、それと対になる黒の能力も知っているな?」


「まさか……それに対抗する能力を持っているとでもいうの?」


「そうだ」


「それで?あなたの目的は一体何なの?」

 セリスは急に真剣な顔つきで話し出した。


「大神官や組織のボスの正体を知りたくはないか?」


「……それを知って何になるの?」


「俺は知りたいんだ。情報を得る度に興味が湧いてきて。

こんなに人に興味を持つなんて自分でもびっくりしているんだが。

……俺たちが協力すればできると思わないか?」


「さあね……?それでいったい私に何を望むっていうの?」


「簡単なことだ。俺に能力を貸してほしい」


「……見返りは?」


「サラ様に会わせてあげようじゃないか」


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